29 / 39
29
しおりを挟む
……などと考えていたときだった。
『死ねぃっ!』
黒い大蛇が大口を開けた。その喉奥で紅蓮の炎が湧き起こる。俺は動物的本能から危険を察知し、その正面にとどまる愚を避けた。急上昇する。
直後、元マーレイは空中に向かって凄まじい火炎を吐き出した。人間界における火炎放射器を思い出させるような――それを数十倍にパワーアップさせたがごとき、高い指向性を持つ業火。それは龍の首の傾きに追従し、こちらへと迫った。
俺は完全に回避出来ず、両足の膝から下を帝王の火の柱に捉えられる。一瞬で俺の足は炭化し、深甚な痛みと共に剥離して落ちていった。だいぶその勢いを落とした回復能力は、今までに比べて極めてゆっくりと両足を治癒していく。
治りが遅いということは、それだけ激痛も長引くということだ。俺は目まいさえ起こしそうになりながら、爆発乱舞する苦痛に歯を食いしばって空を飛翔する。炎は吐き出し終えたのか、いったん止んだ。
あれは駄目だ。あんなのに全身を焼かれたら一瞬で消し炭になってしまう。俺はドラゴンが再度の火炎放射を行なう前に、この戦いに蹴りをつけようと考えた。
右手刀を振り抜いて、鋭利な衝撃波を龍の胴体に叩き込む。だが奴の硬く黒い鱗はびくともせず、ただその体表をきらめかせただけだった。俺はようやく元に戻った両足――赤ん坊の肌のように頼りなかったが――を合わせ、空気抵抗を少なくして元マーレイの後頭部にしがみつかんとした。
しかし黒龍はその巨体に似合わず俊敏だ。こちらの動きを読んでおり、尻尾で俺を叩き落とした。
「くっ!」
俺は強烈な打撃に脳味噌が揺れたか、しばし頭がぼやけた。意識を取り戻したときには、森林の焼け跡に這いつくばっている。俺は頭上を見上げた。まずい、帝王がまた大口を開けてきている。その奥で種火がくすぶり、今にも喉から炎を投げつけてきそうだ。
絶体絶命――
……いや、待てよ。俺は単純な事実に気がついた。奴の鱗に攻撃を弾かれるなら、それとは別の場所を狙えばいい。もっと弱くてもろいところを――口の中を。
俺は手刀一閃、黒龍の赤い喉へと衝撃波を撃ち込んだ。その考えは大当たりだった。怪物は火の代わりに鮮血をぶちまけて、大きく反り返ったのだ。激しい咆哮が大地をも震わせる。俺は鱗のない腹の部分が見えると、そこにまた衝撃波を発射した。その皮は深々と切り裂かれ、肉ごと断たれて更なる出血を強制される。
『がはぁっ!』
はっきりそれと分かる悲鳴。やった。俺は土壇場での逆転に気力を盛り返した。調子に乗って飛び上がり、ドラゴンの顎へアッパーカットを食らわせる。硬いものの折れる音がして、破砕された牙が血潮と共に地面へ落下していった。
『おのれ……おのれっ!』
元マーレイは闇雲に前の両足をぶん回した。そんなもん当たるかよ。
「がはっ!」
当たった。俺は腹から胸にかけてを鋭い爪に引っかかれ、噴水のように出血する。激痛を拡散するその傷をかばいながら、俺は雄叫びを上げ、巨龍の攻撃範囲から脱出した。
死闘になった。俺は血まみれの胸に手を当てて押さえつつ、手刀を振り抜く。今度は黒龍の右目を直撃し、その視界の一方を奪い取った。
『うがあっ!』
とはいえ帝王には『境界認識』があるため――怪物に変貌してもまだ使えているのかどうかはともかく――、あまり有効打とは言えない。ただ悲鳴を聞く限りでは精神的ダメージの方はかなり深そうだった。
爪に傷つけられた箇所が半ばほど回復する。もう少しもってくれよ、俺の体。俺はたくみに空を飛行し、ドラゴンの羽を手刀衝撃波で切り刻んだ。宙を自由自在に舞っていた帝王だったが、片方の翼をもがれてそうもいかなくなった。物凄い勢いで焼け野原に突っ込み、頭から墜落する。
