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沢井 虎太郎
順番決め
しおりを挟む今回の講習はまず最初の50分が座学。
10分休憩を挟んで次の50分間は、ここのレーベルから出されているゲイビを見る。
また10分休憩を挟んで、90分間実践の講習を受け、最後に各々アドバイスが書かれた紙を受け取り、次回の説明等を聞いて終了、という流れらしい。
いや、セックスの座学ってなんだよ、と思いつつ講習を受けたが、男性の身体の仕組みとか、性病についてだとか、普通の保健体育の授業では教わらないような内容で思ったより興味深く、真剣に聞いてしまった。
その後に見たゲイビも、おれは元々ゲイじゃないから男同士のそういうのとか見た事が無くてちゃんと見れるか心配だったけれど、ストーリー仕立てになっているそれは内容自体が面白く、行為のシーンもなんの抵抗も無く見る事ができた。
そしていよいよ、初めての実践講習。
今日はどんな事をするんだろうとソワソワしながら3階へ上がり、実践講習が行われる部屋へと入る。
その部屋にはタイプの異なる3つのブースがあり、3グループがそれぞれのブースに分かれて講習を行うらしい。
「使用するブースは、ネコちゃん3人のイメージで決めさせてもらったよ」
と、トモヤさんが言った通り、キュートな見た目のひなくんがいるおれ達のグループには、ピンクを基調とした可愛らしいブースが割り当てられた。
ちなみに、比較的男らしい雰囲気のネコさんがいるグループは、飾り気の一切無いシンプルなブース。
大人っぽい落ち着いた雰囲気のネコさんがいるグループは、モノトーン系のスタイリッシュなブース。
まるで誂えたかのようにブースの雰囲気と3人のネコさん達の雰囲気がそれぞれピッタリハマっていて、思わずちょっと感動してしまった。
グループ毎に分かれてそれぞれのブースに入ると、講習内容の説明を受ける。
「今日は、まずお互い触れ合うことに慣れる為に、ハグとボディタッチをしてもらいます」
レイさんの説明によると、服の上からならどこに触れても構わないが、相手が嫌がった場合はすぐに止めること。
持ち時間は各ペア15分ずつで、交代する際に3分のインターバルを挟む。
どんなに盛り上がっても、唇にキスをしたり服の中に手を入れたり、それ以上進むのはNG。
とのことだった。
それを聞いた皆の反応は様々で、あからさまにほっとしている人もいれば、ちょっと残念そうにしている人もいる。
「今回はあくまでも慣れることが目的なので、僕達は特に指導したりはしません。今説明したことさえ守って貰えたら、自由に動いて大丈夫です。5分後に開始するので、それまでにグループで話し合って順番を決めて下さい」
「…だってよ。どうする?」
説明を聞き終え、ベッドに腰掛けていたりゅうが皆に意見を仰いでくる。
「ひなはどうしたい?」
「えーおれぇ?んー…てかそれ、おれ決めにくくない?なんか順位つけるみたいでヤダ」
なおに話を振られたひなくんがそう返すと、小さく挙手をしたなおがこう続けた。
「じゃあ公平にジャンケンで決めようか。勝った人から順番にひなのこと可愛がるってのはどう?」
「おう、オレはそれでいいぜぇ」
「いいんじゃね?」
「おれもいいと思う~」
「おれもそれでええよ。てか可愛がるって言い方、なんややらしない?」
「だって、やらしいことするんでしょ?」
「今日はしないんじゃないの?!」
じゅんくん、りゅう、おれ、けいはなおの提案に異論無し。
ニヤニヤしながら言うけいに、なおも同じぐらいのニヤニヤで返すと、ひなくんがびくっと肩を震わせ、勢いよくなおを見上げて言った。
「えーだって、服着てたってやらしいことはできるよ?」
「そ、そうなの…?」
「もー、なお、ひなくんめっちゃ赤くなっちゃったじゃん。やめたげて!」
「あはは、ごめんごめん。あんまりウブな反応するもんだから可愛くてつい…。で、ひなはどう?俺の言ったやり方で問題無い?」
「え、あ、う、うん…」
これから行われることを想像しているのか、ひなくんはすっかり縮こまってしまっている。
そうしてひなくん以外の5人でジャンケンをした結果、りゅう、じゅんくん、けい、おれ、なおの順番に決まった。
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