28 / 30
みんな襲われてるのに、どうやら俺は相手にされてないようだ。
28. 変異
しおりを挟む
クィーンは血塗れで倒れていた。息絶えてる様だ。信長は勝ったのだ。だが、信長も相当なダメージを負ってる。傷だらけだった。
「上様、大丈夫ですか!」
もみこが走った。俺は信長も心配だったけど、この雰囲気に何か違和感を感じている。マァンティスの女王が死んだというのに、ヤツらは樹海にうじゃうじゃいるのだ。何も変わりはない。
この討伐は成功したのだろうか?
「お、お主らに伝えておくことが……はぁはぁ」
またかい! と、ツッコんでる場合ではない。
「基地まで戻りましょう。手当しないと」
「上様、あちこちに傷がおありですよ!」
「もみこ、無線で大園さんを呼ぼう」
「はい」
「もうよい。……いいか、よく聞け」
「な、何ですか?」
「余の……刀を取ってくれ」
「……は?」
クィーンの喉元に刀が刺さったままだった。それを抜いて信長に渡す。
「人が……マァンティスを喰うとな、変異して死なないカラダになる」
「その話、聞いてます」
「続きがあるのじゃ。こやつの様に強制的に死ねば種を守るため……繁殖の強い新たなクィーンが……た、誕生する」
「だから? つか、もう喋らない方が」
「クィーンは人の変異のみ誕生する……よって、次のクィーンは……マァンティスの血肉が同化した者が継承するのじゃ」
「えっ? それって」
突如、信長の背中から羽が生えてきた。顔が緑がかっていく。
「ひぃっ!」
「はぁはぁ……余が新たなクィーンじゃ。だがまだ人のココロを持ってる。完全に変異する前にぃ」
「「「ーーグザンッ!」」」
「ああっ、上様!?」
「余の秘策じゃ。これで……泰平の世が……」
「の、信長様ぁ! 何てことするんだよー!」
俺の叫びも虚しく、切腹した信長はガクンっとその場に倒れた。自らがクィーンを継承し、身を呈して消滅させたのだ。
ア、アンタは正真正銘の戦国武将、織田信長だ! 俺は認めるぞ、信じるぞ! 日本の、いや世界の脅威を救った英雄だぁぁ!
「ワーーッ!」
余りにも壮絶な結末に気が動転してしまった。
ーーだが、
だが、これで終わりではなかったのだ。
「上様、大丈夫ですか!」
もみこが走った。俺は信長も心配だったけど、この雰囲気に何か違和感を感じている。マァンティスの女王が死んだというのに、ヤツらは樹海にうじゃうじゃいるのだ。何も変わりはない。
この討伐は成功したのだろうか?
「お、お主らに伝えておくことが……はぁはぁ」
またかい! と、ツッコんでる場合ではない。
「基地まで戻りましょう。手当しないと」
「上様、あちこちに傷がおありですよ!」
「もみこ、無線で大園さんを呼ぼう」
「はい」
「もうよい。……いいか、よく聞け」
「な、何ですか?」
「余の……刀を取ってくれ」
「……は?」
クィーンの喉元に刀が刺さったままだった。それを抜いて信長に渡す。
「人が……マァンティスを喰うとな、変異して死なないカラダになる」
「その話、聞いてます」
「続きがあるのじゃ。こやつの様に強制的に死ねば種を守るため……繁殖の強い新たなクィーンが……た、誕生する」
「だから? つか、もう喋らない方が」
「クィーンは人の変異のみ誕生する……よって、次のクィーンは……マァンティスの血肉が同化した者が継承するのじゃ」
「えっ? それって」
突如、信長の背中から羽が生えてきた。顔が緑がかっていく。
「ひぃっ!」
「はぁはぁ……余が新たなクィーンじゃ。だがまだ人のココロを持ってる。完全に変異する前にぃ」
「「「ーーグザンッ!」」」
「ああっ、上様!?」
「余の秘策じゃ。これで……泰平の世が……」
「の、信長様ぁ! 何てことするんだよー!」
俺の叫びも虚しく、切腹した信長はガクンっとその場に倒れた。自らがクィーンを継承し、身を呈して消滅させたのだ。
ア、アンタは正真正銘の戦国武将、織田信長だ! 俺は認めるぞ、信じるぞ! 日本の、いや世界の脅威を救った英雄だぁぁ!
「ワーーッ!」
余りにも壮絶な結末に気が動転してしまった。
ーーだが、
だが、これで終わりではなかったのだ。
0
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


シーフードミックス
黒はんぺん
SF
ある日あたしはロブスターそっくりの宇宙人と出会いました。出会ったその日にハンバーガーショップで話し込んでしまいました。
以前からあたしに憑依する何者かがいたけれど、それは宇宙人さんとは無関係らしい。でも、その何者かさんはあたしに警告するために、とうとうあたしの内宇宙に乗り込んできたの。
ちょっとびっくりだけど、あたしの内宇宙には天の川銀河やアンドロメダ銀河があります。よかったら見物してってね。
内なる宇宙にもあたしの住むご町内にも、未知の生命体があふれてる。遭遇の日々ですね。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
滝川家の人びと
卯花月影
歴史・時代
故郷、甲賀で騒動を起こし、国を追われるようにして出奔した
若き日の滝川一益と滝川義太夫、
尾張に流れ着いた二人は織田信長に会い、織田家の一員として
天下布武の一役を担う。二人をとりまく織田家の人々のそれぞれの思惑が
からみ、紆余曲折しながらも一益がたどり着く先はどこなのか。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる