1 / 25
第 1 話
しおりを挟む
*
「…ん、…」
久しぶりにこんなに長く寝たような気がする。
まぁ、湖に落ちて高熱を出し、寝込んでたんなら当たり前か。
ん?あ、俺、アルフ・レイデーン。
公爵家の次男。ちなみに前世の記憶、というものがある
所謂、転生者ってやつだな。
なんか…前世の記憶思い出してもこんな感じなんだな…
もっと、小説みたいにテンション上がるものかと思ったけど、そうでもないみたい。
目覚めたら誰かいるのがセオリーだと思うけど、誰もいないし。はぁ…つくづく俺って嫌われてるな。
俺はプレーした事ないんだけど、この世界は日本で言うところの乙女ゲームの中らしい。
しかも、俺は悪役令嬢の兄。
もう1人の兄…俺の実兄は攻略対象なんだけど、俺は違うんだな。
悪役令嬢と一緒になってヒロインを虐める役らしい。
俺の弟が力説してたのを覚えてる。
確かに、これまでの俺の行いは酷いもんだった。
我儘。この言葉に尽きるな。
けど、10歳の時点で見舞いにも来ないほど嫌われてるとは思わないよな。普通。
俺は基本的に1人でも大丈夫だし、むしろその方がいいから全然このままでいいんだけど…
俺の弟が言ってた内容が本当にこの世界に起きるとしたら、俺、実兄率いる王子達に断罪されちゃうんだよね。
1番良くて国外追放。1番悪くて…っていうか、国外追放以外は処刑。ギロチンだよ?
どう考えても、破滅フラグしかないよな。
仲良くする気は全くないから、俺は何事にも関わらないようにしよ。
基本的に俺、人嫌いだし。
「…おい、ルーシュ。」
あ、ルーシュって言うのはまだ辞めてない最後の俺の専属騎士ね。侍女もそうだけど俺には愛想を尽かしてみんな辞めたんだよね。俺って、本当に10歳?(笑)
ルーシュは何故かは知らないけど、未だに辞めないでくれてるし。有難いな。
「…アルフ様!起きられたんですか!」
「…ああ。」
「アルフ様?」
「大丈夫だから…その…」
「はい?」
「俺の傍に寄らないでくれるか。」
「…え?」
「出来れば半径1mは死守して欲しい。」
「ア、アルフ様?どうされたんですか?」
「どうもしてないよ。よろしく頼む。」
…そこまで俺がそう言うのが意外だったか?
いや、今までの俺からすれば考えられない事なんだけどな?
他のことは我慢出来るけど、これだけは無理だしな。
ま、大丈夫だろ。
…よくもまあ、あんなにベタベタ出来てたな。昔の俺。
一周回って尊敬したいよ。
「アルフ様、まだ具合が優れないんですか?」
「大丈夫。ルーシュももう戻っていい。今はアヴィに付いてるんだろ?早く戻った方がいい。」
「いや、俺はアルフ様の専属騎士ですから。」
「…本当に大丈夫だから。」
「…でも…」
は?…もう大丈夫って言ってるじゃねーか。
ちっ、…前の俺みたいに優しくねーからな俺は。
「…だよ。」
「え?今なんと?」
「聞こえなかったか?…俺はお前と一緒にいたくないんだよ。」
「…っ、…失礼、します。」
*
「…ん、…」
久しぶりにこんなに長く寝たような気がする。
まぁ、湖に落ちて高熱を出し、寝込んでたんなら当たり前か。
ん?あ、俺、アルフ・レイデーン。
公爵家の次男。ちなみに前世の記憶、というものがある
所謂、転生者ってやつだな。
なんか…前世の記憶思い出してもこんな感じなんだな…
もっと、小説みたいにテンション上がるものかと思ったけど、そうでもないみたい。
目覚めたら誰かいるのがセオリーだと思うけど、誰もいないし。はぁ…つくづく俺って嫌われてるな。
俺はプレーした事ないんだけど、この世界は日本で言うところの乙女ゲームの中らしい。
しかも、俺は悪役令嬢の兄。
もう1人の兄…俺の実兄は攻略対象なんだけど、俺は違うんだな。
悪役令嬢と一緒になってヒロインを虐める役らしい。
俺の弟が力説してたのを覚えてる。
確かに、これまでの俺の行いは酷いもんだった。
我儘。この言葉に尽きるな。
けど、10歳の時点で見舞いにも来ないほど嫌われてるとは思わないよな。普通。
俺は基本的に1人でも大丈夫だし、むしろその方がいいから全然このままでいいんだけど…
俺の弟が言ってた内容が本当にこの世界に起きるとしたら、俺、実兄率いる王子達に断罪されちゃうんだよね。
1番良くて国外追放。1番悪くて…っていうか、国外追放以外は処刑。ギロチンだよ?
どう考えても、破滅フラグしかないよな。
仲良くする気は全くないから、俺は何事にも関わらないようにしよ。
基本的に俺、人嫌いだし。
「…おい、ルーシュ。」
あ、ルーシュって言うのはまだ辞めてない最後の俺の専属騎士ね。侍女もそうだけど俺には愛想を尽かしてみんな辞めたんだよね。俺って、本当に10歳?(笑)
ルーシュは何故かは知らないけど、未だに辞めないでくれてるし。有難いな。
「…アルフ様!起きられたんですか!」
「…ああ。」
「アルフ様?」
「大丈夫だから…その…」
「はい?」
「俺の傍に寄らないでくれるか。」
「…え?」
「出来れば半径1mは死守して欲しい。」
「ア、アルフ様?どうされたんですか?」
「どうもしてないよ。よろしく頼む。」
…そこまで俺がそう言うのが意外だったか?
いや、今までの俺からすれば考えられない事なんだけどな?
他のことは我慢出来るけど、これだけは無理だしな。
ま、大丈夫だろ。
…よくもまあ、あんなにベタベタ出来てたな。昔の俺。
一周回って尊敬したいよ。
「アルフ様、まだ具合が優れないんですか?」
「大丈夫。ルーシュももう戻っていい。今はアヴィに付いてるんだろ?早く戻った方がいい。」
「いや、俺はアルフ様の専属騎士ですから。」
「…本当に大丈夫だから。」
「…でも…」
は?…もう大丈夫って言ってるじゃねーか。
ちっ、…前の俺みたいに優しくねーからな俺は。
「…だよ。」
「え?今なんと?」
「聞こえなかったか?…俺はお前と一緒にいたくないんだよ。」
「…っ、…失礼、します。」
*
31
お気に入りに追加
1,695
あなたにおすすめの小説
フェンリルさんちの末っ子は人間でした ~神獣に転生した少年の雪原を駆ける狼スローライフ~
空色蜻蛉
ファンタジー
真白山脈に棲むフェンリル三兄弟、末っ子ゼフィリアは元人間である。
どうでもいいことで山が消し飛ぶ大喧嘩を始める兄二匹を「兄たん大好き!」幼児メロメロ作戦で仲裁したり、たまに襲撃してくる神獣ハンターは、人間時代につちかった得意の剣舞で撃退したり。
そう、最強は末っ子ゼフィなのであった。知らないのは本狼ばかりなり。
ブラコンの兄に溺愛され、自由気ままに雪原を駆ける日々を過ごす中、ゼフィは人間時代に負った心の傷を少しずつ癒していく。
スノードームを覗きこむような輝く氷雪の物語をお届けします。
※今回はバトル成分やシリアスは少なめ。ほのぼの明るい話で、主人公がひたすら可愛いです!

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い
主人公の兄になったなんて知らない
さつき
BL
レインは知らない弟があるゲームの主人公だったという事を
レインは知らないゲームでは自分が登場しなかった事を
レインは知らない自分が神に愛されている事を
表紙イラストは マサキさんの「キミの世界メーカー」で作成してお借りしています⬇ https://picrew.me/image_maker/54346

俺が総受けって何かの間違いですよね?
彩ノ華
BL
生まれた時から体が弱く病院生活を送っていた俺。
17歳で死んだ俺だが女神様のおかげで男同志が恋愛をするのが普通だという世界に転生した。
ここで俺は青春と愛情を感じてみたい!
ひっそりと平和な日常を送ります。
待って!俺ってモブだよね…??
女神様が言ってた話では…
このゲームってヒロインが総受けにされるんでしょっ!?
俺ヒロインじゃないから!ヒロインあっちだよ!俺モブだから…!!
平和に日常を過ごさせて〜〜〜!!!(泣)
女神様…俺が総受けって何かの間違いですよね?
モブ(無自覚ヒロイン)がみんなから総愛されるお話です。
王道学園なのに、王道じゃない!!
主食は、blです。
BL
今作品の主人公、レイは6歳の時に自身の前世が、陰キャの腐男子だったことを思い出す。
レイは、自身のいる世界が前世、ハマりにハマっていた『転校生は愛され優等生.ᐟ.ᐟ』の世界だと気付き、腐男子として、美形×転校生のBのLを見て楽しもうと思っていたが…

あなたと過ごした五年間~欠陥オメガと強すぎるアルファが出会ったら~
華抹茶
BL
子供の時の流行り病の高熱でオメガ性を失ったエリオット。だがその時に前世の記憶が蘇り、自分が異性愛者だったことを思い出す。オメガ性を失ったことを喜び、ベータとして生きていくことに。
もうすぐ学園を卒業するという時に、とある公爵家の嫡男の家庭教師を探しているという話を耳にする。その仕事が出来たらいいと面接に行くと、とんでもなく美しいアルファの子供がいた。
だがそのアルファの子供は、質素な別館で一人でひっそりと生活する孤独なアルファだった。その理由がこの子供のアルファ性が強すぎて誰も近寄れないからというのだ。
だがエリオットだけはそのフェロモンの影響を受けなかった。家庭教師の仕事も決まり、アルファの子供と接するうちに心に抱えた傷を知る。
子供はエリオットに心を開き、懐き、甘えてくれるようになった。だが子供が成長するにつれ少しずつ二人の関係に変化が訪れる。
アルファ性が強すぎて愛情を与えられなかった孤独なアルファ×オメガ性を失いベータと偽っていた欠陥オメガ
●オメガバースの話になります。かなり独自の設定を盛り込んでいます。
●最終話まで執筆済み(全47話)。完結保障。毎日更新。
●Rシーンには※つけてます。

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。

兄たちが弟を可愛がりすぎです
クロユキ
BL
俺が風邪で寝ていた目が覚めたら異世界!?
メイド、王子って、俺も王子!?
おっと、俺の自己紹介忘れてた!俺の、名前は坂田春人高校二年、別世界にウィル王子の身体に入っていたんだ!兄王子に振り回されて、俺大丈夫か?!
涙脆く可愛い系に弱い春人の兄王子達に振り回され護衛騎士に迫って慌てていっもハラハラドキドキたまにはバカな事を言ったりとしている主人公春人の話を楽しんでくれたら嬉しいです。
1日の話しが長い物語です。
誤字脱字には気をつけてはいますが、余り気にしないよ~と言う方がいましたら嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる