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Ⅰ.貴方様と私の計略 ~ 出会いそして約束 ~
28.記憶の欠片と重なる欠片②(ユミナ視点)
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今思えば、もっと早く見つけてあげれればよかったのかもしれないな・・・
以前に助け出した事のある令嬢がミリィであったと聞き、少々驚いた。
しかし、ミリィの記憶を聞き、私の記憶を合わせれば、あの時私に助力を願い出られた経緯がわかる気がした。
「あの事件のおり、私はたまたま王に報告のため、王都に滞在していました。次の日には、領地に出立する予定だったのを数日ほど伸ばした記憶があります」
私は、当時を思いだしながら、語っていく。
王への閲覧を終え、タウンハウスで一息ついていたところに、先触れもなくカミラ殿下が尋ねてこられた。
「ユミナ、手を貸せ」
私は、ため息をこぼし、取りあえず詳細を説明しろ。と、カミラ殿下を応接室に案内する。
「いや、可愛い王子達から、泣きつかれてな」
カミラ殿下は、そう前置きをして話し出された。
何でも、王子達の友人である令嬢が、人攫いにあったらしい。
彼女を助けて。と、泣きながら頼まれたのだとか。
「・・・カミラは、その令嬢と面識あるのか?」
「ん?ないな!」
殿下の言葉に、ため息を落とし更に問う。
「じゃあ、なんで動く気になった」
私の言葉に、殿下は笑いながら答えてくれた。
「あれらはな、既に近衛を持っている。
にもかかわらず、私のところに来た。
理由を聞いたらな、近衛は私事では動かせない。と言ったようなことを泣きながら言われた。
幼いながら、王位継承権を保持する者として考え行動していることを見せられた。
まぁ、私のところに来たのは、甘いと言うのはあるが、無理に自身が動かなかった判断は正しいしな。
久々に、あれらが成人前の子供であることを認識させられた。
ぐちゃぐちゃに泣きはらした顔だったしな」
可愛い甥っ子どもに、頼られたから一肌脱ごうかと思ってな。と、締め括られた。
「私のところに来た理由は」
半ば返答がわかっていながら、問う私に殿下はニヤリと笑う。
「私事で兵は使えんだろ。しかし、ユミナは友人だからな。友人に助力をこうのは、おかしくないだろ?」
カミラ殿下の言に項垂れる。
うん。一人で動かず私のところに来られたのだから、よしとしよう。
殿下は、なまじ腕が立つ方だから、一人で行動されることがままあるからな。
「で。詳細はわかっているのか」
「いや。それほど情報があるわけじゃない」
殿下は、移動しながら話す。と、おっしゃられ席を立たれた。
私は、手早く準備をしながら、殿下の話を聞きつつ情報を整理する。
王宮から貴族街へ続く街道の外れで、連れ去りが行われたらしい。
馬車に乗っていたのは、祖父と孫娘の二人。
急に止まった馬車に警戒しつつ、辺りを確認しようとしていたところ、急に扉が開き切りつけられたらしい。
犯人達に孫娘を連れ去られた祖父は、自信も腕に深い傷を負いながら、王宮へ助けを求めた。
といったところらしい。
切りつけられた際に、咄嗟に腕を上げて防御の姿勢をとったため、犯人の顔は見ていない。
ただの破落戸にしては、確認できた後ろ姿が綺麗だったらしい。
来ていた服は、破けて汚れている風を装っていたが、動作が綺麗だったと証言されている。
犯人の後を追わせたが、裏町からスラムに入った辺りで、見失ったらしい。
私は、その話に少しだけ関心してしまった。
貴族街から裏町、スラムまでは距離もあるし、人も多い。
そこを、犯人達に気付かせることなく追えたのだから、なかなか出来ることではない。
そうこうしているうちに、現場を検めている者達の所に辿り着いた。
殿下に現状を聞いてこいと言われ、声を掛ける。
「何か、新しいことはわかりましたか?」
「!辺境伯様?!え・・・はっ!新たにわかったことは特にないです。連れ去られたご令嬢は、怪我を負っていないこと恐らく意識を失っているのではないかと見立てられているくらいです」
私の存在に戸惑いながらも、問に答えてくれたことに感謝の意を示し、殿下の元へともどる。
「どうだ?」
「どうだ言われましても。新しいことは、特には。あぁ、ただ令嬢が怪我することなく意識を沈められて連れ去られたようですね」
殿下は、眉間に皺を寄せ難しい顔をされる。
「お前の見立ては?」
「そうですね。現場がそれなりに荒れていましたので、何とも言えませんが・・・」
そう、前置きをして現状の推測を述べる。
それなりに争った形跡が確認できること
残っていた血の跡は、恐らく祖父のものであろうこと
令嬢が最初は抵抗を示していたのではないかということ
破落戸達はまず、まっすぐに裏町を目指したと思われること
等々
話し終わって、殿下に向き直れば、少々呆れた顔をしていらっしゃいます。
「おまえな。いくつか、憲兵でも知らぬ事を言っているぞ」
敵には回したくないな。そうおっしゃられ、これからどうする。と、聞いてきます。
殿下が、決めるんじゃないのか。
「そうですね。裏町までの足取りをまず追いましょうか」
私と殿下は、破落戸が小さく残した痕跡を拾いつつ、裏町を目指す。
ここまでの足取りは、報告にあった通りだ。
追跡した者の技量が高いことがうかがえる。
裏町に入ったところで、殿下に服を変えることを伝える。
今の格好で、これ以上進むことは、悪目立ちする。
私と殿下は、服を着替え、着替えたそれを少しだけくたびれさせる。
髪と顔をくすませ、裏町やスラムに居てもおかしくないかであろう程度に変装する。
カミラ殿下の変装に若干苦労したが、おかしくない程度にはできた。
私と殿下は、裏町からスラムへの追跡をつづけ、追跡者が見失ったと言う場所までは辿り着いた。
そして、殿下と私も足取りがつかめず、時間だけが経過する。
空を見上げれば、夕闇が迫る時間になっている。
殿下と目配せをし、裏町まで戻り宿を取る。
若干、足元を見られたが、何とか部屋を取ることが出来た。
夜のスラムは、安全ではない。
息をひそめていた人や魔物の時間になる。
殿下を連れての追跡は、避けるべきだ。
ただ、時が過ぎれば痕跡も薄くなる。
若干の焦燥感を感じながら、殿下と今日わかったことと明日の動きに付いて話し合う。
早く見つけれればいいのだが・・・
以前に助け出した事のある令嬢がミリィであったと聞き、少々驚いた。
しかし、ミリィの記憶を聞き、私の記憶を合わせれば、あの時私に助力を願い出られた経緯がわかる気がした。
「あの事件のおり、私はたまたま王に報告のため、王都に滞在していました。次の日には、領地に出立する予定だったのを数日ほど伸ばした記憶があります」
私は、当時を思いだしながら、語っていく。
王への閲覧を終え、タウンハウスで一息ついていたところに、先触れもなくカミラ殿下が尋ねてこられた。
「ユミナ、手を貸せ」
私は、ため息をこぼし、取りあえず詳細を説明しろ。と、カミラ殿下を応接室に案内する。
「いや、可愛い王子達から、泣きつかれてな」
カミラ殿下は、そう前置きをして話し出された。
何でも、王子達の友人である令嬢が、人攫いにあったらしい。
彼女を助けて。と、泣きながら頼まれたのだとか。
「・・・カミラは、その令嬢と面識あるのか?」
「ん?ないな!」
殿下の言葉に、ため息を落とし更に問う。
「じゃあ、なんで動く気になった」
私の言葉に、殿下は笑いながら答えてくれた。
「あれらはな、既に近衛を持っている。
にもかかわらず、私のところに来た。
理由を聞いたらな、近衛は私事では動かせない。と言ったようなことを泣きながら言われた。
幼いながら、王位継承権を保持する者として考え行動していることを見せられた。
まぁ、私のところに来たのは、甘いと言うのはあるが、無理に自身が動かなかった判断は正しいしな。
久々に、あれらが成人前の子供であることを認識させられた。
ぐちゃぐちゃに泣きはらした顔だったしな」
可愛い甥っ子どもに、頼られたから一肌脱ごうかと思ってな。と、締め括られた。
「私のところに来た理由は」
半ば返答がわかっていながら、問う私に殿下はニヤリと笑う。
「私事で兵は使えんだろ。しかし、ユミナは友人だからな。友人に助力をこうのは、おかしくないだろ?」
