【R18】心優しい淫魔のハジメテの相手は祓魔師でした

誓い

朝の会話

それから、数日後。


「じゃあ、行ってくるね」

「ん......ねぇリヒト。今日、おれもお仕事ついて行ってもいい…？」

「あー...ごめんね、今日は少しバタバタするかもしれないから、連れて行ってあげられないんだ」

「そっかぁ…...」


しょんぼりしてしまったルカの寂しそうな顔を見て、心が痛む。

いつものようにルカが用意してくれた朝食を摂り、身支度を整えて玄関で行ってきますのキスをして。
扉に手を掛け家を出ようとしたところで、きゅっと俺のシャツの裾を握ったルカが大きな垂れ目で俺を見上げながら可愛らしくお願いしてきたけど、今日はどうしても連れて行ってあげられない理由があり、断腸の思いでそのお願いにNOを出した。

今日は祓魔師協会のほうの執務室に、10時に来客がある。
悪魔祓いの依頼だ。
そしてその依頼人が祓って欲しいという悪魔は、ルカと同じ淫魔。

この心優しい悪魔に、自分と同じ種族の悪魔を退治する打ち合わせをしているところになど立ち会わせたくなかった。

ふわふわしたピンク色の髪を優しく撫でながら、出来るだけ早く帰ってくるからね、と伝えると、「もう一回だけ、ちゅー...」とぷるぷるの唇を突き出しておねだりしてくるものだから堪らない気持ちになって、もう一回どころか何度も何度も舌を絡める深いキスをしてしまい、昨夜も散々彼の胎内に欲を注いだというのにそんなの忘れたとでも言わんばかりにギンギンに起き上がった愚息を宥めてから出掛ける羽目になってしまった。


（...あー...どうしてルカはあんなに可愛いんだ。）


仕事をしながらも、考えるのはルカのことばかり。
もちろん、他人と一緒に仕事をしている時はそちらに集中するけど、執務室で一人になるともう駄目だ。

主に俺の腕の中で可愛い声で鳴いている時のルカの姿がチラついて、一刻も早く家に帰ってあの甘い身体を貪りたくなる。

元々、持て余していた性欲の捌け口として契約した淫魔であるルカ。
それがルカの身体を知った途端、今まで以上に性欲が増強されてしまったような気がするからこれって本末転倒なのでは...？と思わないこともないけど、幸せだからそんなことはどうだっていい。

あんなに可愛くてエッチなパートナーがいる俺は間違いなく世界一の幸せ者だ、と顔がニヤけるのを抑えきれずにいると、執務室の扉がノックされる音が聞こえ、普段のクールな俺を装うため慌てて両頬を2回叩いた。