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みんな襲われてるのに、どうやら俺は相手にされてないようだ。
4. おばはん
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「まぁまぁまぁ! 若い男性よー!」
「キャーッ! 生き残ってるわー!」
「ちょっとみんなー! 大変よお!」
スーパーの店員、客のおばはんらが俺めがけて突進してくる。
「男よ、男よお! よくご無事でー!」
あっという間に女性軍団に囲まれてしまった。まぁ、おばはんだらけだが、耳元で「おとこ、おとこお!」とうるさいったらありゃしない。
「えーっと、自衛隊は? 警護してるってニュースでやってたけど?」
見たところ女性自衛官など居なかった。
「とっくに逃げたわよ」
「は? 逃げた?」
「避難所を占拠したエイリアン退治に駆り出されたけどねぇ、敵わないからって女は逃げて避難してた男はほぼ襲われたんじゃない?」
なに? あ、そうか。さっきのおっさんらって避難所から逃げてたんだ……。
「だって硫酸吹っかけるんだもん。やっぱ敵意みせたらダメなのよ。奴らの狙いは男だから先ずは刺激せず、しれーっと周りを女で固めるしか方法がなかったのよねぇ」
なるほど。避難所という手も考えたけど、体制が整ってなければかえって危険なようだな。ふーむ、どうやら生き残るには女に守られながら地味に暮らすしかない……のか。
でも俺にそんな優しい女なんていないぞ?
だが……
だがよく考えろ。もはや希少動物化した成人男性である俺を、まるでスターを見るような熱い眼差しで歓迎してるのは、これまで女に縁のなかった状況とはかなり異なるぞ?
「ねえ貴方、守ってくれる女はいないの?」
「いません」
「じゃ、今度から食料届けてあげるわ。貴方は家から出ちゃダメよ」
「それは……どうもありがとうございます」
つ、ついに俺にモテ期がきたのか?
世の男が激減してる中で不謹慎だけど、ちょっと喜んでる自分がいる。
俺はそのまま見知らぬおばはんらに車で送ってもらい、無償で日常の世話を約束された。
「キャーッ! 生き残ってるわー!」
「ちょっとみんなー! 大変よお!」
スーパーの店員、客のおばはんらが俺めがけて突進してくる。
「男よ、男よお! よくご無事でー!」
あっという間に女性軍団に囲まれてしまった。まぁ、おばはんだらけだが、耳元で「おとこ、おとこお!」とうるさいったらありゃしない。
「えーっと、自衛隊は? 警護してるってニュースでやってたけど?」
見たところ女性自衛官など居なかった。
「とっくに逃げたわよ」
「は? 逃げた?」
「避難所を占拠したエイリアン退治に駆り出されたけどねぇ、敵わないからって女は逃げて避難してた男はほぼ襲われたんじゃない?」
なに? あ、そうか。さっきのおっさんらって避難所から逃げてたんだ……。
「だって硫酸吹っかけるんだもん。やっぱ敵意みせたらダメなのよ。奴らの狙いは男だから先ずは刺激せず、しれーっと周りを女で固めるしか方法がなかったのよねぇ」
なるほど。避難所という手も考えたけど、体制が整ってなければかえって危険なようだな。ふーむ、どうやら生き残るには女に守られながら地味に暮らすしかない……のか。
でも俺にそんな優しい女なんていないぞ?
だが……
だがよく考えろ。もはや希少動物化した成人男性である俺を、まるでスターを見るような熱い眼差しで歓迎してるのは、これまで女に縁のなかった状況とはかなり異なるぞ?
「ねえ貴方、守ってくれる女はいないの?」
「いません」
「じゃ、今度から食料届けてあげるわ。貴方は家から出ちゃダメよ」
「それは……どうもありがとうございます」
つ、ついに俺にモテ期がきたのか?
世の男が激減してる中で不謹慎だけど、ちょっと喜んでる自分がいる。
俺はそのまま見知らぬおばはんらに車で送ってもらい、無償で日常の世話を約束された。
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