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「ええっ!?」と橘美咲は驚きの声を上げ、直人の後ろに山田健太がいることに気づいた。彼がこのメンバーと一緒にいる理由がよく分からないようだ。とにかく、好きな人の前でヒステリックになることは避けたいと思ったのか、冷静さを取り戻そうと必死に感情を抑える姿が、哀れで滑稽に見えた。
そんな彼女に対して、直人は冷静に状況を説明した。
「橘専務の携帯から、セクハラの画像が見つかりました。そして、自殺した長嶺さんの手記と内容が一致しているんです」
「……が、画像?」
「はい。見せましょうか?」
直人は専務の携帯を取り出し、高く掲げた。
「なっ!?どうして貴方がそれを持ってるの?」
「あ、これはトイレで見つけたんです。橘さん、専務に返していただけますか?画像は労働基準監督署に提出したので、もう必要ありません」
わなわなと震える手で直人から携帯を受け取る美咲は、怒りと恐怖に怯え、どんな表情を見せればいいのか分からない葛藤に苦しんでいる。そんな中、山田健太がダメ押しの言葉を口にした。貴方がそれを言うかな?って思ったけど。
「美咲さん、非常に残念だ。専務だけでなく、貴女も父親の権力を背景に、数々の問題行動を繰り返していたようだね。こんなに性格の悪い捻くれた女性だとは思わなかったよ」
「な、なにを言ってるんですか?健太さん?」
「高野さんのデスクの花を切った動画を見させてもらった。他にも貴女たちが関与してたであろう画像もね」
「それは何かの間違いです!」
橘美咲が涙を浮かべながら嘘をついている隙に、私はPCから問題の動画を課長を含む職場の全員に送りつけてやった。
「あの~、今送りましたのでご確認ください。これらの情報は人権相談窓口や労働組合とも共有されています。その代償は高くつくでしょうね。橘美咲に山本節子、それから見て見ぬふりをしてた森田課長、覚悟してくださいね」
「ま、まさか!?」
沈黙してしまった森田秀夫は、キーボードでカタカタと音を立ててメールを開き、その動画を会議用モニターに映し出し、犯行の瞬間を見て頭を抱えてしまった。美咲やお局も証拠を突きつけられ、その場に固まって動けないままだ。
そして、直人が最後の言葉を放つ。
「橘美咲さん、山本節子さんは然るべき処分を検討していきます。それと、橘専務については長嶺さんのご遺族とも面談し、民事訴訟を起こすことになりました。証拠はしっかり揃ってますので、弁護士も圧勝するとおっしゃっています。これから私たちは、そのお手伝いをしていきます」
「あぁっ……」と美咲たちはその場で座り込んで、放心状態になった。
「で、高橋さん。ここに来られたのは何か御用があるのでは?」
「ええ、お迎えに来ました。執行役員である人事本部長が私たちを呼んでいます。一緒に行きましょう」
「かしこまりました。では」
私は森田課長や、しょぼくれて座っている美咲とお局に、準備していた黒いチューリップを渡して微笑んだ。そして、心の中で『ざまぁよ!心から後悔しなさいっ!』と絶叫した──
そんな彼女に対して、直人は冷静に状況を説明した。
「橘専務の携帯から、セクハラの画像が見つかりました。そして、自殺した長嶺さんの手記と内容が一致しているんです」
「……が、画像?」
「はい。見せましょうか?」
直人は専務の携帯を取り出し、高く掲げた。
「なっ!?どうして貴方がそれを持ってるの?」
「あ、これはトイレで見つけたんです。橘さん、専務に返していただけますか?画像は労働基準監督署に提出したので、もう必要ありません」
わなわなと震える手で直人から携帯を受け取る美咲は、怒りと恐怖に怯え、どんな表情を見せればいいのか分からない葛藤に苦しんでいる。そんな中、山田健太がダメ押しの言葉を口にした。貴方がそれを言うかな?って思ったけど。
「美咲さん、非常に残念だ。専務だけでなく、貴女も父親の権力を背景に、数々の問題行動を繰り返していたようだね。こんなに性格の悪い捻くれた女性だとは思わなかったよ」
「な、なにを言ってるんですか?健太さん?」
「高野さんのデスクの花を切った動画を見させてもらった。他にも貴女たちが関与してたであろう画像もね」
「それは何かの間違いです!」
橘美咲が涙を浮かべながら嘘をついている隙に、私はPCから問題の動画を課長を含む職場の全員に送りつけてやった。
「あの~、今送りましたのでご確認ください。これらの情報は人権相談窓口や労働組合とも共有されています。その代償は高くつくでしょうね。橘美咲に山本節子、それから見て見ぬふりをしてた森田課長、覚悟してくださいね」
「ま、まさか!?」
沈黙してしまった森田秀夫は、キーボードでカタカタと音を立ててメールを開き、その動画を会議用モニターに映し出し、犯行の瞬間を見て頭を抱えてしまった。美咲やお局も証拠を突きつけられ、その場に固まって動けないままだ。
そして、直人が最後の言葉を放つ。
「橘美咲さん、山本節子さんは然るべき処分を検討していきます。それと、橘専務については長嶺さんのご遺族とも面談し、民事訴訟を起こすことになりました。証拠はしっかり揃ってますので、弁護士も圧勝するとおっしゃっています。これから私たちは、そのお手伝いをしていきます」
「あぁっ……」と美咲たちはその場で座り込んで、放心状態になった。
「で、高橋さん。ここに来られたのは何か御用があるのでは?」
「ええ、お迎えに来ました。執行役員である人事本部長が私たちを呼んでいます。一緒に行きましょう」
「かしこまりました。では」
私は森田課長や、しょぼくれて座っている美咲とお局に、準備していた黒いチューリップを渡して微笑んだ。そして、心の中で『ざまぁよ!心から後悔しなさいっ!』と絶叫した──
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