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誓い

シロツメクサの丘

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そして迎えた、ピクニック当日。
ルカの日頃の行いのお陰かその日はカラッと気持ちのいい晴天で、気温も寒すぎず暑すぎず、まさにピクニック日和だった。

6人で連れ立ってやってきたシロツメクサの丘は真っ白な花でいっぱいで、大はしゃぎするルカは俺の手を引き、1人ズンズンと先頭を突き進んでいる。


「みんな見て見て!すごい!綺麗!」

「四つ葉のシロツメクサには魔除けの効果があるなんて迷信があるけど、ほんとに迷信だな...逆に喜んじゃってるし」


目をキラキラと輝かせて振り返るルカを見たクオンが、そう言って苦笑いした。

丘の頂上付近に辿り着くと、そこには大きな一本の木がそびえ立っていて、その根元辺りに持参したシートを広げる。
その上にルカが作ったバスケット一杯の食事を並べると、皆から歓声が上がった。

バゲットサンドにフライドチキン、ローストポテト、サラダ、チーズとオリーブのピンチョス、デザートのカップケーキにフルーツ。

それから悪魔の好物の赤ワインに、俺の好きな白ワイン。
ルカは赤ワインではなくミルクが好きなので、それも持ってきた。

早速各々のグラスにそれらを注ぎ、乾杯する。


「最初クオンから言われた時はなんで悪魔がピクニックなんて…って思ったけど、意外と悪くねぇな」

「うん、おれも。ルカくんの誘いじゃなかったら来なかったわ。でも、酒は美味いしルカくん楽しそうだし、来てよかった」


誘ってくれてありがとう、という友人達の言葉に、ルカも満足そうだ。


「なぁー、ルカくん、もうこれ食ってもいい?オレマジで腹減ったわ」

「俺も俺も」

「ふふっ、どうぞ」

「ルカの手料理本気で美味いからね。惚れんなよ?」


マジかよー自信ねぇわーなんて言いながら、頂きますと手を合わせたケンさんとクオンが、並べられた料理に手を伸ばし口に運ぶ。


「……!うめぇ!やべぇ!」

「なんだこれ…ほんとに美味いな…こんな美味い飯食ったの初めてだわ」

「だろ?こいつの作る飯、何食っても全部美味いんだよ」


美味い、美味いと褒めちぎりながらがっつく2人に、まるで自分のことのように得意げに言った俺は、


「リヒトお前こんな美味い飯毎日食ってるとか羨ましすぎるわ」

「最近リヒトちょっと肉ついたなと思ってたけど、納得。そりゃこんな美味い飯毎日食ってたら肉もつくわ」


そう返されて、マジか、ちょっとダイエットしないとかな?と顎に手を宛て腹をさすり、真剣に考える羽目になった。

悪魔達は基本食事を摂らなくても生きていけるが、食べられないという訳でもなく、興味を持ったリアムとカイもピンチョスを摘んで美味い、と目を輝かせている。

一方で、皆から褒められたルカは照れてしまったのかちょっとモジモジしているのがまた可愛い。


「おれみたいな弱っちくて出来損ないの悪魔が使い魔としてリヒトの役に立つには、家事を頑張るぐらいしか思いつかなかったから。まぁ、全然まだまだだけどね」


などと、謙虚な事を言っているルカ。


「はぁ?こんな美味い飯作ったり、主の役に立とうと頑張ってきたヤツが出来損ないな訳ないだろ。むしろ出来過ぎだと思うけど?」


クオンの言葉に全員で頷くと、ルカはありがとう、と瞳を潤ませた。
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