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第20話 婚約破棄された罪は償ったの!!

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 あーあーあーっ、またしても、タカフミィーニさまあーー!


「タカフミィーニ、お前……血迷ったか⁈」
「セェレ殿、貴方は団長と言う立場を利用し、刑罰金を不正に着服してますね? それをゼアス公爵に献金し、見返りに騎士団への助成金の1部を自身で受け取っていた」
「ん⁈……し、し、知らん⁈ 何のことだ⁈」
「証拠も抑えています。とても残念ですが……」

 団員らがセェレを取り囲む。その手には縄がある。

「おのれ、お前に何の権限があるんだ⁈」
「これは国王陛下の王勅(命令書)です」
「こ、国王だと⁈」

 タカフミィーニさまは王勅をセェレに見せた。

「1つ、セェレ団長を解任して反逆罪で捕らえよ」
「あ……ああっ!」
「まだあります。2つ、新たな騎士団長に私、タカフミィーニを命ずると……つまり私には権限がございます」

 セェレは絶望の眼差しを浮かべその場に座り込む。

「お前が団長……お前は何者なんだ? 一体誰の命で動いてる⁈ なぜ王勅を持ってる⁈」
「私は国王陛下直属の諜報員です」

 えっ、タカフミィーニさまって陛下直属の部下だったの⁈

「なるほど……王家はゼアス家を潰すつもりか……ふふふ、一見平和に見えるこの国は汚職まみれだ。大混乱するぞ。ゼアスさまの恩恵を受けてる貴族はたくさん居る。ま、私はもう終わりだが……」

 セェレは失意のまま、罪人として縄を後ろ手に縛られ連行されて行く。

「あ、ちなみに貴方がゼアス家から依頼され襲ったルイ家のお嬢さまですが……こう記されています。3つ、ララコスティをゼアス家から解放する、です」
「……そうか。じゃ縄を解いてやってくれ」
「そのつもりです」
「えっ、えっ⁈ タカフミィーニさま? わたくしの労役は終わりですか⁈」
「はい。此度の働き、陛下は大層お喜びでございました。よって貴女は自由です。ルイ公爵さまも近々ご帰還されますので、お屋敷まで我々がお送り致しましょう」
「何と⁈ 父上、母上さまが⁈」

 わたくしは自然に涙が溢れていった。

「ララコスティさま、良かったですね!」
「ア、アプレン、いつも側に居てくれてありがとう」
「いえ、僕は……その」
「これからも、わたくしの側に居てくれるかしら?」
「えっ⁈」
「一緒にルイ家へ参りましょう」
「は、はいっ! 喜んでお供します!」 

 永遠に続くと思ってた「召使い」なる労役はあまりにも呆気なく終わりを迎えた。……第1王子に婚約破棄された罪はこれで償ったのね。

 あー、長かったよー、辛かったわー!

 さあて、これからどうしましょう⁈

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