34 / 146
Ⅰ.貴方様と私の計略 ~ 出会いそして約束 ~
34.辺境伯の思いと熱と②(ユミナ視点)
しおりを挟む
自分のこらえ性のなさに驚くな・・・
テイラー邸の、応接間で私は過去のことを話していた。
とある令嬢を殿下と共に助け出した時の話だ。
今思えば、何故気づかない。と、思うことだが、とある令嬢はミリィだった。
そして、その流れでミリィの特殊能力について聞いた。
古の血による異能。殿下以外で身近には居なかった。
聞いてみれば、ある意味壮大な能力ではあった。
香りと記憶か。ミリィは何故その能力を必要としたのか。
テイラー家の養子であることと何か関係があるのだろうか。
そんなことを考えていれば、侯爵に散歩を勧められた。
何でも、クルツと領地に関する話をしたいから。とおっしゃっていた。
ミリィに聞かせたくない何かなのか、はたまた私に聞かせたくない何かなのか。
そう、勘ぐるものの大人しく、散歩に出掛けることにした。
なんでも、温室を案内してくれるらしい。
私は、ミリィと隣だって歩きながら、普段よりも少し距離を縮めることにした。
少し手を伸ばせば、腰を抱けるほどの距離に。
ミリィの様子をうかがえば、嫌がっているようには見えない。
これは、どちらかというと、戸惑いだろうか。
わたわたと慌てるように距離をとろうとしたのをそっと阻止する。
それ以降は、この距離で居てくれている。
それにしても、自分の行動に若干頭が痛くもある。
30手前でありなが、まるで10代のような行動をしているわけで。
もう少し、大人の余裕が欲しくはある。
そんなことを表には出さずに考えていれば、温室が見えてきたらしい。
「ユミナ様、あれが温室ですわ。今の時期ですと、南国のお花が咲くように調整されているはずです」
庭園の先のガラス張りの建物がみえる。
侯爵邸の庭に思っていたより立派な温室があることに驚く。
国家予算並みの資産を保有している。と言う話は眉唾ではないのかも知れないと片隅で思う。
「南国の花ですか。私は、南国には行ったことがないので、楽しみですね」
そういえば、私は南国には縁が無いなと思う。
領地が北にあるというのもあるとは思う。
「シュトラウス辺境伯領は確か、北にあるご領地ですものね」
「ええ」
どうやら、ミリィも同じ事を思ったらしい。
シュトラウス領は、国の北の端にある。
国全体が比較的暖かな国という事もあり、極寒の土地という程でもない。
ただ、国内で数少ない雪の降る領地の一つではある。
ミリィと連れだって、温室へと足を踏み入れる。
そこには、みたことの無い植物が多くあった。
色鮮やかで、ヒビットな色の植物が多い印象を受ける。
「これは、ハイビという花で、香りが少しきつめなのです。
実は、食虫植物なのだそうです」
温室を歩く間、ミリィが知るかぎりの知識で説明してくれる。
何だろうな。庭師の趣味なのか、テイラー家の方針なのかはわからないが、薬草として使うことのできるものや食虫植物が多い。
ミリィ自体もあまり嫌悪感を持っているようでもなく、食虫植物という花を綺麗だとか可愛いと評価している。
確かに、綺麗だし可愛い見た目をしているから、まちがいではない。
が、食虫植物と知っていてその評価をするミリィは令嬢として少し変わっていると思う。
温室を一通り見終わり、東屋へと向かう。
温室の東屋は広くはなく、一人がけの椅子が小さな机を挟み向かい合うように置かれている。
手を伸ばせば触れることの出来る距離ではあるが、必然的に距離が開く。
「少し名残惜しいな・・・」
思わずそう口にしていた。ミリィをチラリと見れば、よくわからないような顔をしている。
ミリィを椅子へと座らせながら、嫌がられている素振りや嫌悪感を感じている様には感じないし、これくらいなら許されるか?と思わずのように考え、意識することなく実行に移す。
ミリィがキチンと座るのを確認し、普通なら離すべき手を絡め取る。
指と指を絡め指の腹で滑らかな肌を感じながら、反応を確かめる。
咄嗟に手を引かれることもなく、嫌悪感は感じていないようだ。
名残惜しさを感じながら、しつこくならない頃合で手を離す。
私は、平静を装いながら向の席へと腰を落ち着ける。
顔は温室へと向け、目はミリィの様子を観察する。
どうやら、私の行動に戸惑いながら固まっているようだ。
無表情のようにも見える戸惑いの表情で頬を薄く染めている。
ああ。よくわからないながら、何かいたたまれなさを感じているよかもしれない。
少しの邪な思いがバレてなければよいがと思ったが、この調子なら大丈夫かもしれない。
やらかしておいてなんだが、見る物がみれば、いやらしいと非難を浴びる手つきだったからな。
若干遠い目をしながら、反省しておく。
カミラ殿下あたりにばれた日には、腹を抱えて笑われるのが目に見えている。
王太子殿下もダメだな・・・あれは絶対残念な目で見てくる。
ひとしきり、そんなことを考え終わり、再度ミリィを見ればまだ固まっていた。
こちらを恨めしげに見てはいるが・・・
自分の行動で反応が返ってくるのは、何というか面はゆいな・・・
そして、少し可笑しくもある。
17歳なのだから、慣れていないのは当たり前ではあるのだが、戦場に身を置くことの多い私の行動で、こう初心な反応が返ってくる。
10も年下の女性の反応に振り回されている。とか、可笑しい。
ハレスに旦那様は、もう少し情緒とか機微とか育てて下さい。と、眉間に皺を寄せ愚痴をすっぱくして言われるわけだな。
くくっと、思わず漏れた笑いに肩を揺らせば、ミリィに見とがめられる。
「・・・ユミナ様」
普段よりも少しだけ低い声。怒らせてしまっただろうか・・・
「いや。すまない。反応が可愛らしくて少々意地の悪いことをした」
素直にあやまると、少しだけ逡巡した後、ミリィが告げてくる。
「あまり、いじめないで下さい。それに・・・一人でわたわたしているのは、何だか寂しい気がします」
正直、驚いた。ミリィに寂しいと告げられたことに。
私も大概、わたわたしているんだがな。
年上の矜持というか、男のプライド的な何かで、表に出さないだけで。
この時、私は頭で考えるよりも、本能に近い何かで
「そうだな・・・」
と、答えながらミリィへと手を伸ばす。
触れるか触れないかのところで、温室へと誰かが踏み入った気配で我に返る。
手を引きながら、私は何をしようとしていたかを自問自答した。
そこまで、思い出したところで、頭を抱える。
自分の行動についてだ。
確かに同じ屋根の下にミリィが居ることに若干浮かれてはいた。それは、認める。
ミリィへの反応が可愛らしく、私の心がくすぐられている事も認める。
しかしだ・・・ミリィから決定的な何かをもらっていないこの状況で、私は何をしようとしていた?
たどり着く答えに、常識ある大人としてどうなんだと思う。
まさか、これ程にまで、理性が仕事をしないとは思わなかった。
こらえ性がないと言うことに気づかされ、いや。と否定する。
これは、多分あれだ。対ミリィに対してだけだ。
そうであってくれ。と、希望を含む結論を出し、片付けなければならない仕事をするために、私は書斎へと向かった。
テイラー邸の、応接間で私は過去のことを話していた。
とある令嬢を殿下と共に助け出した時の話だ。
今思えば、何故気づかない。と、思うことだが、とある令嬢はミリィだった。
そして、その流れでミリィの特殊能力について聞いた。
古の血による異能。殿下以外で身近には居なかった。
聞いてみれば、ある意味壮大な能力ではあった。
香りと記憶か。ミリィは何故その能力を必要としたのか。
テイラー家の養子であることと何か関係があるのだろうか。
そんなことを考えていれば、侯爵に散歩を勧められた。
何でも、クルツと領地に関する話をしたいから。とおっしゃっていた。
ミリィに聞かせたくない何かなのか、はたまた私に聞かせたくない何かなのか。
そう、勘ぐるものの大人しく、散歩に出掛けることにした。
なんでも、温室を案内してくれるらしい。
私は、ミリィと隣だって歩きながら、普段よりも少し距離を縮めることにした。
少し手を伸ばせば、腰を抱けるほどの距離に。
ミリィの様子をうかがえば、嫌がっているようには見えない。
これは、どちらかというと、戸惑いだろうか。
わたわたと慌てるように距離をとろうとしたのをそっと阻止する。
それ以降は、この距離で居てくれている。
それにしても、自分の行動に若干頭が痛くもある。
30手前でありなが、まるで10代のような行動をしているわけで。
もう少し、大人の余裕が欲しくはある。
そんなことを表には出さずに考えていれば、温室が見えてきたらしい。
「ユミナ様、あれが温室ですわ。今の時期ですと、南国のお花が咲くように調整されているはずです」
庭園の先のガラス張りの建物がみえる。
侯爵邸の庭に思っていたより立派な温室があることに驚く。
国家予算並みの資産を保有している。と言う話は眉唾ではないのかも知れないと片隅で思う。
「南国の花ですか。私は、南国には行ったことがないので、楽しみですね」
そういえば、私は南国には縁が無いなと思う。
領地が北にあるというのもあるとは思う。
