【R18】ウブな雛が猛獣と猛禽類と幻獣とえっちな勉強をする話

獅子戸 直也

初恋 2

俺から告白した相手は一人もいない。
全員俺に好意を抱いて寄ってきた奴ら。
自分で言うのもなんだけど俺は男女どちらからもモテたから、告白自体はもっと沢山された。

その中で交際にまで発展したのは、男女共に決まって、タレ目で色白の子。

あの子のことが忘れられなかったから。

交際相手を通して、大きくなったあの子はどんな感じだろう、キスをするとどういう反応を返してくれるんだろう、抱いたらどんな声で鳴くんだろう…。

と考えてしまっていたのが相手にも伝わっていたらしい。

告白されるのも向こうからで、別れを告げられるのも毎回向こうからだった。


「直也くんはずっと違う人のこと考えてる」


と言って去っていく。

我ながら最低だとは思うけど、別に俺も相手に執着していたわけじゃなかったし、本気で好きになって付き合った相手は一人もいないから、別れを告げられてもなんとも思わなかった。

大学生になって一人暮らしを始めた頃に一度だけ、母親に住所を教えて貰い、初恋のあの子の家を訪ねようとしたことがある。

もしまだ住んでいたら会えると思ったから。

あの子が俺と同じように家を出ていたとしても、ご両親がそこに残っていればあの子の情報を聞き出すことはできる。

母親から住所と共に聞いたその子の名前は『柏木 雛汰』という名前で、ドキドキしながら足を運んだが、辿り着いた家には全く違う苗字の表札がかかっていて絶望した。
これでもうあの子に再び会える可能性はほぼ無くなった…そう思った。

いい加減忘れよう、忘れて、これから付き合う相手にはちゃんと向き合おう、そう決意したのに、大学で恋人を作ってもやっぱり長続きしない。

理由は同じ。


「直也くんはずっと違う人のこと考えてる」


と言ってみんな離れていくし、俺はそれに対して何も思わない。

やっぱり俺は、あの子じゃないとダメなんだ。
だけどもうあの子に会う手立てはない。

このままじゃ俺は一生、誰と付き合っても上手くいかないだろう。

焦りと苛立ちがつのる。

そんな時、もう今は別れたがその頃付き合っていた同性の恋人から、STSって知ってる？と聞かれた。
彼が言うにはそこは同性愛者の男性達が集まって、セックスについて学ぶスクールで、ちょうど6期生を募集している、とのことだった。
セックスについて学ぶって有り得ないよね、と彼は馬鹿にしたように笑っていたけど、ぶっちゃけ俺は興味津々で、家で一人になった時に検索し、迷わず応募した。