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Ⅰ.貴方様と私の計略 ~ 出会いそして約束 ~
81.貴族という名の伏魔殿②(ユミナ視点)
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そうではないと思っていてもだな、返答を渋られれば疑いたくなってしまうだろう。こと、ミリィに関しては。
あの後、テイラー侯爵と相談し、ミリィにはこの事を話さないことに決めた。
引き続き、マルクスの手を借りながら、事の払拭とミリィの汚名返上に尽力することにした。
私の汚名?あれは、ただのやっかみだ。
そもそも、多かれ少なかれ辺境伯を賜っているものには、何かあれば浮上する話だ。
辺境伯を賜るもので、シュトラウス家は唯一の新興貴族だから、難癖もつけやすいのだろう。
いちいち気にしていたら、身が持たない。足下をすくわれない程度に対処できれば問題ない。
今回もわかるものは、わかっているから大丈夫だろう。
まぁ、辺境伯の任に着きたくもないのに難癖をつけるだけつけるのだから、腹立たしい事にはかわりないが。
「なぁ。マルクス。今回何故ミリィが難癖をつけられていると思う?」
マルクスは、考えるそぶりをし、返答をよこしてくる。
「あの辺りの貴族が考えることはよくわからん。
ただ、今回はお嬢が思っているより、貴族どもに衝撃を与えてるってことなんじゃねぇの?」
「まぁ、そうだな」
マルクスの言うことは、強ち間違ってはいない。
テイラー侯爵家に引き取られた養女と養子。ミリィとクルツのその認識が、変わったと言うことだ。
クルツに関しては、次期侯爵として据える際に、古の血族である証明をしているはずだ。
ただ、令嬢であるミリィは必須ではないためしていなかったのだろう。
故に、ただの令嬢。ないしは、変わり者の令嬢で氷の毒華と言われていた。
しかし、ここにきて首だけになった騎竜の証明という男でも避けたいであろうことをやってのけた。
そして、皆の前でかつ王の御前でそれをやってのけた。
聞く話では、背負うことなく自然体であったらしい。それは、王の御前に立つ令嬢では珍しいし、何より爵位を保持する者でもできない者もいる。
だからだろう。年若いしかもご令嬢が自身よりも上かもしれない。そう考えたんだろう。
まぁ、実際に能力的にも上回っている可能性があるわけなんだが。
「マルクスからみて、ミリィの能力はどう映る」
「・・・身体能力は貧弱」
いや、そこを聞きたいわけではないのだが。
「他には」
「それ、俺が答えたとして何の意味あるの」
・・・言いたくない何かがあるのか?
「とくにはないが・・・私の今後の参考にする」
とてつもなく渋い顔をして、とてつもなく渋々答えてくれた。
「旦那が気にするようなものないと思うが。
そうだな。女にしておくのは惜しいが、女だからこその細やかさや気づきがあるのも確かだな。
あれは、恐らく自身が矢面に立ってもどうにか出来るような気がしている反面、弱い部分や危なっかしいところがある。
身体能力はいわずもながだが、それ以外についてもだな」
「ああ。だからか」
なるほどな。何故、ミリィの側に居るのかと思えば、認めるところは認めているが、危なっかしくて目が離せない。そんなところか。
マルクスの年齢は知らないが、ミリィよりは私の方が近そうな見た目はしている。
ヘーゼルは、どう考えても父親枠に近い。
「なに。だめなの」
「いや?そもそよ、私が駄目だと言ったところで、マルクスの思いも心もどうすることもできないだろう。
まぁ、距離感が近いのは気にはなるが」
私の言い分に、マルクスは真顔になる。
「旦那は、俺やヘーゼルには隠さなくなってるよな。
まぁお嬢にも隠してないけど、当の本人が気づかないからなぁ」
そういえば、そうだな。
付き合いはさほど長くはない。でも、信頼できる者たちだと思っている。
彼らは、言葉ではなく行動で示してくれるからかもしれない。
「いやならやめるが?」
「べつに。ただ、時と場所をわきまえてくれれば問題ない」
これは、あれだな。ミリィのことも考えろと言われているな。
まぁ、人目は気にするべきか。
そうこう考えていれば、マルクスが来客を告げる。
「誰かくるぞ」
そう、言われ幾何もしない内に、ノックの音がする。
こんこん
「どなただ」
「カミラだ。あと、デュオもいる」
返答にあわてて、扉へと向かい、二人を向かい入れる。
「失礼いたしました。どうぞ、お入り下さい」
二人が、部屋へと入るのを見届け、扉を閉める。
「お二人そろって、どうされたのですか」
「いやな。ユミナの書簡と共にこれが届けられてな」
カミラ殿下の手には、確かにシュトラウス家の封蝋が見てとれる。
もう一つには、最近見慣れたテイラー家の封蝋がされていた。
どちらも封が切られ、中身は確認されているようだった。
「何か問題でもありましたか」
反応を伺うように、カミラ殿下の出方を窺う。
「そう、硬くなるな。非公式だ。普通に呼べ。
それに、これが届いたのは、お前が隣国にいるころだ」
隣国にいる頃?
