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第三章〜ご主人様を攻略致しますので〜
18. ご主人様はどう反応するの
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「ディアナ様。この箱の匂いは……」
「はい。リラックス効果のあるアロマの香りをお付致しております」
昨日の夕刻、執事殿に生薬とお菓子が入った箱をお渡しした時のことを思い出していました。
「うーん。いい香りですね」
「あの。ご主人様はアロマ大丈夫でしょうか?」
「……まぁそれは何とも言えません」
侍女長でしたら思っきり突っ返されてしまうところですが執事殿は拒絶しませんでした。それどころかリビングを見渡され、子猿や水槽に入れたカエルを目撃したにも関わらず何も仰いません。
何をお考えなのでしょう? と、心の内を推測っていたその時、キャッキャッと奥からアンナとウラリーがはしゃぐ声が聞こえてきました。
「ほう。何やら賑やかで楽しそうですね」
「あ、はい。皆んな明るくて良い子です」
「それは宜しゅうございました。……では」
相変わらず執事殿は穏やかで紳士な御方です。箱の受け取りが彼なのを幸いと思いまして、わたくしは更なる挑戦をしてみました。
本日はカエル型のクッキーをお作りし、先程メッセージカードを添えてお渡ししたのです。執事殿曰く、お猿型のクッキーは美味しそうに完食されたとか。なので自信がついて参りました。
それとアロマもお気に召された様なので、大胆な作戦を考えついたのです。
「……奥様、本当にこれで良いのですか?」
「まぁどことなくお猿さんに似た曖昧な動物と言うことで」
「いえ。これはどう見ても完全にお猿さんです」
手や尻尾が長くほっぺが真っ赤。ふんわり可愛いらしい感じに仕上げたつもりの『ぬいぐるみ』を制作しました。それにアロマの香りを少々お付けしてお部屋へ飾って頂こうとかと思いまして。
さて、ご主人様はどう反応するでしょう……
そして翌日の夕刻。
いつもの時間に執事殿が別邸へ来られました。わたくしは生薬とぬいぐるみの入った二つの箱をお渡ししたのですが。
「ディアナ様。この大きめな箱は?」
「これはご主人様へのプレゼントでございます」
「……中を改めて宜しいですか」
おっと。確認が入りましたか。ご主人様の前に執事殿がどう反応するのかが、お先の様です。
「あ、はい。えーと、実はアロマがお気に召された様なのでお部屋へ飾る物を制作した次第です」
ドキドキしながら箱から取り出し、アロマの香り漂う猿擬きのぬいぐるみをお見せ致しました。
「ほう。可愛いですね。……なるほど」
そう仰って彼は微笑しながら箱を受け取り、別邸を出て行かれました。
うん? 好印象? これはどう解釈すべき? 執事殿はわたくしが態とご主人様の苦手な生き物をモチーフにクッキーやぬいぐるみを制作してるのを全く咎めない。その理由が分からないわ。
ですが。その不思議な対応がさらにわたくしの気持ちをエスカレートさせたのです。
「よーし。次はカエルのぬいぐるみを作ろう。もっとリアルに行くわよー」
カトリーヌは冷や汗かいてますが。
「はい。リラックス効果のあるアロマの香りをお付致しております」
昨日の夕刻、執事殿に生薬とお菓子が入った箱をお渡しした時のことを思い出していました。
「うーん。いい香りですね」
「あの。ご主人様はアロマ大丈夫でしょうか?」
「……まぁそれは何とも言えません」
侍女長でしたら思っきり突っ返されてしまうところですが執事殿は拒絶しませんでした。それどころかリビングを見渡され、子猿や水槽に入れたカエルを目撃したにも関わらず何も仰いません。
何をお考えなのでしょう? と、心の内を推測っていたその時、キャッキャッと奥からアンナとウラリーがはしゃぐ声が聞こえてきました。
「ほう。何やら賑やかで楽しそうですね」
「あ、はい。皆んな明るくて良い子です」
「それは宜しゅうございました。……では」
相変わらず執事殿は穏やかで紳士な御方です。箱の受け取りが彼なのを幸いと思いまして、わたくしは更なる挑戦をしてみました。
本日はカエル型のクッキーをお作りし、先程メッセージカードを添えてお渡ししたのです。執事殿曰く、お猿型のクッキーは美味しそうに完食されたとか。なので自信がついて参りました。
それとアロマもお気に召された様なので、大胆な作戦を考えついたのです。
「……奥様、本当にこれで良いのですか?」
「まぁどことなくお猿さんに似た曖昧な動物と言うことで」
「いえ。これはどう見ても完全にお猿さんです」
手や尻尾が長くほっぺが真っ赤。ふんわり可愛いらしい感じに仕上げたつもりの『ぬいぐるみ』を制作しました。それにアロマの香りを少々お付けしてお部屋へ飾って頂こうとかと思いまして。
さて、ご主人様はどう反応するでしょう……
そして翌日の夕刻。
いつもの時間に執事殿が別邸へ来られました。わたくしは生薬とぬいぐるみの入った二つの箱をお渡ししたのですが。
「ディアナ様。この大きめな箱は?」
「これはご主人様へのプレゼントでございます」
「……中を改めて宜しいですか」
おっと。確認が入りましたか。ご主人様の前に執事殿がどう反応するのかが、お先の様です。
「あ、はい。えーと、実はアロマがお気に召された様なのでお部屋へ飾る物を制作した次第です」
ドキドキしながら箱から取り出し、アロマの香り漂う猿擬きのぬいぐるみをお見せ致しました。
「ほう。可愛いですね。……なるほど」
そう仰って彼は微笑しながら箱を受け取り、別邸を出て行かれました。
うん? 好印象? これはどう解釈すべき? 執事殿はわたくしが態とご主人様の苦手な生き物をモチーフにクッキーやぬいぐるみを制作してるのを全く咎めない。その理由が分からないわ。
ですが。その不思議な対応がさらにわたくしの気持ちをエスカレートさせたのです。
「よーし。次はカエルのぬいぐるみを作ろう。もっとリアルに行くわよー」
カトリーヌは冷や汗かいてますが。
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