みんな襲われてるのに、どうやら俺は相手にされてないようだ。

鼻血の親分

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みんな襲われてるのに、どうやら俺は相手にされてないようだ。

26. 救出

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 カキッ、カキッ、カキーーン!

 信長とクィーンは壮絶な戦いを繰り広げていた。人間の倍ほどの巨大マァンティスに物怖じせず真っ向から立ち向かう姿は正に戦国武将そのものだ。

 本物の信長なのかな。

 その強さやカッコよさについ思ってしまった。そして最早、雑魚狩りに何の意味も持たないと悟る。女王を追い出せば全てが解決するからだ。

 ここは信長を信じるしかない。俺の役割はもみこの安全を確認してのりおを救い出すこと。

 そう思い、辺りを見回すとヤツらが輪になってる光景が目に入った。二人がいるかもしれない。

「もみこー、のりおー!」

 叫びながら走った。まだアドレナリンが効いてる様だ。

「ギィー、ギィー!」
「うるさーい!」

「「「ザクン、ザクンッ」」」

 ヤツらをなで斬りにしてその輪へ入る。そこに「はぁはぁ」と肩で息するもみこがいた。この界隈はマァンティスの死骸でいっぱいだ。彼女は返り血を浴びて全身真っ赤に染まっている。

「……青葉さん!」
「大丈夫か?」
「ありがとう。助けてくれて」
「いや、俺の倍は斬ってる様だし疲れて当然だ」
「流石にしんどいわ」
「のりおはどこにいるか知らないか?」
「多分、あの岩陰だと思う」

 もみこが指差したのは少し高台で岩だらけの場所だった。確かに毒にやられ悶えるヤツらの姿が見える。

「よし、救出しよう。ここは危ない」
「危ない?」
「上様とクィーンが近くで戦ってる。巻き込まれてしまうぞ」
「はい。では正随さんを助けに行きましょう」

 こうして俺ともみこは高台へ登った。二、三匹のマァンティスを斬り倒し、岩陰を覗くと血だらけで倒れてるのりおがいる。

「し、正随さん!」
「自衛隊の待機場所まで運ぼう。手当して貰わないと」

 二十ヶ所以上の噛まれた傷が痛々しく感じた。と同時にこんなに交尾したのかと少々呆れてもいる。

 ま、まぁいい。とにかく頑張ったな。

 俺はふらふらになりながらも、のりおをおんぶしてひたすら歩いたーー。







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