「シュトラウス辺境伯領は確か、北にあるご領地ですものね」
「ええ」
どうやら、ミリィも同じ事を思ったらしい。
シュトラウス領は、国の北の端にある。
国全体が比較的暖かな国という事もあり、極寒の土地という程でもない。
ただ、国内で数少ない雪の降る領地の一つではある。
ミリィと連れだって、温室へと足を踏み入れる。
そこには、みたことの無い植物が多くあった。
色鮮やかで、ヒビットな色の植物が多い印象を受ける。
「これは、ハイビという花で、香りが少しきつめなのです。
実は、食虫植物なのだそうです」
温室を歩く間、ミリィが知るかぎりの知識で説明してくれる。
何だろうな。庭師の趣味なのか、テイラー家の方針なのかはわからないが、薬草として使うことのできるものや食虫植物が多い。
ミリィ自体もあまり嫌悪感を持っているようでもなく、食虫植物という花を綺麗だとか可愛いと評価している。
確かに、綺麗だし可愛い見た目をしているから、まちがいではない。
が、食虫植物と知っていてその評価をするミリィは令嬢として少し変わっていると思う。
温室を一通り見終わり、東屋へと向かう。
温室の東屋は広くはなく、一人がけの椅子が小さな机を挟み向かい合うように置かれている。
手を伸ばせば触れることの出来る距離ではあるが、必然的に距離が開く。
「少し名残惜しいな・・・」
思わずそう口にしていた。ミリィをチラリと見れば、よくわからないような顔をしている。
ミリィを椅子へと座らせながら、嫌がられている素振りや嫌悪感を感じている様には感じないし、これくらいなら許されるか?と思わずのように考え、意識することなく実行に移す。
ミリィがキチンと座るのを確認し、普通なら離すべき手を絡め取る。
指と指を絡め指の腹で滑らかな肌を感じながら、反応を確かめる。
咄嗟に手を引かれることもなく、嫌悪感は感じていないようだ。
名残惜しさを感じながら、しつこくならない頃合で手を離す。
私は、平静を装いながら向の席へと腰を落ち着ける。
顔は温室へと向け、目はミリィの様子を観察する。
どうやら、私の行動に戸惑いながら固まっているようだ。
無表情のようにも見える戸惑いの表情で頬を薄く染めている。
ああ。よくわからないながら、何かいたたまれなさを感じているよかもしれない。
少しの邪な思いがバレてなければよいがと思ったが、この調子なら大丈夫かもしれない。
やらかしておいてなんだが、見る物がみれば、いやらしいと非難を浴びる手つきだったからな。
若干遠い目をしながら、反省しておく。
カミラ殿下あたりにばれた日には、腹を抱えて笑われるのが目に見えている。
王太子殿下もダメだな・・・あれは絶対残念な目で見てくる。
ひとしきり、そんなことを考え終わり、再度ミリィを見ればまだ固まっていた。
こちらを恨めしげに見てはいるが・・・
自分の行動で反応が返ってくるのは、何というか面はゆいな・・・
そして、少し可笑しくもある。
17歳なのだから、慣れていないのは当たり前ではあるのだが、戦場に身を置くことの多い私の行動で、こう初心な反応が返ってくる。
10も年下の女性の反応に振り回されている。とか、可笑しい。
ハレスに旦那様は、もう少し情緒とか機微とか育てて下さい。と、眉間に皺を寄せ愚痴をすっぱくして言われるわけだな。
くくっと、思わず漏れた笑いに肩を揺らせば、ミリィに見とがめられる。
「・・・ユミナ様」
普段よりも少しだけ低い声。怒らせてしまっただろうか・・・
「いや。すまない。反応が可愛らしくて少々意地の悪いことをした」
素直にあやまると、少しだけ逡巡した後、ミリィが告げてくる。
「あまり、いじめないで下さい。それに・・・一人でわたわたしているのは、何だか寂しい気がします」
正直、驚いた。ミリィに寂しいと告げられたことに。
私も大概、わたわたしているんだがな。
年上の矜持というか、男のプライド的な何かで、表に出さないだけで。
この時、私は頭で考えるよりも、本能に近い何かで
「そうだな・・・」
と、答えながらミリィへと手を伸ばす。
触れるか触れないかのところで、温室へと誰かが踏み入った気配で我に返る。
手を引きながら、私は何をしようとしていたかを自問自答した。
そこまで、思い出したところで、頭を抱える。
自分の行動についてだ。
確かに同じ屋根の下にミリィが居ることに若干浮かれてはいた。それは、認める。
ミリィへの反応が可愛らしく、私の心がくすぐられている事も認める。
しかしだ・・・ミリィから決定的な何かをもらっていないこの状況で、私は何をしようとしていた?
たどり着く答えに、常識ある大人としてどうなんだと思う。
まさか、これ程にまで、理性が仕事をしないとは思わなかった。
こらえ性がないと言うことに気づかされ、いや。と否定する。
これは、多分あれだ。対ミリィに対してだけだ。
そうであってくれ。と、希望を含む結論を出し、片付けなければならない仕事をするために、私は書斎へと向かった。
0
お気に入りに追加
40
あなたにおすすめの小説
選ばれたのは美人の親友
杉本凪咲
恋愛
侯爵令息ルドガーの妻となったエルは、良き妻になろうと奮闘していた。しかし突然にルドガーはエルに離婚を宣言し、あろうことかエルの親友であるレベッカと関係を持った。悔しさと怒りで泣き叫ぶエルだが、最後には離婚を決意して縁を切る。程なくして、そんな彼女に新しい縁談が舞い込んできたが、縁を切ったはずのレベッカが現れる。
【完結】捨てられ正妃は思い出す。
なか
恋愛
「お前に食指が動くことはない、後はしみったれた余生でも過ごしてくれ」
そんな言葉を最後に婚約者のランドルフ・ファルムンド王子はデイジー・ルドウィンを捨ててしまう。
人生の全てをかけて愛してくれていた彼女をあっさりと。
正妃教育のため幼き頃より人生を捧げて生きていた彼女に味方はおらず、学園ではいじめられ、再び愛した男性にも「遊びだった」と同じように捨てられてしまう。
人生に楽しみも、生きる気力も失った彼女は自分の意志で…自死を選んだ。
再び意識を取り戻すと見知った光景と聞き覚えのある言葉の数々。
デイジーは確信をした、これは二度目の人生なのだと。
確信したと同時に再びあの酷い日々を過ごす事になる事に絶望した、そんなデイジーを変えたのは他でもなく、前世での彼女自身の願いであった。
––次の人生は後悔もない、幸福な日々を––
他でもない、自分自身の願いを叶えるために彼女は二度目の人生を立ち上がる。
前のような弱気な生き方を捨てて、怒りに滾って奮い立つ彼女はこのくそったれな人生を生きていく事を決めた。
彼女に起きた心境の変化、それによって起こる小さな波紋はやがて波となり…この王国でさえ変える大きな波となる。
そろそろ前世は忘れませんか。旦那様?
氷雨そら
恋愛
結婚式で私のベールをめくった瞬間、旦那様は固まった。たぶん、旦那様は記憶を取り戻してしまったのだ。前世の私の名前を呼んでしまったのがその証拠。
そしておそらく旦那様は理解した。
私が前世にこっぴどく裏切った旦那様の幼馴染だってこと。
――――でも、それだって理由はある。
前世、旦那様は15歳のあの日、魔力の才能を開花した。そして私が開花したのは、相手の魔力を奪う魔眼だった。
しかも、その魔眼を今世まで持ち越しで受け継いでしまっている。
「どれだけ俺を弄んだら気が済むの」とか「悪い女」という癖に、旦那様は私を離してくれない。
そして二人で眠った次の朝から、なぜかかつての幼馴染のように、冷酷だった旦那様は豹変した。私を溺愛する人間へと。
お願い旦那様。もう前世のことは忘れてください!
かつての幼馴染は、今度こそ絶対幸せになる。そんな幼馴染推しによる幼馴染推しのための物語。
小説家になろうにも掲載しています。
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる