5 / 53
訓練
しおりを挟む俺たちは今皇帝の前にいる。
「ではもう一度いう。お主らに魔王を倒してほしいのだ」
「それはどうしてでしょうか?」
質問を出したのは秋山光輝だ。
「それは今わしらの国は魔王軍に攻められているのだ。このままだと小さな村や町が魔王軍に人々が殺されてしまうのだ」
「わかりました!!俺が人々を助けます」
「おお、本当か!」
「はい!」
秋山光輝はそう言うと俺たちの方へ振り返って頭を下げてきた。
「みんな、すまない俺はこの国の人達を助けたいと思っている。その為にはみんな力が必要だ。お願いだ、手伝ってくれ」
「お前が人助けをするなんて言うのは今更だろ」
「そうね、私は光輝君を手伝うわ」
徐々にクラスメイトは秋山の言葉を聞き手を上げて賛成していった。先生は沈めるように動いているが誰も話を聞こうとしない。
そのまま勢いに乗って魔王討伐に決まった。
「では決まったようだな。ならばステータスと言ってみよ、称号に勇者と書かれてるはずだ」
皇帝の言葉を聞きクラスメイトは続々とステータスと呟き始めた。
「あっ、俺でした!」
勇者の称号が書かれていたのはやはり秋山光輝だった。
「さっさすが光輝だな!」
「でも、俺でいいのかな」
「光輝以外に誰が勇者に適任なんだよ!」
「そうだよ!光輝くん以外にいないよ!」
少し心配気味になっていた秋山をクラスメイトは励まし、その言葉を聞き秋山は徐々にやる気に満ちた顔になった。
俺は秋山のステータスを鑑定してみた。
【名前】秋山光輝
【種族】人族
【性別】男【年齢】18歳
【レベル】1
【称号】勇者 異世界人
【HP】200
【MP】200
【攻撃力】200
【魔攻力】200
【防御力】200
【魔防力】200
【俊敏力】200
固有スキル:限界突破 聖剣召喚
スキル
身体強化 剣術Lv1 鑑定 アイテムボックス 異世界言語
魔法
火魔法Lv1 水魔法Lv1 土魔法Lv1 光魔法Lv1
【加護】 剣神の加護
だった。
まぁ強いかどうかはよく知らん。俺の初めのステータスも知らないし。
そしてクラスメイトが騒いでいるとき一人の女性が声を上げた。
「ちょっ、ちょっと待ってください!」
その声の主は俺らの教師、日下部花蓮だ。
「何を勝手に決めているんですか!皇帝様はこの子達に戦争をやらせるということですか!!」
いつもはおどおどしていて周りからは可愛いと思われていた先生が大きな声上げたのでクラスメイトは驚きの表情を見せていた。
「なっ!貴様!それはどういうことだ!!」
その言葉を聞き昨日注意していた貴族が怒りをあらわにした。
「そのままの意味です!この子達に戦争をやらせるなんて危ないことはさせません!」
「日下部殿、これは勇者たちが決めたことなのです」
皇帝にそう断られながらも話をするが全て断られていた。
そしてクラスメイトが静まった中俺は誰も聞かなかったことを聞いた。
「すみません、皇帝様。一つ聞いてもいいですか?」
「む、なんだ」
「俺たちは元の世界に帰れるんですか?」
俺の言葉を聞きクラスメイトのハッとしと表情をした。
「そ、そう言えばそうだよ!俺たち帰れるのかよ!」
「そうよ!そこはどうなのよ!!」
クラスメイトの声を聞き皇帝や貴族たちは少し顔が暗くなり、その表情を見た瞬間みんなが不安を抱き始めた。
「すまない、帰還が出来るのは魔王を倒したらなのだ」
皇帝の言葉で帰れると知ったクラスメイトは希望を持った顔をした。
「ではこれから勇者たちには訓練をしてもらう!強くなって魔王を討伐してくれ!」
『はい!』
とクラスメイトは元気よく返事をし兵士に連れられ訓練場に行った。
訓練場には一人の男が立っていた。
「俺の名前はクラウス・レフト。この帝国の騎士団長をしていてお前たちを強くするものだ!ではさっそくこの訓練場を20周だ!」
一周500mはしそうな訓練場を俺たちは20周走らされた。
俺は余裕が全然あったが余り目立ちたくなかったので終了は真ん中ぐらいにした。一位はもちろん秋山だ。
その後も木剣を持たされ1000回素振りと終わったあとは腕立て伏せと腹筋を二百回と言われた時はみんなが絶望のような顔をしていた。
訓練が終わり残りは自主練と言われたのがクラスメイトはみんなヘロヘロで帰って行き、太陽はまだ空の上にあったので俺は一人でこの広い空間でいつものメニューの二倍の量をしていた。
修行が終わったあと部屋に戻り中でも出来る修行を行った。
翌日俺たちは魔法の練習をやりにまた訓練場に来た。
「これからあなた達の魔法の先生をやらせて頂きますルーチェス・クロールと言います」
彼女は自己紹介を終えたあと魔法の使い方の説明に入った。
内容は魔力が体の中にあるということを感じとりそれを動かすのが魔力操作だということで、魔力操作ができるようになると魔法が使えるという。
そこでルーチェス先生は俺たちの前でお手本として魔法を使った。
『我が魔力よ、火の姿となりて、我が手に集え、火球!』
すると先生の手のひらから火の玉が現れた。
「うわぁ~」
「綺麗だな」
「私も使ってみたい!」
初めての魔法を見たクラスメイトは感動していた。
まぁ、俺も初めて魔法を見せられた時は同じように感じたな。
「この程度のことならすぐにあなた達も使えるわよ」
先生の言葉を聞きクラスメイトはすぐに魔力操作の練習をするため集中し始めた。
俺はもう出来るので練習をしているふりをした。
それから数十分後、一人が詠唱を始めるとその者の手のひらから火の玉が現れた。
「うわぁ!」
「さすが光輝くんだね!」
「あぁ、やっぱり勇者はすげぇな!」
と初めての魔法を成功させた秋山をクラスメイトは羨ましそうに見て練習に励んでいた。
翌日もそのまた翌日も魔法と接近戦の訓練を二週間行いどっちに向いているか先生達に教えられ言われた方に練習を重ねていった。
そんなある日俺たちは王様に呼ばれ王のいる間に行きこう言われた。
「お主たちには明日ダンジョンに向かってもらう」
80
お気に入りに追加
5,012
あなたにおすすめの小説

異世界転生してしまったがさすがにこれはおかしい
増月ヒラナ
ファンタジー
不慮の事故により死んだ主人公 神田玲。
目覚めたら見知らぬ光景が広がっていた
3歳になるころ、母に催促されステータスを確認したところ
いくらなんでもこれはおかしいだろ!
間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ
ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。
間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。
多分不具合だとおもう。
召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。
そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます
◇
四巻が販売されました!
今日から四巻の範囲がレンタルとなります
書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます
追加場面もあります
よろしくお願いします!
一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
コミカライズもスタートしています
毎月最初の金曜日に更新です
お楽しみください!
スキル盗んで何が悪い!
大都督
ファンタジー
"スキル"それは誰もが欲しがる物
"スキル"それは人が持つには限られた能力
"スキル"それは一人の青年の運命を変えた力
いつのも日常生活をおくる彼、大空三成(オオゾラミツナリ)彼は毎日仕事をし、終われば帰ってゲームをして遊ぶ。そんな毎日を繰り返していた。
本人はこれからも続く生活だと思っていた。
そう、あのゲームを起動させるまでは……
大人気商品ワールドランド、略してWL。
ゲームを始めると指先一つリアルに再現、ゲーマーである主人公は感激と喜び物語を勧めていく。
しかし、突然目の前に現れた女の子に思わぬ言葉を聞かさせる……
女の子の正体は!? このゲームの目的は!?
これからどうするの主人公!
【スキル盗んで何が悪い!】始まります!

神の加護を受けて異世界に
モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。
その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。
そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。

子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!
八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。
『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。
魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。
しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も…
そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。
しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。
…はたして主人公の運命やいかに…

クラス転移で裏切られた「無」職の俺は世界を変える
ジャック
ファンタジー
私立三界高校2年3組において司馬は孤立する。このクラスにおいて王角龍騎というリーダーシップのあるイケメンと学園2大美女と呼ばれる住野桜と清水桃花が居るクラスであった。司馬に唯一話しかけるのが桜であり、クラスはそれを疎ましく思っていた。そんなある日クラスが異世界のラクル帝国へ転生してしまう。勇者、賢者、聖女、剣聖、など強い職業がクラスで選ばれる中司馬は無であり、属性も無であった。1人弱い中帝国で過ごす。そんなある日、八大ダンジョンと呼ばれるラギルダンジョンに挑む。そこで、帝国となかまに裏切りを受け─
これは、全てに絶望したこの世界で唯一の「無」職の少年がどん底からはい上がり、世界を変えるまでの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
カクヨム様、小説家になろう様にも連載させてもらっています。

八百長試合を引き受けていたが、もう必要ないと言われたので圧勝させてもらいます
海夏世もみじ
ファンタジー
月一に開催されるリーヴェ王国最強決定大会。そこに毎回登場するアッシュという少年は、金をもらう代わりに対戦相手にわざと負けるという、いわゆる「八百長試合」をしていた。
だが次の大会が目前となったある日、もうお前は必要ないと言われてしまう。八百長が必要ないなら本気を出してもいい。
彼は手加減をやめ、“本当の力”を解放する。

賢者の幼馴染との中を引き裂かれた無職の少年、真の力をひた隠し、スローライフ? を楽しみます!
織侍紗(@'ω'@)ん?
ファンタジー
ルーチェ村に住む少年アインス。幼い頃両親を亡くしたアインスは幼馴染の少女プラムやその家族たちと仲良く過ごしていた。そして今年で十二歳になるアインスはプラムと共に近くの町にある学園へと通うことになる。
そこではまず初めにこの世界に生きる全ての存在が持つ職位というものを調べるのだが、そこでアインスはこの世界に存在するはずのない無職であるということがわかる。またプラムは賢者だということがわかったため、王都の学園へと離れ離れになってしまう。
その夜、アインスは自身に前世があることを思い出す。アインスは前世で嫌な上司に手柄を奪われ、リストラされたあげく無職となって死んだところを、女神のノリと嫌がらせで無職にさせられた転生者だった。
そして妖精と呼ばれる存在より、自身のことを聞かされる。それは、無職と言うのはこの世界に存在しない職位の為、この世界がアインスに気づくことが出来ない。だから、転生者に対しての調整機構が働かない、という状況だった。
アインスは聞き流す程度でしか話を聞いていなかったが、その力は軽く天災級の魔法を繰り出し、時の流れが遅くなってしまうくらいの亜光速で動き回り、貴重な魔導具を呼吸をするように簡単に創り出すことが出来るほどであった。ただ、争いやその力の希少性が公になることを極端に嫌ったアインスは、そのチート過ぎる能力を全力にバレない方向に使うのである。
これはそんな彼が前世の知識と無職の圧倒的な力を使いながら、仲間たちとスローライフを楽しむ物語である。
以前、掲載していた作品をリメイクしての再掲載です。ちょっと書きたくなったのでちまちま書いていきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる