【R18】ウブな雛が猛獣と猛禽類と幻獣とえっちな勉強をする話

枯枝るぅ

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熊谷 純平

キス 2

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「ひなくん、辛くない?おれ、しても大丈夫?」

「大丈夫だよ」


流石にちょっとなおが気の毒になって、肩をポンポン、と叩き慰めているうちに、こたのターンが始まった。
ひなを気遣うような言葉を掛けながらも、肩を抱き、太ももをさすっているところが抜け目無いなと思う。


「こたも、ちゅーしたこと、あるんだよね…?」

「んー?んーまあ、あるにはある…けど、別に好きな相手とかじゃなかったし、頼まれて仕方なく…って感じだったから、おれの中ではノーカン」

「そうなんだ…なんか、変なこと聞いちゃってごめんね?」

「ぜーんぜん気にしてないよ!それより、おれもちゅーとか慣れてないから、嫌だったら教えてね?」

「うん、わかった」


んじゃ、失礼しまーす、と、色気の欠片も無いセリフを口にし、ひなの唇に自らの唇を重ねるこた。
ただくっつけて離しただけのそれは、色事とはかけ離れていたけど。
たったそれだけで、ぽぽぽと頬を赤く染める2人を見ているとなんだか無性に応援したくなる。


「…いや、初々しすぎやろ」


けいの呟きにただただ頷くしかない。
指導に来たトモさんも、この二人見てると青春時代を思い出すなぁ、なんて言ってる。

こたは、ひゃー照れるー、なんて言いながらその勢いでひなをベッドに押し倒し、その胸元にグリグリと顔を擦り寄せている。
やっている事は結構大胆なのに、最早大型犬が飼い主にじゃれついているようにしか見えないのが不思議だ。


「ひなくんの唇柔らかいね」

「そうかな?」

「うん。ねぇ、もう一回してもいい?」

「いいよ」


飼い主のよしを待ってからご馳走にありつく、躾の行き届いた大型犬こと、こた。


「んーふわふわであまくておいしい…もっと…」


そう言うとその大型犬は、飼い主こと、ひなの唇をぺろぺろと舐め始めた。


「ん、んっ、ちょ、こら…っ」

「弟、息子ときて今度は犬か…すげぇなあいつ」

「俺も同じ事考えとったわ」

「まじかよ、オレもだわ」


いまだ撃沈しているなおを除くオレら3人にそう思わせるなんて、こたの犬っぷりはなかなかだ。
暫くそうして犬モード全開でひなの唇を舐めたり甘噛みしたりしていたこただったが、終了時間が来たことを告げられ身体を起こした途端、急に顔付きが変わった。


「…ごちそうさまでした」


今までの初々しさが嘘のようにセクシーな表情でニヤリと口角を上げ、自らの唇をぺろっと舐めてそう告げたこたに、組み敷かれたひなだけでなく、オレ達全員が呆気に取られてしまう。
しかしそんな雄臭い表情は一瞬で消え、今まで通りの甘えた表情でひなの口元を袖口でぐしぐしと拭っているこたを見ていると、まるで幻覚でも見せられたような気分だ。


「ごめんねぇ、口のまわりぐしょぐしょになっちゃった」

「…へっ?あ、う、うん、だいじょぶだよ」

「…ねぇ、お前それ無自覚?それとも狙ってんの?」

「え~?なにが?」


こたと場所を交代し、ひなを抱き起こしながら問い掛けるりゅうに、本気で分からないといった様子で首を傾げるこた。


「自覚無しとかマジかよ…」

「おれ、ちょっとどきっとしちゃった」

「えっ、ホント?超嬉しい!」


ひなの言葉に無邪気に喜んでいるこの男が、アレを自覚無しにやったのかと思うと末恐ろしい。


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