だがその寸前、鞭のようにしなる巨大な尻尾が一振りされ、俺の頭を殴りつけていた。
「ぐぅっ!」
俺は意識の半分を持っていかれ、きりもみを描いて落下する。地上ギリギリ、頭がかぼちゃのように割られる寸前で、どうにかブレーキをかけた。だがそれが精一杯だ。俺は森林の焼け跡に降下して四つん這いになった。混濁する意識の中、汗と血にまみれ、俺はどうにか思考を回復させようと首を振る。
と、そのときだった。
「研磨!」
懐かしい声と気配が『境界認識』の中に飛び込んできた。誰だったっけ、と思い返す間もなく、そちらの方角から白い光弾が飛んでくるのが見えた。やばい、『無効化波動』か? 今撃たれたら帝王を倒す力が失せてしまう。俺は地べたを這いつくばって逃れようとしたが、無情にも直撃を受けてしまった。ちくしょう……!
「……って、あれ?」
俺を包み込んだのは『無効化波動』などではなかった。胸や頭から苦痛が取り除かれ、全身に活力が一気に沸き立つ。かすんでいた視界が元に戻り、心臓の鼓動が安らかになった。元気一杯になった俺は立ち上がって、助けてくれた相手を見る。
神界の最高位に立つ者、女王ハンシャだった。空中にミズタやマリ、レンズを引き連れて、勇ましい鎧姿と編みこんだ銀の長髪とを風になぶらせている。その背後には大勢の神族たちが飛び交い、森の消火作業に当たっていた。
「研磨、よくここまで頑張りました。後は私が引き継ぎます」
「ハンシャ! 何で来たんだ?」
俺の叫びに、彼女は意外そうな顔をした。
「何で、とは? 貴方を助けに来たのですよ」
「馬鹿野郎、おめえが死んだら神族は全て息絶えるんだろう? それなのにのこのこ戦場に出てくるなんて……!」
ミズタがばつが悪そうに、両手をもじもじと組み合わせた。その傷はマリやレンズ同様治っている――ハンシャに手当てされたのだろう。
「だって、魔界の帝王に研磨一人で勝てるとは思えなかったから……」
マリが言い添えた。むしろ胸を張る風だった。
「女王様とはこの戦場と都との中間地点で遭遇しました。ハンシャ様は既に自身で決断なされて進発されていたんです。私はミズタと一緒に女王様に進言しました。火炎魔人アシュレ、帝王マーレイの進軍は、鏡さん一人じゃとても抑えられない、と。そこでとにかく不眠不休で、この場所まで飛んできたんです」
見くびられたもんだ。まあ、ちょっとだけやばい状況だったがな。ちょっとだけ。
……というか、それよりも。
「アシュレは、奴の火の玉の軍勢はどうしたんだ? ここまで来る間に遭遇したはずだろう?」
ハンシャ女王は首を横に振った。
「いいえ、森が燃えているだけで、火炎魔人もその部下たちもいませんでした」
何? ……そんな馬鹿な。あいつらはドラゴンに化けても戦い続ける指導者をほったらかして、どこかへ行っちまったってのか? それとも、帝王のマーレイが人身を捨てた際に、あえなく絶命したか。
「研磨!」
ミズタが叫んだ。俺はぱっと飛び上がる。その足元すれすれを、黒龍の尻尾が薙ぎ払っていった。危ねえ。まだ戦いは終わっていなかったのだ。
『死ねぃっ!』
黒い大蛇が大口を開けた。その喉奥で紅蓮の炎が湧き起こる。俺は動物的本能から危険を察知し、その正面にとどまる愚を避けた。急上昇する。
直後、元マーレイは空中に向かって凄まじい火炎を吐き出した。人間界における火炎放射器を思い出させるような――それを数十倍にパワーアップさせたがごとき、高い指向性を持つ業火。それは龍の首の傾きに追従し、こちらへと迫った。
俺は完全に回避出来ず、両足の膝から下を帝王の火の柱に捉えられる。一瞬で俺の足は炭化し、深甚な痛みと共に剥離して落ちていった。だいぶその勢いを落とした回復能力は、今までに比べて極めてゆっくりと両足を治癒していく。
