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はじまり
ハジメテのお食事 ※
しおりを挟むずっと、疑問だった。
いくら命乞いをしたからとはいえ、それだけで助けてもらえたとは思えない。
「…え?そんなの決まってるでしょ。顔が好みだったから」
おれを祓わなかったのにはきっとなにか大きな理由があるはず、そう思って恐る恐る尋ねたというのに、返ってきたのは思いもよらなかった台詞。
淫魔のおれが襲う人間を選ぶのに顔が好みだったから、というのとはわけが違う。
祓魔師が悪魔を祓わなかった理由が、顔が好みだったから…?
そんなことが有り得るのだろうか。
でも、彼が嘘を言っているようには見えない。
顔が好みだった、たったそれだけの理由で、おれを助けた。
にわかには信じ難かったけれど、その後に彼が続けた言葉で漸く納得した。
彼曰く、自分は一応聖職者だから、表面上は清廉潔白を装わなくてはいけない。
でも本当は物凄く性欲が強くて、溜まって溜まって仕方なかったから、顔が好みの淫魔をそばに置いておけばいつでも好きな時に性欲処理できる。
…ということらしい。
つまり、おれは彼の性欲処理の道具としてそばに居ることを許され、命を助けられたのだ。
彼はいつでも好きな時におれを使って欲望を満たせるし、おれは彼の魔力を分け与えて貰うだけでなく、精液も注いでもらってより一層魔力を強めることができる。
なるほど、物凄く理にかなっているしこんなにうまい話はないと言うのに。
…何故だろう、また少し、心が痛んだ。
「…もう、お喋りはおしまい。そろそろ続きさせて?」
彼の指が、先程存在が判明したばかりのその器官にゆっくりと挿し込まれ、内側を擦られる。
それと同時に男性器の形をした器官を口に含まれねっとりと舌を絡められ、外もナカも気持ち良すぎて全身をビクビクと震わせながら喘ぎ、そのたびに身体の奥の方からとろみのある蜜が溢れ出すのを感じた。
「あっ、ぅ、んああ…っ♡」
「…どこもかしこも甘くて美味いね、お前は」
「やっ…、おれにも、はやく、せーえき、ちょーだい…」
「……っ、エロ。まぁ淫魔だから当たり前か。挿れるよ?」
ナカから指を抜き取り、掠れた声でそう告げた彼は、おれの小ぶりな男性器型の器官と違い、ボコボコと血管が浮き出て太さも長さもある自分の男性器を数回扱き、トロトロになったソコにゆっくりと挿入した。
身体がバラバラになりそうな、あまりにも強烈すぎる快感に、悲鳴にも似た声をあげて身悶える。
おれのソコは早く精液を搾り取ろうとキュウキュウと蠢き彼を締め付けていて、彼も気持ちいいのか眉間に皺を寄せて息を荒らげ、打ち付ける腰の動きが徐々に激しさを増していった。
「ぁーーっ♡あ、はぁ、んっ♡きもちいい、だめっ、なんか、でちゃう…っ」
「…んっ、いいよ、出しな?」
「っは、あ、あぁぁ…っ♡」
おれが男性器型のソコから体液を吐き出した直後。
リヒトの腰の動きが一段と激しくなり、グッと強く腰を押し付けられたと思った瞬間、熱い精液が胎内にドクドクと流れ込んできた。
「は、はぁっ、ぁ、ぁ…♡ん…おいしい…もっとぉ…♡」
口から摂取した訳じゃないのに身体中が甘く満たされる。
それはまるでご馳走を頬張った時のような感覚で、ついおかわりを強請るような台詞が口をついて出た。
「…だいぶ魔力戻ってきたみたいだね。さっき、きみからはフェロモンの匂いがしないって言ったけど、魔力が弱まってたせいだったのか…。今のルカ、なんだかすごく甘くて美味そうな匂いがする」
おれもまだまだ全然足りなかったけど、リヒトも一度ぐらいでは満足出来なかったらしく、淫魔相手にここまで興奮したのは初めてだと舌なめずりした彼に、その後二回精液を注ぎ込まれた。
気持ちよくて満たされるその行為を、できることならずっと続けていて欲しいと思うけど、それはいくら彼が術者とはいえ人間である以上無理な話で。
おれの中からクッタリとなった性器を抜き去ると、彼はおれの隣に横になった。
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