私は、一つ息を吐くと、カミラを見据える。
「何が言いたい」
私の変化を感じ取ったのか、ニヤリと笑うとテイラー家の封蝋がされているものを私によこしてきた。
「彼女は女性にしておくには惜しいな。王族の隣でも色あせんと思わんか?」
中を確認すれば、ミリィの丁寧な字が目に映る。
少しだけ、頬を緩め読み進めれば、内容は隣国との事が起こる前に話していた第二王子殿下についての内容だった。
「色あせないかどうかはわからんが、渡す気はない。で、これがどうした」
カミラは、ははっと笑うと本題に入る。
「まぁ、わりと面白いことが書いてあった。
不躾ではあるが、こちらとしては、そんなに損はない。
と言うわけで、今日までデュオを隔離してみたわけなんだが」
そこで、カミラはちらりと第二王子殿下へと視線を向ける。
視線を追えば、とても気まずげな第二王子殿下がいた。
最後にテイラー侯爵家の別邸で会った時と何処となく雰囲気が違う気がする。
「原因がわからぬから、するならとことん隔離しろと書いてあってな」
そこで、可笑しそうにカミラは笑う。
「王族にそんなことを言えるのは、おまえとテイラー侯爵位しかしらぬから、ちょっと面食らった。
でだ、デュオには監視下で、侍従から引き離し、私の部屋でとことん共に過ごさせてみたんだ」
そこからは、経過報告の様な話だった。
最初の一週間ほどは、変化は感じられなかったが、次第に落ち着きがなくなる。注意力が散漫になる。といった事が現れだしたと。
それから、暫くすると落ち着いたかに見えたが、体調の不調を訴えだした。嘔吐に下痢。立ち眩みなど。
調べてみれば、第二王子殿下が口にすることのない物が検出された。しかも、尋常ではない量だったらしい。
そのため、医者の指導の下、十分な水分と食事をとりながら、体外へと排出するための治療が行われた。
念のため、口にする物はカミラと同じもので、信用のおけるものしか触れさせぬようにしたらしい。
さすれば、次第に考え方が変わったのか、発言が代わり行動が変わり、今日に至ったと。
「デュオ、気分はどうだ?」
そう問われた、第二王子殿下は静かに答えた。
「長い夢の中にいたような、自分が自分でなかったかの様なそんな感覚がします。
でも、王族ですから自分の行動には責任を取らねばと思ってはいます。
シュトラウス辺境伯、迷惑をかけた。すまない」
第二王子殿下は、謝罪の言葉とともに頭を下げてくる。
「・・・謝罪は受け取ります。しかし、殿下が軽々しく頭を下げてはいけません」
そう言えば、頭を上げた第二王子殿下の顔には苦笑が浮かんでいた。
「昔も言われたな。そう苦言を恐れず言ってくれる者がいなくなって久しい気がする」
第二王子殿下は、そう遠い目をされる。
そうか。親しい者達からも遠ざけられていたのだな。
ただ、今の殿下は昔のような生真面目さと荒っぽさが見え隠れする。
そんなことを考えていれば、控えていたマルクスに裾を引かれ目線で扉を促される。
気を向ければ、誰かが勢い良く近づいてくる気配がする。
マルクスが動かないのをみると危険はなさそうではあるが、念のためカミラと第二王子殿下を背に庇う姿勢をとる。
その瞬間、勢い良く扉が開かれ、そこに現れた人物に唖然とする。
「デュオ!」
王太子殿下が、息を切らして立ちすくんでいた。
その目線は、第二王子殿下を捉えて動くことはなかった。
あの後、テイラー侯爵と相談し、ミリィにはこの事を話さないことに決めた。
引き続き、マルクスの手を借りながら、事の払拭とミリィの汚名返上に尽力することにした。
私の汚名?あれは、ただのやっかみだ。
そもそも、多かれ少なかれ辺境伯を賜っているものには、何かあれば浮上する話だ。
辺境伯を賜るもので、シュトラウス家は唯一の新興貴族だから、難癖もつけやすいのだろう。
いちいち気にしていたら、身が持たない。足下をすくわれない程度に対処できれば問題ない。
今回もわかるものは、わかっているから大丈夫だろう。
まぁ、辺境伯の任に着きたくもないのに難癖をつけるだけつけるのだから、腹立たしい事にはかわりないが。
「なぁ。マルクス。今回何故ミリィが難癖をつけられていると思う?」
マルクスは、考えるそぶりをし、返答をよこしてくる。
「あの辺りの貴族が考えることはよくわからん。
ただ、今回はお嬢が思っているより、貴族どもに衝撃を与えてるってことなんじゃねぇの?」
「まぁ、そうだな」
マルクスの言うことは、強ち間違ってはいない。
テイラー侯爵家に引き取られた養女と養子。ミリィとクルツのその認識が、変わったと言うことだ。
クルツに関しては、次期侯爵として据える際に、古の血族である証明をしているはずだ。
ただ、令嬢であるミリィは必須ではないためしていなかったのだろう。
故に、ただの令嬢。ないしは、変わり者の令嬢で氷の毒華と言われていた。
しかし、ここにきて首だけになった騎竜の証明という男でも避けたいであろうことをやってのけた。
そして、皆の前でかつ王の御前でそれをやってのけた。
聞く話では、背負うことなく自然体であったらしい。それは、王の御前に立つ令嬢では珍しいし、何より爵位を保持する者でもできない者もいる。
だからだろう。年若いしかもご令嬢が自身よりも上かもしれない。そう考えたんだろう。
まぁ、実際に能力的にも上回っている可能性があるわけなんだが。
「マルクスからみて、ミリィの能力はどう映る」
「・・・身体能力は貧弱」
いや、そこを聞きたいわけではないのだが。
「他には」
「それ、俺が答えたとして何の意味あるの」
・・・言いたくない何かがあるのか?
「とくにはないが・・・私の今後の参考にする」
とてつもなく渋い顔をして、とてつもなく渋々答えてくれた。
「旦那が気にするようなものないと思うが。
そうだな。女にしておくのは惜しいが、女だからこその細やかさや気づきがあるのも確かだな。
あれは、恐らく自身が矢面に立ってもどうにか出来るような気がしている反面、弱い部分や危なっかしいところがある。
身体能力はいわずもながだが、それ以外についてもだな」
「ああ。だからか」
なるほどな。何故、ミリィの側に居るのかと思えば、認めるところは認めているが、危なっかしくて目が離せない。そんなところか。
マルクスの年齢は知らないが、ミリィよりは私の方が近そうな見た目はしている。
ヘーゼルは、どう考えても父親枠に近い。
「なに。だめなの」
「いや?そもそよ、私が駄目だと言ったところで、マルクスの思いも心もどうすることもできないだろう。
まぁ、距離感が近いのは気にはなるが」
私の言い分に、マルクスは真顔になる。
「旦那は、俺やヘーゼルには隠さなくなってるよな。
まぁお嬢にも隠してないけど、当の本人が気づかないからなぁ」
そういえば、そうだな。
付き合いはさほど長くはない。でも、信頼できる者たちだと思っている。
彼らは、言葉ではなく行動で示してくれるからかもしれない。
「いやならやめるが?」
「べつに。ただ、時と場所をわきまえてくれれば問題ない」
これは、あれだな。ミリィのことも考えろと言われているな。
まぁ、人目は気にするべきか。
そうこう考えていれば、マルクスが来客を告げる。
「誰かくるぞ」
そう、言われ幾何もしない内に、ノックの音がする。
こんこん
「どなただ」
「カミラだ。あと、デュオもいる」
返答にあわてて、扉へと向かい、二人を向かい入れる。
「失礼いたしました。どうぞ、お入り下さい」
二人が、部屋へと入るのを見届け、扉を閉める。
「お二人そろって、どうされたのですか」
「いやな。ユミナの書簡と共にこれが届けられてな」
カミラ殿下の手には、確かにシュトラウス家の封蝋が見てとれる。
もう一つには、最近見慣れたテイラー家の封蝋がされていた。
どちらも封が切られ、中身は確認されているようだった。
「何か問題でもありましたか」
反応を伺うように、カミラ殿下の出方を窺う。
「そう、硬くなるな。非公式だ。普通に呼べ。
それに、これが届いたのは、お前が隣国にいるころだ」
隣国にいる頃?