カミラ殿下の言に項垂れる。
うん。一人で動かず私のところに来られたのだから、よしとしよう。
殿下は、なまじ腕が立つ方だから、一人で行動されることがままあるからな。
「で。詳細はわかっているのか」
「いや。それほど情報があるわけじゃない」
殿下は、移動しながら話す。と、おっしゃられ席を立たれた。
私は、手早く準備をしながら、殿下の話を聞きつつ情報を整理する。
王宮から貴族街へ続く街道の外れで、連れ去りが行われたらしい。
馬車に乗っていたのは、祖父と孫娘の二人。
急に止まった馬車に警戒しつつ、辺りを確認しようとしていたところ、急に扉が開き切りつけられたらしい。
犯人達に孫娘を連れ去られた祖父は、自信も腕に深い傷を負いながら、王宮へ助けを求めた。
といったところらしい。
切りつけられた際に、咄嗟に腕を上げて防御の姿勢をとったため、犯人の顔は見ていない。
ただの破落戸にしては、確認できた後ろ姿が綺麗だったらしい。
来ていた服は、破けて汚れている風を装っていたが、動作が綺麗だったと証言されている。
犯人の後を追わせたが、裏町からスラムに入った辺りで、見失ったらしい。
私は、その話に少しだけ関心してしまった。
貴族街から裏町、スラムまでは距離もあるし、人も多い。
そこを、犯人達に気付かせることなく追えたのだから、なかなか出来ることではない。
そうこうしているうちに、現場を検めている者達の所に辿り着いた。
殿下に現状を聞いてこいと言われ、声を掛ける。
「何か、新しいことはわかりましたか?」
「!辺境伯様?!え・・・はっ!新たにわかったことは特にないです。連れ去られたご令嬢は、怪我を負っていないこと恐らく意識を失っているのではないかと見立てられているくらいです」
私の存在に戸惑いながらも、問に答えてくれたことに感謝の意を示し、殿下の元へともどる。
「どうだ?」
「どうだ言われましても。新しいことは、特には。あぁ、ただ令嬢が怪我することなく意識を沈められて連れ去られたようですね」
殿下は、眉間に皺を寄せ難しい顔をされる。
「お前の見立ては?」
「そうですね。現場がそれなりに荒れていましたので、何とも言えませんが・・・」
そう、前置きをして現状の推測を述べる。
それなりに争った形跡が確認できること
残っていた血の跡は、恐らく祖父のものであろうこと
令嬢が最初は抵抗を示していたのではないかということ
破落戸達はまず、まっすぐに裏町を目指したと思われること
等々
話し終わって、殿下に向き直れば、少々呆れた顔をしていらっしゃいます。
「おまえな。いくつか、憲兵でも知らぬ事を言っているぞ」
敵には回したくないな。そうおっしゃられ、これからどうする。と、聞いてきます。
殿下が、決めるんじゃないのか。
「そうですね。裏町までの足取りをまず追いましょうか」
私と殿下は、破落戸が小さく残した痕跡を拾いつつ、裏町を目指す。
ここまでの足取りは、報告にあった通りだ。
追跡した者の技量が高いことがうかがえる。
裏町に入ったところで、殿下に服を変えることを伝える。
今の格好で、これ以上進むことは、悪目立ちする。
私と殿下は、服を着替え、着替えたそれを少しだけくたびれさせる。
髪と顔をくすませ、裏町やスラムに居てもおかしくないかであろう程度に変装する。
カミラ殿下の変装に若干苦労したが、おかしくない程度にはできた。
私と殿下は、裏町からスラムへの追跡をつづけ、追跡者が見失ったと言う場所までは辿り着いた。
そして、殿下と私も足取りがつかめず、時間だけが経過する。
空を見上げれば、夕闇が迫る時間になっている。
殿下と目配せをし、裏町まで戻り宿を取る。
若干、足元を見られたが、何とか部屋を取ることが出来た。
夜のスラムは、安全ではない。
息をひそめていた人や魔物の時間になる。
殿下を連れての追跡は、避けるべきだ。
ただ、時が過ぎれば痕跡も薄くなる。
若干の焦燥感を感じながら、殿下と今日わかったことと明日の動きに付いて話し合う。
早く見つけれればいいのだが・・・
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