治りが遅いということは、それだけ激痛も長引くということだ。俺は目まいさえ起こしそうになりながら、爆発乱舞する苦痛に歯を食いしばって空を飛翔する。炎は吐き出し終えたのか、いったん止んだ。
あれは駄目だ。あんなのに全身を焼かれたら一瞬で消し炭になってしまう。俺はドラゴンが再度の火炎放射を行なう前に、この戦いに蹴りをつけようと考えた。
右手刀を振り抜いて、鋭利な衝撃波を龍の胴体に叩き込む。だが奴の硬く黒い鱗はびくともせず、ただその体表をきらめかせただけだった。俺はようやく元に戻った両足――赤ん坊の肌のように頼りなかったが――を合わせ、空気抵抗を少なくして元マーレイの後頭部にしがみつかんとした。
しかし黒龍はその巨体に似合わず俊敏だ。こちらの動きを読んでおり、尻尾で俺を叩き落とした。
「くっ!」
俺は強烈な打撃に脳味噌が揺れたか、しばし頭がぼやけた。意識を取り戻したときには、森林の焼け跡に這いつくばっている。俺は頭上を見上げた。まずい、帝王がまた大口を開けてきている。その奥で種火がくすぶり、今にも喉から炎を投げつけてきそうだ。
絶体絶命――
……いや、待てよ。俺は単純な事実に気がついた。奴の鱗に攻撃を弾かれるなら、それとは別の場所を狙えばいい。もっと弱くてもろいところを――口の中を。
俺は手刀一閃、黒龍の赤い喉へと衝撃波を撃ち込んだ。その考えは大当たりだった。怪物は火の代わりに鮮血をぶちまけて、大きく反り返ったのだ。激しい咆哮が大地をも震わせる。俺は鱗のない腹の部分が見えると、そこにまた衝撃波を発射した。その皮は深々と切り裂かれ、肉ごと断たれて更なる出血を強制される。
『がはぁっ!』
はっきりそれと分かる悲鳴。やった。俺は土壇場での逆転に気力を盛り返した。調子に乗って飛び上がり、ドラゴンの顎へアッパーカットを食らわせる。硬いものの折れる音がして、破砕された牙が血潮と共に地面へ落下していった。
『おのれ……おのれっ!』
元マーレイは闇雲に前の両足をぶん回した。そんなもん当たるかよ。
「がはっ!」
当たった。俺は腹から胸にかけてを鋭い爪に引っかかれ、噴水のように出血する。激痛を拡散するその傷をかばいながら、俺は雄叫びを上げ、巨龍の攻撃範囲から脱出した。
死闘になった。俺は血まみれの胸に手を当てて押さえつつ、手刀を振り抜く。今度は黒龍の右目を直撃し、その視界の一方を奪い取った。
『うがあっ!』
とはいえ帝王には『境界認識』があるため――怪物に変貌してもまだ使えているのかどうかはともかく――、あまり有効打とは言えない。ただ悲鳴を聞く限りでは精神的ダメージの方はかなり深そうだった。
爪に傷つけられた箇所が半ばほど回復する。もう少しもってくれよ、俺の体。俺はたくみに空を飛行し、ドラゴンの羽を手刀衝撃波で切り刻んだ。宙を自由自在に舞っていた帝王だったが、片方の翼をもがれてそうもいかなくなった。物凄い勢いで焼け野原に突っ込み、頭から墜落する。
だがその寸前、鞭のようにしなる巨大な尻尾が一振りされ、俺の頭を殴りつけていた。
「ぐぅっ!」
俺は意識の半分を持っていかれ、きりもみを描いて落下する。地上ギリギリ、頭がかぼちゃのように割られる寸前で、どうにかブレーキをかけた。だがそれが精一杯だ。俺は森林の焼け跡に降下して四つん這いになった。混濁する意識の中、汗と血にまみれ、俺はどうにか思考を回復させようと首を振る。
と、そのときだった。
「研磨!」
懐かしい声と気配が『境界認識』の中に飛び込んできた。誰だったっけ、と思い返す間もなく、そちらの方角から白い光弾が飛んでくるのが見えた。やばい、『無効化波動』か? 今撃たれたら帝王を倒す力が失せてしまう。俺は地べたを這いつくばって逃れようとしたが、無情にも直撃を受けてしまった。ちくしょう……!
「……って、あれ?」
俺を包み込んだのは『無効化波動』などではなかった。胸や頭から苦痛が取り除かれ、全身に活力が一気に沸き立つ。かすんでいた視界が元に戻り、心臓の鼓動が安らかになった。元気一杯になった俺は立ち上がって、助けてくれた相手を見る。
神界の最高位に立つ者、女王ハンシャだった。空中にミズタやマリ、レンズを引き連れて、勇ましい鎧姿と編みこんだ銀の長髪とを風になぶらせている。その背後には大勢の神族たちが飛び交い、森の消火作業に当たっていた。
「研磨、よくここまで頑張りました。後は私が引き継ぎます」
「ハンシャ! 何で来たんだ?」
俺の叫びに、彼女は意外そうな顔をした。
「何で、とは? 貴方を助けに来たのですよ」
「馬鹿野郎、おめえが死んだら神族は全て息絶えるんだろう? それなのにのこのこ戦場に出てくるなんて……!」
ミズタがばつが悪そうに、両手をもじもじと組み合わせた。その傷はマリやレンズ同様治っている――ハンシャに手当てされたのだろう。
「だって、魔界の帝王に研磨一人で勝てるとは思えなかったから……」
マリが言い添えた。むしろ胸を張る風だった。
「女王様とはこの戦場と都との中間地点で遭遇しました。ハンシャ様は既に自身で決断なされて進発されていたんです。私はミズタと一緒に女王様に進言しました。火炎魔人アシュレ、帝王マーレイの進軍は、鏡さん一人じゃとても抑えられない、と。そこでとにかく不眠不休で、この場所まで飛んできたんです」
見くびられたもんだ。まあ、ちょっとだけやばい状況だったがな。ちょっとだけ。
……というか、それよりも。
「アシュレは、奴の火の玉の軍勢はどうしたんだ? ここまで来る間に遭遇したはずだろう?」
ハンシャ女王は首を横に振った。
「いいえ、森が燃えているだけで、火炎魔人もその部下たちもいませんでした」
何? ……そんな馬鹿な。あいつらはドラゴンに化けても戦い続ける指導者をほったらかして、どこかへ行っちまったってのか? それとも、帝王のマーレイが人身を捨てた際に、あえなく絶命したか。
「研磨!」
ミズタが叫んだ。俺はぱっと飛び上がる。その足元すれすれを、黒龍の尻尾が薙ぎ払っていった。危ねえ。まだ戦いは終わっていなかったのだ。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
悠久の機甲歩兵
竹氏
ファンタジー
文明が崩壊してから800年。文化や技術がリセットされた世界に、その理由を知っている人間は居なくなっていた。 彼はその世界で目覚めた。綻びだらけの太古の文明の記憶と機甲歩兵マキナを操る技術を持って。 文明が崩壊し変わり果てた世界で彼は生きる。今は放浪者として。
※現在毎日更新中
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる