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初等部編
18.学食にて
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お父様、お母様、セバスや邸のみんな、いかがお過ごしですか?
俺は今メイル達に捕まっています。
そう、それは丁度昼食をオブシディアンと食べに学食に行こうとした時のこと。
待ち伏せしていたメイル達に見事捕まったのだ。
最近何故か待ち伏せされる。
この間の話し合いで結構キツイこと言ったから避けられると思ったのになー
あれれー?
「はぁ、またですか、殿下?」
ため息をつきながらメイルを見るとニコニコした笑顔でこちらを見ながら答える
「ああ。俺はバードナーと仲良くなりたいんだ、勿論ハーバーとも。」
オブシディアンはフルシカトしているので代わりに俺が答える
「別に無理して俺たちに関わらなくても良いですよ?」
「無理などしていないぞ?」
「はぁ、好きにしてください。」
なんだかんだメイルを冷たく突き放すことができない所がまだまだ甘いなと自分でも思う。
でもしょうがないじゃないか
メイルが笑ってるんだもん
それ以上に幸せなことってあるか?
いや、ないな。
「バードナーはオムライスが好きなのか?大体いつもそのメニューばかりだな」
「え、あぁ、そうですね。」
前世からの好物ですとは言えない。
「ハーバーはいつも肉だな。」
「......」
メイルに話しかけられてもシカトするオブシディアンにメイルが苦笑いをする
と、案の定キレる奴が一名。
「ハーバー!貴様メイル殿下が話しかけっ!」
「はい、キリエ、あなた少し黙りましょうね」
そう言ってキリエの口を押さえるアロナ。
「暴言...だめ。」
「キリエは相変わらずキレやすいな、俺は大丈夫だから落ち着きなさい。」
「ふんっ、くだらんな」
「まーまー、オブシディアンも煽るのはそのくらいにしてやんなよー?」
「イズリルがそう言うならそうしてやろう」
「ハーバーとバードナーは付き合いが長いのか?」
ブスッとしているキリエを宥め終えたメイルが俺に質問してくる
付き合い...ねぇ
「まぁ、長いと言えば長いんですかね」
ここは曖昧にしとくのが無難だな、だって付き合いなんてここ一、二年だし。
「そうなのか、だから二人はいつも一緒なのだな」
「殿下は友達はできましたか?」
ここは話を逸らそう
「俺か?そうだな、心から友達にとまではいかないな。やはり皆王族と懇意にしたいと言う考えが明け透けに見えていて話していて決して良い気分ではない。まぁ、これでも昔の境遇に比べれば贅沢な悩みなのだがな。」
そう言って悲しそうな顔をするメイル
「そうですか、ま、笑っていれば良いことあるんじゃないですか?」
そう言って元気づける。
メイルには笑顔が似合うからな。
最後の別れ方が涙だった分、笑っていてほしいと思ってしまうのは俺のわがままだろうか。
「笑っていれば...か?」
「ええ。いつかきっと幸せになれますよ。」
「そうか...バードナーはいつも何故だか懐かしいなと感じる時がふとあるんだ、何故だろうな、お前がそう言うならそうなのだろうと納得してしまう。」
やべ。
記憶が戻りつつあるのか?
「この学園に来て初めて会ったのですから初対面で間違い無いですよ」
ドキドキしながら平然を装う。
「そう...だよな。悪い、忘れてくれ。」
「はい、忘れました!」
「お話中すみません、メイル殿下、私も少しバードナーに話が」
おや、アロナか、珍しいどうしたのだろう
「実は次の魔法実技の授業にバードナーも参加して欲しいのです」
「嫌ですー」
俺はバッサリとアロナの話を切り捨てる
「そこを何とか!ロニーの話やキリエの父上である騎士団長の話を聞いてますます興味が出たのです。」
「僕も...魔法、見たい。」
「ウェイス殿が見たいのはわかるけど、何故シューサー殿も見たいの?」
「実は魔法が好きなのだけれども、あまり魔法の才に恵まれず...せっかくすごい魔法が使える術者が目の前にいるのにその実力を見られないなんてあんまりだと思いませんか?」
「いえ、全く思いません」
「魔石でも何でも好きなもの一つ差し上げますからこの通り!」
...魔石、だと?
「純度の高い魔石の用意はできるのー?」
そう答えるとアロナはぱぁっと顔を明るくして勿論ですと答えた。
「交渉成立だな、次の授業受けるから魔石の用意忘れないでくれよ」
「はい!」
「おお!バードナー次の授業出るのか、嬉しいな」
そう言ってニコニコと笑うメイル
ロニーも心なしか嬉しそうだ
キリエとオブシディアンは機嫌が悪そうだ
この二人意外と気が合うのでは?
まあ、そんなことは置いておいて。
次の授業の準備しないとだな
「オブシディアン、食べた?」
「ああ」
「じゃあ先に俺たちは戻ります、殿下」
「ああ、次の授業、楽しみにしているぞ」
「純度が高い魔石なら私が用意してやるものを...」
「ふんふーん、まあ良いじゃないかオブシディアン君!何でもオブシディアンに頼るのはダメだからね!」
「全部私に頼り切りになるのが良いのだがな」
「それじゃあ対等じゃないでしょ」
「イズリルはたまに訳のわからない事を言うな」
「いや、お前に比べたらはるかにましだぞ。」
俺は今メイル達に捕まっています。
そう、それは丁度昼食をオブシディアンと食べに学食に行こうとした時のこと。
待ち伏せしていたメイル達に見事捕まったのだ。
最近何故か待ち伏せされる。
この間の話し合いで結構キツイこと言ったから避けられると思ったのになー
あれれー?
「はぁ、またですか、殿下?」
ため息をつきながらメイルを見るとニコニコした笑顔でこちらを見ながら答える
「ああ。俺はバードナーと仲良くなりたいんだ、勿論ハーバーとも。」
オブシディアンはフルシカトしているので代わりに俺が答える
「別に無理して俺たちに関わらなくても良いですよ?」
「無理などしていないぞ?」
「はぁ、好きにしてください。」
なんだかんだメイルを冷たく突き放すことができない所がまだまだ甘いなと自分でも思う。
でもしょうがないじゃないか
メイルが笑ってるんだもん
それ以上に幸せなことってあるか?
いや、ないな。
「バードナーはオムライスが好きなのか?大体いつもそのメニューばかりだな」
「え、あぁ、そうですね。」
前世からの好物ですとは言えない。
「ハーバーはいつも肉だな。」
「......」
メイルに話しかけられてもシカトするオブシディアンにメイルが苦笑いをする
と、案の定キレる奴が一名。
「ハーバー!貴様メイル殿下が話しかけっ!」
「はい、キリエ、あなた少し黙りましょうね」
そう言ってキリエの口を押さえるアロナ。
「暴言...だめ。」
「キリエは相変わらずキレやすいな、俺は大丈夫だから落ち着きなさい。」
「ふんっ、くだらんな」
「まーまー、オブシディアンも煽るのはそのくらいにしてやんなよー?」
「イズリルがそう言うならそうしてやろう」
「ハーバーとバードナーは付き合いが長いのか?」
ブスッとしているキリエを宥め終えたメイルが俺に質問してくる
付き合い...ねぇ
「まぁ、長いと言えば長いんですかね」
ここは曖昧にしとくのが無難だな、だって付き合いなんてここ一、二年だし。
「そうなのか、だから二人はいつも一緒なのだな」
「殿下は友達はできましたか?」
ここは話を逸らそう
「俺か?そうだな、心から友達にとまではいかないな。やはり皆王族と懇意にしたいと言う考えが明け透けに見えていて話していて決して良い気分ではない。まぁ、これでも昔の境遇に比べれば贅沢な悩みなのだがな。」
そう言って悲しそうな顔をするメイル
「そうですか、ま、笑っていれば良いことあるんじゃないですか?」
そう言って元気づける。
メイルには笑顔が似合うからな。
最後の別れ方が涙だった分、笑っていてほしいと思ってしまうのは俺のわがままだろうか。
「笑っていれば...か?」
「ええ。いつかきっと幸せになれますよ。」
「そうか...バードナーはいつも何故だか懐かしいなと感じる時がふとあるんだ、何故だろうな、お前がそう言うならそうなのだろうと納得してしまう。」
やべ。
記憶が戻りつつあるのか?
「この学園に来て初めて会ったのですから初対面で間違い無いですよ」
ドキドキしながら平然を装う。
「そう...だよな。悪い、忘れてくれ。」
「はい、忘れました!」
「お話中すみません、メイル殿下、私も少しバードナーに話が」
おや、アロナか、珍しいどうしたのだろう
「実は次の魔法実技の授業にバードナーも参加して欲しいのです」
「嫌ですー」
俺はバッサリとアロナの話を切り捨てる
「そこを何とか!ロニーの話やキリエの父上である騎士団長の話を聞いてますます興味が出たのです。」
「僕も...魔法、見たい。」
「ウェイス殿が見たいのはわかるけど、何故シューサー殿も見たいの?」
「実は魔法が好きなのだけれども、あまり魔法の才に恵まれず...せっかくすごい魔法が使える術者が目の前にいるのにその実力を見られないなんてあんまりだと思いませんか?」
「いえ、全く思いません」
「魔石でも何でも好きなもの一つ差し上げますからこの通り!」
...魔石、だと?
「純度の高い魔石の用意はできるのー?」
そう答えるとアロナはぱぁっと顔を明るくして勿論ですと答えた。
「交渉成立だな、次の授業受けるから魔石の用意忘れないでくれよ」
「はい!」
「おお!バードナー次の授業出るのか、嬉しいな」
そう言ってニコニコと笑うメイル
ロニーも心なしか嬉しそうだ
キリエとオブシディアンは機嫌が悪そうだ
この二人意外と気が合うのでは?
まあ、そんなことは置いておいて。
次の授業の準備しないとだな
「オブシディアン、食べた?」
「ああ」
「じゃあ先に俺たちは戻ります、殿下」
「ああ、次の授業、楽しみにしているぞ」
「純度が高い魔石なら私が用意してやるものを...」
「ふんふーん、まあ良いじゃないかオブシディアン君!何でもオブシディアンに頼るのはダメだからね!」
「全部私に頼り切りになるのが良いのだがな」
「それじゃあ対等じゃないでしょ」
「イズリルはたまに訳のわからない事を言うな」
「いや、お前に比べたらはるかにましだぞ。」
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