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03白鷺トロフィーの行方
割れた壷事件03
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しばし思索に耽った。
「その線で行くと、1.2メートルの高さの窓枠に足をかけて侵入するなら、越える際に持参したタオルか何かで足裏を拭き取っておく必要がある。そうでなければ室内に足跡を残さず犯行に及ぶことは不可能だからだ。そして犯人がわざわざそんな真似をしたとするなら、何故侵入時の足跡だけ拭かずに残したんだ? 不届き者は窓を閉めたんだ、窓枠の足跡が残っていることには当然気がついていたはずだ。というわけで……」
そこまで喋って、純架は人差し指を立てる。
「外から内へのわざとらしい足跡は、捜査を撹乱させるためのものと見てまず間違いなかろう。それに、これは校長が戻ってくるまでの時間がない中での犯行だ。廊下側から合鍵で入った人物が、壷を割った後、靴裏を外の泥に浸してそれで窓枠に足跡をつける、なんて悠長なことをやったとは考えにくい。これをあわせて、廊下側から室内に入ったという見方はほぼ崩れ去る。人目の数だって窓の外の無人と廊下の賑わいとでは段違いなんだからね」
純架はビートたけしの物真似で『コマネチ』を披露した。
校長も俺も無視した。
「そうやって論理を積み立てていくと……。僕は楼路君の推理を支持し、犯人が窓から入って窓から出たとの見方を最優先させるね。校長室の出入り口に鍵がかかっていて、合鍵でもなければ侵入できないことから考えても、ね。かくして犯人は、窓から入って、ハンマーと共に持ち込んだタオルで靴裏を拭き取り、室内には跡を残さなかった。そして壷を割って脱出する時、それっぽく窓枠に足跡を残した……」
俺は少し思いついて、それをそのまま意見した。純架と校長を前にして……
「こういうのはどうだ? 犯人は校舎裏からやってきて、靴を脱いで裸足か靴下で、窓から室内に入った。そして壷を割り、改めて外へ出て、置き去りだった靴を再び履いたんだ。後は純架の見立て同様、捜査を邪魔するために窓枠へ足跡をつけてから窓を閉め、立ち去った――」
純架は熱心にうなずく。
「そうだね。それが犯人の行動の最もありそうなモデルだね。やるじゃないか、楼路君。今日は冴えてるね」
俺は思いがけなく褒められて、空に舞い上がる気分だった。純架がそんな俺をスマホで撮影する。
「この1枚で1年は笑えるね」
何でだよ。
「何にせよ、犯人はこの靴跡のような小賢しい真似をする辺り、自分では利口と思っている単細胞だといえるね。……校長」
彼は渋山台高校最上位の老人に問うた。改めて非日常の中にいるのだと痛感させられる。
「大きな壷が割られたというのに、この部屋の周囲にいた人たちは気がつかなかったんですか? それなりに音が響いたと思うのですが」
「ここだけの話、校長室は他の部屋より防音効果が高く造られているんだ。要人と大事な話をするためにね。そのせいで周りには聞こえなかったのだろう」
純架は相槌を打ちながら教卓の引き出しを一通り確かめた。全て鍵がかかっている。
「犯人の目的が『壷を割る』だったことから察するに、本棚や教卓は施錠されていることも考えて、事件とは無関係なんだろうね」
純架は校長の椅子に座った。スマホを操作しているのはメモを使うためだ。
「さて、犯人の行動がある程度分かったところで、今度は容疑者を絞り込みましょう。校長、あなたに恨みを抱いているであろう人物を列挙してください。もちろんその人物は、最低限『校長が壷を大事にしている』かつ『この窓が校長室のものである』ことを知っていなければなりませんが」
校長は重たい体をソファに沈み込ませた。長い溜め息をつく。
「そうだな。まずは教頭の田浦君。わしは二日前、彼と教育方針を巡って議論し論破した。それを恨みに持ったかもしれん。次に藤松先生。わしは彼女がウィッグをつけていることを揶揄したことがある。彼女には或いは屈辱だったかもな。それから占部先生。わしは彼が病気療養中の際見舞いに行かなかった。それを怒っている可能性はある。最後に3年1組の校長室掃除当番の二人。前に手際の悪さを叱ったことがある。まずいことをしたな、と覚えている」
俺は内心呆れていた。恨みを買った覚えがあるなら、謝罪なり何なりしてわだかまりを解消しておくべきなんじゃないか? その努力をしていれば、今頃大事な壷を割られたとか何とか騒ぐこともなかっただろうに。今まで人が良さそうに見えてきたので、そこだけ何だか違和感が残った。
