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佐々木 智久・菅原 玲弥
特別授業 4 ※
しおりを挟む「……んはぁ…♡ぁ……♡」
とてつもない快感の余韻で、勝手に身体がぴくん、ぴくん、と小刻みに跳ね、小さな喘ぎ声が漏れ出す。
「ひなちゃん、大丈夫か?」
「……ぁっ…、は、はぃ……」
いつの間にかおれの身体を挟むように両脇に移動してきていたトモさんとレイさんは、おれの髪を撫でたり肩をさすったりしておれの呼吸が整うのを待ってくれた。
それからしばらくして上がっていた呼吸と乱れていた脈拍が落ち着き始めると、冷静になった頭で先程までのことを思い出して、飛んでもないことを口走ってしまったと恥ずかしくなり、近くに脱ぎ捨てられていたレイさんのバスローブで顔を隠した。
──レイさんのバスローブ、すごくいい匂いする…。
「ははっ!ひなちゃんもしかして恥ずかしくなっちゃった?可愛いなぁ、あ、レイの次にだけど」
「…もう、そういうのいいから。ひなくん、顔隠さないで?大丈夫、気持ちよくなるのは何もおかしいことじゃないよ?」
「……うぅ…でも、おれ、変なこといっぱい言っちゃった、から……」
「あー、おちんちん気持ちいいとかいっぱい舐めてとか?」
「や…っ!言わない、で、くださいぃ……」
…からかわれてる。
そう思ったら恥ずかしさが限界突破して、じんわりと涙まで浮かんできてしまった。
だけど続くトモさんの言葉に、からかわれてる、というのは勘違いだったと気付く。
「なぁ、もしかしてひなちゃん、セックスはただ触ったり舐めたりして相手を気持ちよくするだけだと思ってないか?」
「………え?」
思ってもみなかった言葉を掛けられて、思わずバスローブの下から顔を出すと、全然からかっている様子などないいたって真面目な顔をしたトモさんと目が合った。
「俺はさ、毎晩のようにレイのことを抱いてるけど、それは自分が気持ちよくなりたいからっていうよりもどっちかって言うと、俺にエロいことされてヨがってるレイの可愛い姿が見たいからなんだ。だから別にレイが俺に何もしてくれなくても、レイが気持ちよくなってるところさえ見られればそれで満足」
まぁ、せっかくするなら自分も最後は気持ちよくなりたいから結局突っ込んじまうんだけどな。
そう付け足してまたニカッと白い歯を見せるトモさん。
「相手が気持ちよくなってるところってのは例えば、勃起してる乳首やちんこ見たり喘ぎ声聞いたりってのもそうだけど、さっきのひなちゃんみたいに気持ちよすぎて訳わかんなくなっちまったって感じの台詞を言われたらな、大抵の男は興奮する」
「…ほんとに?」
「嘘言わねぇよ。だから別に急いでテクニックを身につけようとしなくても、与えられる快感を無理に受け流そうとしないで素直に受け止めて、感じてる姿を見せてやるだけであいつらだって満足してると思うけどな」
やっぱり、改めて言われるとどうしても羞恥心で埋まりたくなるけど。
でも、もしみんなもトモさんが言うようにおれの声やうっかり口走ってしまった恥ずかしい言葉や感じてる姿で興奮してくれてるとしたら、これも一種のテクニックってことになるのかも…?
そう考えると多少気持ちは楽になるものの、それでもみんなのことも気持ちよくしたいと言う思いはどうしても無くならなかった。
「俺も、トモの意見に賛成。感じてくれてるひなくんがすごく可愛くて興奮しちゃって、思わずタチに目覚めるところだったよ」
「……それはダメ。お前は一生俺に抱かれて鳴いてりゃいいの」
「もう、トモうるさい、ちょっと黙ってて」
「……はい」
いつもはあんなにも、頼れる大人の男、というオーラをこれでもかと出しているトモさんが、恋人であるレイさんの前ではタジタジになっている姿が、失礼かもしれないけどなんだか可愛らしく見えて思わず少し笑ってしまったら、「やっと笑った」そう言ってレイさんがおれの乱れた髪を整えつつ、「でもね…」と続ける。
「攻める側の人がそういう風に思ってくれてるのと同じで、受ける側の俺達だって相手を気持ちよくしたいっていうのに変わりはないから、みんなにも気持ちよくなって欲しいって言うひなくんの気持ちもすごく分かるよ。だからどうしても今すぐテクニックを身につけたいって言うなら…そうだなぁ、視覚的に攻めるってのも一つの手だと思うよ」
「視覚的……?」
「そう。練習してみる?」
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