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泉 龍之介
前戯のお手本 1 ※
しおりを挟む「んじゃー次は上半身への愛撫についてだ」
そう言ってトモさんは、横向きにマッサージベッドの端に座らせていたレイさんの身体を正面に向けさせると、背後に立ち、レイさんの両手首を片手で掴んで頭の上で固定させた。
「目の前にヤラシイ乳首があったら吸い付きたくなるのが男の性ってやつだけど、いきなり乳首舐めるのは色々と勿体ない。耳や首筋、背中、鎖骨、脇、胸元、腰、腹。人によって違うけど、乳首以外にも気持ちよくなれる場所は色々あるから、指や舌先で擽るように刺激してやって、一番反応が良かったところを重点的に攻めてやる」
トモさんの指先が、声に出した場所を順番になぞっていく。
「レイの場合だと耳、首の後ろ、背骨のライン、胸元、脇腹が特に弱いからそこをいじって乳首の感度を高めて、乳輪をなぞって焦らしてから乳首を舐めてやるとめちゃめちゃ良い声で鳴くんだ」
こんなふうに、と、ニヤッと笑ったトモさんがレイさんの耳にふっと息を吹き掛けるとレイさんの身体がびくんと跳ね上がった。
そのまま今度はレイさんの耳に口をつけ、低い声で羞恥心を煽るようなことを囁いたり耳の穴に舌を入れてちゅぷちゅぷと掻き回しながら、乳首には触れないように胸筋のラインをやらしい手つきでなぞると、レイさんの口から耐えきれなかった甘い声が漏れ出した。
「……んぁ………ゃ……みみ、だめ……」
「生徒の前で嘘はよくないな」
「あっ……うそ、じゃな…ぃ…っ」
「ふぅん?じゃあこっち?」
「ぁ……っあ!…はぁん……」
──やべぇ…めっちゃエロい…。
耳を舐めていたトモさんの舌が、首の後ろをつたい、背骨のうえをくすぐりながら腰の方に向かって降りていく。
その間も、指先で乳首に触れないように乳輪の周りを擽ったり脇腹を撫でたりされたレイさんは真っ白だった全身をピンクに染め、乳首をツンと尖らせ、腰をクイクイと前後させて高い声で喘いでいて、愛撫の手を止め、前に出てきたトモさんはそんなレイさんの姿を見てニッコリ笑うと優しく髪を撫で、またなんちゃらっていう唇をくっつけるだけのキスをした。
「んっん……ぁ……とも……」
「もう乳首こんなにしちゃったの?みんなに見られて興奮した?」
「……ぁ……ちが……ともが、きもちよく、するから……」
「…かわいいなぁ、ほんと」
レイさんの言葉を聞いたトモさんの目が一瞬凶暴な肉食獣みてぇにギラついたのは気のせいか。
確かにそう見えたはずなのにいつも通りの爽やかな笑顔でまたレイさんの頭をポンポンした。
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