「その全員に壷を自慢したんですか?」
「そうだ。古美術品蒐集を趣味とするわしとしては、その成果と言うべき壷を見せびらかしたくて仕方なかったのだ。思えば軽率だったかも知れん」
純架はどう思っているのか知らないが、表面上は何の綻びも示さない。
「以上の5人だけですか? もっと他に感情を害した人はいませんか?」
校長は腕を組んで沈思の海を潜行する。やがて水面に顔を出した。
「いや、いない。その5人だけだ」
そのときチャイムが鳴って昼休みの終わりを告げた。純架は立ち上がると出口へ向かう。
「行こう、楼路君。校長、壷はもう片付けてしまって問題ありません。僕らはとりあえず頑張って調査してみますよ」
「頼むぞ、『探偵部』。期待している」
純架は俺を引き連れて校長室を出た。
「とにかく足を使おう」
純架は空きっ腹が鳴くのを押しとどめようとはしなかった。五時間目終了後の休み時間のことである。
「壷が割られたのは昼休み開始前後だ。犯人は電光石火の速さで校長室に侵入し、犯行を行なった後、すみやかに立ち去っている。となると、その時間のアリバイがあるかどうかで追い詰めることが可能なはずだ。先生方はそんなすぐには帰宅しないから、まずは3年1組の校長室清掃係の先輩方を当たってみよう」
掃除とホームルームが終わり、生徒たちの多くは今日のスケジュールから解放された。放課後が訪れると同時に、俺と純架は早足で1階3年1組に駆け込む。適当な生徒を捉まえた。
「ああ、校長室の掃除ならうちのクラスが担当だよ」
親切な先輩がそう教えてくれる。『探偵部』部長は更に問いを重ねた。
「校長に怒られた? それなら大河原と有澤の二人だな。あいつらずぼらで、滅多に怒らない校長がキレてたからな」
純架は一瞬俺と目を合わせる。これはぜひとも話を聞かねば。
「その大河原先輩と有澤先輩を呼んでいただけますか?」
教室の戸口から、その先輩は大声で二人を呼びつけた。
「おおい大河原、有澤! 客人が来てるぞ!」
やってきた大河原先輩は、取り立てて秀でた面もないが、劣った面もないという凡庸な女子だった。
一方有澤先輩は、青白い肌で不健康な上、腕や足が細く、枯れ木に動力をつけたようだ。しかし黒髪は燃え上がる炎のようで、そこだけ自己主張が強い。目や口に生気はなかった。
「誰だ?」
純架は頭を下げた。
「僕は『探偵部』の桐木純架と申します。こっちは飼い犬のポチです」
俺は純架のケツにミドルキックを食らわす。彼は苦痛をこらえて単刀直入に切り出した。
「あなた方は今日の昼休みの最初の頃、どこで何してましたか?」
二人は目をしばたたいた。意味は分かっても意図が掴めないようだ。だが答えてはくれた。
「あたしは教室でお弁当食べてたわ」
「僕も同じ」
純架は事務的な声で切り込んだ。
「それを証明できますか?」
二人の顔色が揃って曇る。一気に険悪な空気が流れた。
「何これ。尋問?」
「何だか知らないけど、僕や大河原を何かで疑ってんのか?」
純架はすまし顔だ。相変わらず端正である。
「形式的なことです」
そこでさっきの親切な先輩が口を挟んだ。『探偵部』に興味津々らしい。
「大河原はともかく、有澤なら俺の近くで弁当を広げてたぞ」
別の女子が大河原先輩の背中に声をかけた。優しい声音だ。
「部活行こう、姫子ちゃん。……あれ、どうしたの?」
「ああ、亜美ちゃん。実はこの一年が、あたしの昼休みの行動を証明できるかって尋ねてきて……」
「わっ、綺麗な子ね」
亜美先輩は純架の容姿に見とれつつ、大河原先輩の腕にすがりついた。
「姫子ちゃんは私と一緒に教室でお弁当を食べていたわ。これでいい? 一年君」
「大変よろしいです」
純架は微苦笑して再び頭を下げた。
「不快な思いをさせて申し訳ありませんでした。失礼します」
純架は戸口から廊下へきびすを返した。俺も後に続く。
「まずは3年の二人にアリバイあり、と。次は先生方だ」
純架の腹が抗議の音を奏でる。そういえば純架は今日何も口にしていない。俺は朝食を摂っており、まだましといえるが、空腹であることに変わりはない。
「その前にパン食って腹ごしらえしようぜ」
「そうだね。そうしよう」
純架と俺は1年3組の教室で椅子に座り、手付かずの食糧にありついた。純架はコーヒー、俺は牛乳の紙パックで、ストロー越しに中身をすすりあげる。純架はよほど腹が減っていたらしく、三つのパンをものの5分で平らげた。
「早く食べたまえ、楼路君。田浦教頭や藤松先生、占部先生を質しに行かなきゃならないんだからね」
「分かってるよ。……ところで、何でさっきの二人に靴のサイズを聞かなかったんだ? 犯人は25センチの男物の靴を履いているんじゃないのか?」
「その線で行くと、1.2メートルの高さの窓枠に足をかけて侵入するなら、越える際に持参したタオルか何かで足裏を拭き取っておく必要がある。そうでなければ室内に足跡を残さず犯行に及ぶことは不可能だからだ。そして犯人がわざわざそんな真似をしたとするなら、何故侵入時の足跡だけ拭かずに残したんだ? 不届き者は窓を閉めたんだ、窓枠の足跡が残っていることには当然気がついていたはずだ。というわけで……」
そこまで喋って、純架は人差し指を立てる。
「外から内へのわざとらしい足跡は、捜査を撹乱させるためのものと見てまず間違いなかろう。それに、これは校長が戻ってくるまでの時間がない中での犯行だ。廊下側から合鍵で入った人物が、壷を割った後、靴裏を外の泥に浸してそれで窓枠に足跡をつける、なんて悠長なことをやったとは考えにくい。これをあわせて、廊下側から室内に入ったという見方はほぼ崩れ去る。人目の数だって窓の外の無人と廊下の賑わいとでは段違いなんだからね」
純架はビートたけしの物真似で『コマネチ』を披露した。
校長も俺も無視した。
「そうやって論理を積み立てていくと……。僕は楼路君の推理を支持し、犯人が窓から入って窓から出たとの見方を最優先させるね。校長室の出入り口に鍵がかかっていて、合鍵でもなければ侵入できないことから考えても、ね。かくして犯人は、窓から入って、ハンマーと共に持ち込んだタオルで靴裏を拭き取り、室内には跡を残さなかった。そして壷を割って脱出する時、それっぽく窓枠に足跡を残した……」
俺は少し思いついて、それをそのまま意見した。純架と校長を前にして……
「こういうのはどうだ? 犯人は校舎裏からやってきて、靴を脱いで裸足か靴下で、窓から室内に入った。そして壷を割り、改めて外へ出て、置き去りだった靴を再び履いたんだ。後は純架の見立て同様、捜査を邪魔するために窓枠へ足跡をつけてから窓を閉め、立ち去った――」
純架は熱心にうなずく。
「そうだね。それが犯人の行動の最もありそうなモデルだね。やるじゃないか、楼路君。今日は冴えてるね」
俺は思いがけなく褒められて、空に舞い上がる気分だった。純架がそんな俺をスマホで撮影する。
「この1枚で1年は笑えるね」
何でだよ。
「何にせよ、犯人はこの靴跡のような小賢しい真似をする辺り、自分では利口と思っている単細胞だといえるね。……校長」
彼は渋山台高校最上位の老人に問うた。改めて非日常の中にいるのだと痛感させられる。
「大きな壷が割られたというのに、この部屋の周囲にいた人たちは気がつかなかったんですか? それなりに音が響いたと思うのですが」
「ここだけの話、校長室は他の部屋より防音効果が高く造られているんだ。要人と大事な話をするためにね。そのせいで周りには聞こえなかったのだろう」
純架は相槌を打ちながら教卓の引き出しを一通り確かめた。全て鍵がかかっている。
「犯人の目的が『壷を割る』だったことから察するに、本棚や教卓は施錠されていることも考えて、事件とは無関係なんだろうね」
純架は校長の椅子に座った。スマホを操作しているのはメモを使うためだ。
「さて、犯人の行動がある程度分かったところで、今度は容疑者を絞り込みましょう。校長、あなたに恨みを抱いているであろう人物を列挙してください。もちろんその人物は、最低限『校長が壷を大事にしている』かつ『この窓が校長室のものである』ことを知っていなければなりませんが」
校長は重たい体をソファに沈み込ませた。長い溜め息をつく。
「そうだな。まずは教頭の田浦君。わしは二日前、彼と教育方針を巡って議論し論破した。それを恨みに持ったかもしれん。次に藤松先生。わしは彼女がウィッグをつけていることを揶揄したことがある。彼女には或いは屈辱だったかもな。それから占部先生。わしは彼が病気療養中の際見舞いに行かなかった。それを怒っている可能性はある。最後に3年1組の校長室掃除当番の二人。前に手際の悪さを叱ったことがある。まずいことをしたな、と覚えている」
俺は内心呆れていた。恨みを買った覚えがあるなら、謝罪なり何なりしてわだかまりを解消しておくべきなんじゃないか? その努力をしていれば、今頃大事な壷を割られたとか何とか騒ぐこともなかっただろうに。今まで人が良さそうに見えてきたので、そこだけ何だか違和感が残った。
「その全員に壷を自慢したんですか?」
「そうだ。古美術品蒐集を趣味とするわしとしては、その成果と言うべき壷を見せびらかしたくて仕方なかったのだ。思えば軽率だったかも知れん」
