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本編
悲しみ
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ー夜、ところにより雷を伴うでしょうー
天気予報のアナウンス。俺は清美に、
『夜、雷もしれないんだって、落ちたらどうしよう?』
清美を振り返ると、…気のせいか…なんか…顔がこわばってる?そんな清美に、
『そろそろいってくるね?』
行ってきますの口付けをして(念の為傘持って)出かけた。
やはり、雨だった。雨の中、お得意先巡りに余念の無い俺。”もうすぐ清美の誕生日かぁ、今年はどうしようかなぁ?“とか何とか余計な事も考えながらお昼ご飯を食べに、1度支店に戻る。
今日のお弁当は、鮭の焼いたの入れた。煮ものとか栄養のバランス考えて。
ー清美も今頃ご飯かなぁ?今日は洗濯物干しっぱで良いからねー
その頃、清美はアカとクロの元気がないのが心配でごはんどころではなかった。餌をあげても食べないし………一体、どうすればいいのか…
ーアイツなら、何か分かるかも?ー
お昼も放ったらかしで、アイツの帰りを必死で待った。
ー夜ー
『ただいま…(超疲れた声)』
(アイツが帰ってきた‼)いそいそとお出迎えの清美。秀が口付けて来るのより前に、
『アカとクロがたいへんなんだ⁉』
どれどれ…と秀がアカとクロの様子を診てくれる。
その後秀は
静かに首を振って、
『この子達は、もうお空からお迎えが来てるんだ…』
清美に残酷なことをハッキリ言った。
『……もう……もって、後2日くらいだと思う…』
清美は、大きな瞳から大粒の涙をポロポロ零しながら
『ヒクッ…もぉ…たすからないのか…ヒクッ』
『うん…今まで、ありがとうって言っときな…』
そこに、予報通り、“ゴロゴロ!ピシャーン‼”
と奴は来た!
怖くて思わず秀に抱きつく清美。涙はそのままに…
抱きつく清美の頭を優しく撫でる秀。
(雷嫌いだったんだね…ごめんね…アカとクロの事は、俺にはどうしようも出来ないよ…)
ーその夜ー
大嫌いな雷と、アカとクロに近づくー死ーに泣きじゃくる清美を、俺は力強く抱きしめている事しか出来なかった。
清美を成長させるための試練が、無情にも近づく。
ーその2日後、アカとクロは静かに空に旅立ったー
真っ赤に両目を腫らした清美が、アパートの下の土の所に穴を掘っていた。(秀に教わった)
『おはか』とやらを作っていた。
『アカとクロは、一緒に逝けて幸せだったんだよ。…清美にも大事に育てて貰ったし…』
俺は清美の頭を優しく撫でた。それが逆効果だったのか、余計に涙を流す清美。
俺たちはせめて向こうでも2匹一緒に居られるように、2匹一緒に弔った。
『さぁ清美、アカとクロはいつもお前のこころの中に生きてるから…元気を出して?泣くのはもう、止めにしようか』
清美は涙を拭き、うなずいた。
(生き物を育てると言うことは、いつか必ず別れが来るということなんだ…大好きなごはんを食べないほど辛かったんだね、清美……)
※清美の髪、この時だけ!伸びたのです。
天気予報のアナウンス。俺は清美に、
『夜、雷もしれないんだって、落ちたらどうしよう?』
清美を振り返ると、…気のせいか…なんか…顔がこわばってる?そんな清美に、
『そろそろいってくるね?』
行ってきますの口付けをして(念の為傘持って)出かけた。
やはり、雨だった。雨の中、お得意先巡りに余念の無い俺。”もうすぐ清美の誕生日かぁ、今年はどうしようかなぁ?“とか何とか余計な事も考えながらお昼ご飯を食べに、1度支店に戻る。
今日のお弁当は、鮭の焼いたの入れた。煮ものとか栄養のバランス考えて。
ー清美も今頃ご飯かなぁ?今日は洗濯物干しっぱで良いからねー
その頃、清美はアカとクロの元気がないのが心配でごはんどころではなかった。餌をあげても食べないし………一体、どうすればいいのか…
ーアイツなら、何か分かるかも?ー
お昼も放ったらかしで、アイツの帰りを必死で待った。
ー夜ー
『ただいま…(超疲れた声)』
(アイツが帰ってきた‼)いそいそとお出迎えの清美。秀が口付けて来るのより前に、
『アカとクロがたいへんなんだ⁉』
どれどれ…と秀がアカとクロの様子を診てくれる。
その後秀は
静かに首を振って、
『この子達は、もうお空からお迎えが来てるんだ…』
清美に残酷なことをハッキリ言った。
『……もう……もって、後2日くらいだと思う…』
清美は、大きな瞳から大粒の涙をポロポロ零しながら
『ヒクッ…もぉ…たすからないのか…ヒクッ』
『うん…今まで、ありがとうって言っときな…』
そこに、予報通り、“ゴロゴロ!ピシャーン‼”
と奴は来た!
怖くて思わず秀に抱きつく清美。涙はそのままに…
抱きつく清美の頭を優しく撫でる秀。
(雷嫌いだったんだね…ごめんね…アカとクロの事は、俺にはどうしようも出来ないよ…)
ーその夜ー
大嫌いな雷と、アカとクロに近づくー死ーに泣きじゃくる清美を、俺は力強く抱きしめている事しか出来なかった。
清美を成長させるための試練が、無情にも近づく。
ーその2日後、アカとクロは静かに空に旅立ったー
真っ赤に両目を腫らした清美が、アパートの下の土の所に穴を掘っていた。(秀に教わった)
『おはか』とやらを作っていた。
『アカとクロは、一緒に逝けて幸せだったんだよ。…清美にも大事に育てて貰ったし…』
俺は清美の頭を優しく撫でた。それが逆効果だったのか、余計に涙を流す清美。
俺たちはせめて向こうでも2匹一緒に居られるように、2匹一緒に弔った。
『さぁ清美、アカとクロはいつもお前のこころの中に生きてるから…元気を出して?泣くのはもう、止めにしようか』
清美は涙を拭き、うなずいた。
(生き物を育てると言うことは、いつか必ず別れが来るということなんだ…大好きなごはんを食べないほど辛かったんだね、清美……)
※清美の髪、この時だけ!伸びたのです。
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