テンプレ乙とか言わないでください()

なるせ

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第 1 話

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「…ん、…」





久しぶりにこんなに長く寝たような気がする。
まぁ、湖に落ちて高熱を出し、寝込んでたんなら当たり前か。

ん?あ、俺、アルフ・レイデーン。
公爵家の次男。ちなみに前世の記憶、というものがある
所謂、転生者ってやつだな。

なんか…前世の記憶思い出してもこんな感じなんだな…
もっと、小説みたいにテンション上がるものかと思ったけど、そうでもないみたい。

目覚めたら誰かいるのがセオリーだと思うけど、誰もいないし。はぁ…つくづく俺って嫌われてるな。

俺はプレーした事ないんだけど、この世界は日本で言うところの乙女ゲームの中らしい。

しかも、俺は悪役令嬢の兄。
もう1人の兄…俺の実兄は攻略対象なんだけど、俺は違うんだな。

悪役令嬢と一緒になってヒロインを虐める役らしい。
俺の弟が力説してたのを覚えてる。

確かに、これまでの俺の行いは酷いもんだった。
我儘。この言葉に尽きるな。

けど、10歳の時点で見舞いにも来ないほど嫌われてるとは思わないよな。普通。

俺は基本的に1人でも大丈夫だし、むしろその方がいいから全然このままでいいんだけど…

俺の弟が言ってた内容が本当にこの世界に起きるとしたら、俺、実兄率いる王子達に断罪されちゃうんだよね。

1番良くて国外追放。1番悪くて…っていうか、国外追放以外は処刑。ギロチンだよ?

どう考えても、破滅フラグしかないよな。
仲良くする気は全くないから、俺は何事にも関わらないようにしよ。

基本的に俺、人嫌いだし。




「…おい、ルーシュ。」



あ、ルーシュって言うのはまだ辞めてない最後の俺の専属騎士ね。侍女もそうだけど俺には愛想を尽かしてみんな辞めたんだよね。俺って、本当に10歳?(笑)

ルーシュは何故かは知らないけど、未だに辞めないでくれてるし。有難いな。




「…アルフ様!起きられたんですか!」


「…ああ。」


「アルフ様?」


「大丈夫だから…その…」


「はい?」


「俺の傍に寄らないでくれるか。」


「…え?」


「出来れば半径1mは死守して欲しい。」


「ア、アルフ様?どうされたんですか?」


「どうもしてないよ。よろしく頼む。」




…そこまで俺がそう言うのが意外だったか?
いや、今までの俺からすれば考えられない事なんだけどな?

他のことは我慢出来るけど、これだけは無理だしな。
ま、大丈夫だろ。

…よくもまあ、あんなにベタベタ出来てたな。昔の俺。
一周回って尊敬したいよ。




「アルフ様、まだ具合が優れないんですか?」


「大丈夫。ルーシュももう戻っていい。今はアヴィに付いてるんだろ?早く戻った方がいい。」


「いや、俺はアルフ様の専属騎士ですから。」


「…本当に大丈夫だから。」


「…でも…」



は?…もう大丈夫って言ってるじゃねーか。
ちっ、…前の俺みたいに優しくねーからな俺は。



「…だよ。」


「え?今なんと?」


「聞こえなかったか?…。」


「…っ、…失礼、します。」




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