純架はどう思っているのか知らないが、表面上は何の綻びも示さない。
「以上の5人だけですか? もっと他に感情を害した人はいませんか?」
校長は腕を組んで沈思の海を潜行する。やがて水面に顔を出した。
「いや、いない。その5人だけだ」
そのときチャイムが鳴って昼休みの終わりを告げた。純架は立ち上がると出口へ向かう。
「行こう、楼路君。校長、壷はもう片付けてしまって問題ありません。僕らはとりあえず頑張って調査してみますよ」
「頼むぞ、『探偵部』。期待している」
純架は俺を引き連れて校長室を出た。
「とにかく足を使おう」
純架は空きっ腹が鳴くのを押しとどめようとはしなかった。五時間目終了後の休み時間のことである。
「壷が割られたのは昼休み開始前後だ。犯人は電光石火の速さで校長室に侵入し、犯行を行なった後、すみやかに立ち去っている。となると、その時間のアリバイがあるかどうかで追い詰めることが可能なはずだ。先生方はそんなすぐには帰宅しないから、まずは3年1組の校長室清掃係の先輩方を当たってみよう」
掃除とホームルームが終わり、生徒たちの多くは今日のスケジュールから解放された。放課後が訪れると同時に、俺と純架は早足で1階3年1組に駆け込む。適当な生徒を捉まえた。
「ああ、校長室の掃除ならうちのクラスが担当だよ」
親切な先輩がそう教えてくれる。『探偵部』部長は更に問いを重ねた。
「校長に怒られた? それなら大河原と有澤の二人だな。あいつらずぼらで、滅多に怒らない校長がキレてたからな」
純架は一瞬俺と目を合わせる。これはぜひとも話を聞かねば。
「その大河原先輩と有澤先輩を呼んでいただけますか?」
教室の戸口から、その先輩は大声で二人を呼びつけた。
「おおい大河原、有澤! 客人が来てるぞ!」
やってきた大河原先輩は、取り立てて秀でた面もないが、劣った面もないという凡庸な女子だった。
一方有澤先輩は、青白い肌で不健康な上、腕や足が細く、枯れ木に動力をつけたようだ。しかし黒髪は燃え上がる炎のようで、そこだけ自己主張が強い。目や口に生気はなかった。
「誰だ?」
純架は頭を下げた。
「僕は『探偵部』の桐木純架と申します。こっちは飼い犬のポチです」
俺は純架のケツにミドルキックを食らわす。彼は苦痛をこらえて単刀直入に切り出した。
「あなた方は今日の昼休みの最初の頃、どこで何してましたか?」
二人は目をしばたたいた。意味は分かっても意図が掴めないようだ。だが答えてはくれた。
「あたしは教室でお弁当食べてたわ」
「僕も同じ」
純架は事務的な声で切り込んだ。
「それを証明できますか?」
二人の顔色が揃って曇る。一気に険悪な空気が流れた。
「何これ。尋問?」
「何だか知らないけど、僕や大河原を何かで疑ってんのか?」
純架はすまし顔だ。相変わらず端正である。
「形式的なことです」
そこでさっきの親切な先輩が口を挟んだ。『探偵部』に興味津々らしい。
「大河原はともかく、有澤なら俺の近くで弁当を広げてたぞ」
別の女子が大河原先輩の背中に声をかけた。優しい声音だ。
「部活行こう、姫子ちゃん。……あれ、どうしたの?」
「ああ、亜美ちゃん。実はこの一年が、あたしの昼休みの行動を証明できるかって尋ねてきて……」
「わっ、綺麗な子ね」
亜美先輩は純架の容姿に見とれつつ、大河原先輩の腕にすがりついた。
「姫子ちゃんは私と一緒に教室でお弁当を食べていたわ。これでいい? 一年君」
「大変よろしいです」
純架は微苦笑して再び頭を下げた。
「不快な思いをさせて申し訳ありませんでした。失礼します」
純架は戸口から廊下へきびすを返した。俺も後に続く。
「まずは3年の二人にアリバイあり、と。次は先生方だ」
純架の腹が抗議の音を奏でる。そういえば純架は今日何も口にしていない。俺は朝食を摂っており、まだましといえるが、空腹であることに変わりはない。
「その前にパン食って腹ごしらえしようぜ」
「そうだね。そうしよう」
純架と俺は1年3組の教室で椅子に座り、手付かずの食糧にありついた。純架はコーヒー、俺は牛乳の紙パックで、ストロー越しに中身をすすりあげる。純架はよほど腹が減っていたらしく、三つのパンをものの5分で平らげた。
「早く食べたまえ、楼路君。田浦教頭や藤松先生、占部先生を質しに行かなきゃならないんだからね」
「分かってるよ。……ところで、何でさっきの二人に靴のサイズを聞かなかったんだ? 犯人は25センチの男物の靴を履いているんじゃないのか?」
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