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みんな襲われてるのに、どうやら俺は相手にされてないようだ。
10. 血液型
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「もみこちゃん、かんぱーい!」
ガラガラの新幹線の中で異様にはしゃぐ正随がウザすぎる。アイスコーヒーで乾杯も何もないだろ。
「青葉っち、元気ないねー」
うるせい。ったく、どうもこいつが気に入らないな。まるで緊張感ないし軽すぎる。それにもみこにも馴れ馴れしい。俺の妄想(彼女とイチャイチャする)を邪魔するふていチャラ男だ。
「で、さっきの話だが……」
「えー、何の話い? 青葉っちぃ」
だからウゼえぇぇー。いいからお前は黙ってろ。
「俺がマァンティスを倒す力についてだ」
これまでこいつが散々話を脱線させて、肝心のことがまだ聞けてなかったのだ。
「青葉さん、自分の血液型ご存知ありません?」
「……ん? 知らん」
「あ、そう言えば僕もわからないよ」
「はぁ、そうですか。そういう人もいらっしゃるのですね」
「特に必要なかったんで調べてもないよ」
アイスコーヒーを一口飲んだ彼女は姿勢を正した。
「上様のお話だと、青葉さんはわたくしと同じ血液型だそうです。それは匂いに敏感なマァンティスが恐れるものでして……」
「血液型? それは?」
「O型ですわ」
「いやいや、O型なんてたくさんいるだろ?」
「O型のRhnull型ですよ。日本で三人しかいません」
「……は?」
「青葉さんはどの血液型にも輸血可能でマァンティスに唯一勝てる“黄金血液”の持ち主だったのです!」
「……は?」
お、黄金血液だと??
「つまり拳銃でも倒せない化物を、俺が刃物振り回せば貴女の様に無双できるって言うのか……?」
「はい。理屈はわかりませんが、それが可能なのは上様とわたくしと青葉さんだけです」
何て話だ……信じられない。この俺が……コミュ症で社畜の冴えない俺がか? いや待てよ、何で上様って御方は俺の血液型を知ってるんだ? それにこのチャラ男の存在価値は何だ?
「ねー、僕はどうなの?」
「正随さんはB型のRhnull型ですよ。マァンティスは斬れないけど、その血は毒になります。なので、我々のサポートで招集してるのです」
なに、こいつは斬れない? ふふん、勝ったな。チャラ男に勝った。もみこは絶対渡さないっ!!
俺は妙な優越感に駆られ密かにほくそ笑んだ。
そしてルンルン気分で下車し、いよいよ上様の屋敷を目指し歩いていったのだ。
ガラガラの新幹線の中で異様にはしゃぐ正随がウザすぎる。アイスコーヒーで乾杯も何もないだろ。
「青葉っち、元気ないねー」
うるせい。ったく、どうもこいつが気に入らないな。まるで緊張感ないし軽すぎる。それにもみこにも馴れ馴れしい。俺の妄想(彼女とイチャイチャする)を邪魔するふていチャラ男だ。
「で、さっきの話だが……」
「えー、何の話い? 青葉っちぃ」
だからウゼえぇぇー。いいからお前は黙ってろ。
「俺がマァンティスを倒す力についてだ」
これまでこいつが散々話を脱線させて、肝心のことがまだ聞けてなかったのだ。
「青葉さん、自分の血液型ご存知ありません?」
「……ん? 知らん」
「あ、そう言えば僕もわからないよ」
「はぁ、そうですか。そういう人もいらっしゃるのですね」
「特に必要なかったんで調べてもないよ」
アイスコーヒーを一口飲んだ彼女は姿勢を正した。
「上様のお話だと、青葉さんはわたくしと同じ血液型だそうです。それは匂いに敏感なマァンティスが恐れるものでして……」
「血液型? それは?」
「O型ですわ」
「いやいや、O型なんてたくさんいるだろ?」
「O型のRhnull型ですよ。日本で三人しかいません」
「……は?」
「青葉さんはどの血液型にも輸血可能でマァンティスに唯一勝てる“黄金血液”の持ち主だったのです!」
「……は?」
お、黄金血液だと??
「つまり拳銃でも倒せない化物を、俺が刃物振り回せば貴女の様に無双できるって言うのか……?」
「はい。理屈はわかりませんが、それが可能なのは上様とわたくしと青葉さんだけです」
何て話だ……信じられない。この俺が……コミュ症で社畜の冴えない俺がか? いや待てよ、何で上様って御方は俺の血液型を知ってるんだ? それにこのチャラ男の存在価値は何だ?
「ねー、僕はどうなの?」
「正随さんはB型のRhnull型ですよ。マァンティスは斬れないけど、その血は毒になります。なので、我々のサポートで招集してるのです」
なに、こいつは斬れない? ふふん、勝ったな。チャラ男に勝った。もみこは絶対渡さないっ!!
俺は妙な優越感に駆られ密かにほくそ笑んだ。
そしてルンルン気分で下車し、いよいよ上様の屋敷を目指し歩いていったのだ。
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