私は、一つ息を吐くと、カミラを見据える。
「何が言いたい」
私の変化を感じ取ったのか、ニヤリと笑うとテイラー家の封蝋がされているものを私によこしてきた。
「彼女は女性にしておくには惜しいな。王族の隣でも色あせんと思わんか?」
中を確認すれば、ミリィの丁寧な字が目に映る。
少しだけ、頬を緩め読み進めれば、内容は隣国との事が起こる前に話していた第二王子殿下についての内容だった。
「色あせないかどうかはわからんが、渡す気はない。で、これがどうした」
カミラは、ははっと笑うと本題に入る。
「まぁ、わりと面白いことが書いてあった。
不躾ではあるが、こちらとしては、そんなに損はない。
と言うわけで、今日までデュオを隔離してみたわけなんだが」
そこで、カミラはちらりと第二王子殿下へと視線を向ける。
視線を追えば、とても気まずげな第二王子殿下がいた。
最後にテイラー侯爵家の別邸で会った時と何処となく雰囲気が違う気がする。
「原因がわからぬから、するならとことん隔離しろと書いてあってな」
そこで、可笑しそうにカミラは笑う。
「王族にそんなことを言えるのは、おまえとテイラー侯爵位しかしらぬから、ちょっと面食らった。
でだ、デュオには監視下で、侍従から引き離し、私の部屋でとことん共に過ごさせてみたんだ」
そこからは、経過報告の様な話だった。
最初の一週間ほどは、変化は感じられなかったが、次第に落ち着きがなくなる。注意力が散漫になる。といった事が現れだしたと。
それから、暫くすると落ち着いたかに見えたが、体調の不調を訴えだした。嘔吐に下痢。立ち眩みなど。
調べてみれば、第二王子殿下が口にすることのない物が検出された。しかも、尋常ではない量だったらしい。
そのため、医者の指導の下、十分な水分と食事をとりながら、体外へと排出するための治療が行われた。
念のため、口にする物はカミラと同じもので、信用のおけるものしか触れさせぬようにしたらしい。
さすれば、次第に考え方が変わったのか、発言が代わり行動が変わり、今日に至ったと。
「デュオ、気分はどうだ?」
そう問われた、第二王子殿下は静かに答えた。
「長い夢の中にいたような、自分が自分でなかったかの様なそんな感覚がします。
でも、王族ですから自分の行動には責任を取らねばと思ってはいます。
シュトラウス辺境伯、迷惑をかけた。すまない」
第二王子殿下は、謝罪の言葉とともに頭を下げてくる。
「・・・謝罪は受け取ります。しかし、殿下が軽々しく頭を下げてはいけません」
そう言えば、頭を上げた第二王子殿下の顔には苦笑が浮かんでいた。
「昔も言われたな。そう苦言を恐れず言ってくれる者がいなくなって久しい気がする」
第二王子殿下は、そう遠い目をされる。
そうか。親しい者達からも遠ざけられていたのだな。
ただ、今の殿下は昔のような生真面目さと荒っぽさが見え隠れする。
そんなことを考えていれば、控えていたマルクスに裾を引かれ目線で扉を促される。
気を向ければ、誰かが勢い良く近づいてくる気配がする。
マルクスが動かないのをみると危険はなさそうではあるが、念のためカミラと第二王子殿下を背に庇う姿勢をとる。
その瞬間、勢い良く扉が開かれ、そこに現れた人物に唖然とする。
「デュオ!」
王太子殿下が、息を切らして立ちすくんでいた。
その目線は、第二王子殿下を捉えて動くことはなかった。
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