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佐々木 智久・菅原 玲弥
相談 微※
しおりを挟むトモさんとレイさんは、時々言葉につまりながらゆっくりと話すおれに真剣な顔で向き合ってくれて、相槌を打ってくれて、最後まで口を挟むことなく聞いてくれた。
4人の攻め方が気持ちよすぎて、我慢できなくてすぐにイッてしまうこと。
4人はおれのことをすごく気持ちよくしてくれるのに、おれはしてもらってるばかりで全然返せていないこと。
まだりゅうとはしてないけど、きっとりゅうも上手だから同じように気持ちよくなってしまって、おれは上手くできないんじゃないかと不安なこと。
他にも気になっていたことを色々と打ち明けたら、レイさんが、「それは俺達の指導が上手じゃないせいでもあるね、ごめんなさい」と頭を下げるもんだから慌てて否定するも、「性的な行為に対して自信をつけさせて送り出すのが俺達の仕事だから」そう言われてしまっては何も言い返せない。
「でもね、ひなくんが他の4人を気持ちよく出来てないんじゃないかっていう悩みは俺達の指導不足のせいでもあるけど、みんなにしてもらうのが気持ちよくてすぐイッちゃうっていうのは悪いことじゃないよ?」
「あの、おれ、本当に何も分からないから、もっと我慢した方が相手が長く楽しめるんじゃないかとか、ただ喘いでるだけじゃなくてもっと相手を興奮させる台詞とか言った方がいいのかとか色々考えちゃって…」
「うーん、確かに場合によっては興奮させるような台詞を言ったりとかもあるけど…でもひなくん、今はまだそれどころじゃないんじゃない?」
「……はい…」
「だけどそうだなぁ…たとえば…」
それから、レイさんは色々とアドバイスをくれた。
相手を興奮させるような台詞や、愛撫の仕方。
どこをどう刺激したら気持ちいいかとか、視覚的にも興奮させられるフェラの仕方とか。
STSの講習で教わりきれなかったことまで特別に教えてくれたけど、自分の中に落とし込むには圧倒的に経験が足りない。
「…やっぱり、経験を重ねて慣れていくしかないんですかね…」
そう言って肩を落とす俺を見て、それまでただ無言でおれとレイさんのやり取りを見守っていたトモさんがおもむろに口を開いた。
「そうだよ、習うより慣れろ、じゃね?」
「……トモ?」
トモさんの言っている意味がすぐに理解出来なかったのは、どうやらおれだけではなかったらしい。
レイさんも怪訝そうに首を傾げている。
「なぁ、ひなちゃん。内緒なんだけどさ、俺とレイって付き合ってるんだ」
「あ…はい、なんとなくそうなのかなって思ってました」
トモさんが、クソヤロウ共に襲われそうになっていたレイさんを「俺の」と言ったこと、レイさんがこの家を「俺達の」と言ったこと、それと二人の醸し出す雰囲気から、きっとトモさんとレイさんは恋人同士なんだろうなと察してはいた。
だけどそれとこれとどう関係があるんだろう…?
「本当はさ、レイの身体は誰にも見せたくないし触らせたくないんだ。俺のだし。だけどまぁ、お互いそれなりに誇り持ってこの仕事してるし、本気でレイを満足させてやれるのは俺しかいないからと思ってレイが仕事で他の奴に抱かれてるのとかも我慢してるわけ」
「……はぁ」
「それは多分レイも同じだと思う。仕事は仕事、そう割り切ってやってる。その代わり、プライベートでお互い意外と寝ることは絶対ない。だから、これからすることも仕事。STSの…そうだな、特別授業ってことでどうだ?」
「ちょっとトモ、何言って…」
「ひなちゃん、俺とレイと特別授業、するか?」
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