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三章
40.ブラックホーン
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「ブラックホーンです!魔法は効きません!物理攻撃は効きますが回復力が異常に高い個体です!」
「ブラックホーン!?流石レベルB区域...ですね、それに何やら厄介な能力もあるようで。ナダル!私は殿下の所にいます!後ろは気にせず存分に暴れて下さい!」
「分かった!殿下を頼むぞタジェ!」
「攻撃が来ます!」
そう俺が叫んだ瞬間、ブラックホーンが衝撃波を放ってきた。
騎士団の何人かかがその衝撃波で吹っ飛んだみたいだ
チラリと後ろを見ると息はあるが全身骨折や骨にヒビが入ったりしていそうな酷い怪我だ。
魔術師団長が回復魔法を使っているのでまぁ問題ないだろう
そう考え事をしているとブラックホーンが俺の方へと突進してきた。
俺はタンッとその場を軽く飛んで宙返りをすると同時に愛用のナイフを2本交差させてブラックホーンの喉元をざっくりと切り裂いた。
ドバッとその場にブラックホーンの血が流れたがすぐに回復をした。
チッ、傷が浅かったか。
それならばとブラックホーンの背中に着地すると首を切り落とす勢いで更に攻撃を加える。
すると先程よりダメージが入ったようで血を流しながらも回復するスピードは段違いにおちている。
するとブラックホーンの体が急激に熱くなり、エネルギーを貯めているのがわかる。
バッとブラックホーンの背中を離れてレビアのところに戻ると俺は皆んなに指示を出す
「また先程の衝撃波が来ます!」
「ブオォォォォォ!!!」
カッ!とブラックホーンの体が光ると次の瞬間には衝撃波が放たれ木々を薙ぎ倒した。
「今のうちに攻撃を!暫くは衝撃波を放てません!とにかく出血させ続けて下さい!」
「お前達!リョカ先生にばかりいいところ持って行かれているぞ!それでも騎士団か!」
騎士団長の言葉に先程まで固まっていた騎士団員たちがハッと我に帰り、顔を引き締め攻撃に転じる。
うおぉぉぉっ!という騎士団長の叫びに釣られて騎士団員達も後に続いて攻撃を続ける。
「さて、レビア、俺たちも行こう」
「うんー、りょーかーいっ」
俺とレビアは顔を見合わせて頷くとブラックホーンの攻撃に加わった
騎士団長達は体を中心に、俺とレビアが首あたりを中心に攻撃をする。
しかしこのブラックホーン...硬い!
刃こぼれはしてないから良いけど、このままだと騎士団の武器はそろそろ...
バキンッ!
「クッ!武器が!!」
「武器がダメになったやつは今すぐ後方に下がれ!」
「すみません!団長!」
...やっぱりか、こんな硬い魔物相手だと武器の使い方が重要になってくる
武器が駄目になるのは目に見えてた。
そうやって時間が経つにつれてどんどん武器が駄目になっていく人が続出してついに俺とレビアと騎士団長だけが残った。
あ、あと魔術師団長とコール殿下も残ってる
「タジェ!来い!お前も参加しろ!」
「はいはい、では殿下も参加しましょう。大丈夫そうですか?」
「ああ、私も守られるばかりは性に合わないからな。」
ほぅ、第一王子も戦うのか。
まあ危なくなったら守れば良い、何も問題はない
「衝撃波がくるタイミングは私が伝えます!それまではとにかく攻撃する手をやめないで下さい!」
そう言いながら俺はザシュッとブラックホーンに斬撃を放つ。
「それでは私から先に攻撃させていただきます!」
すると今まで使っていた剣が消え、その手には大剣が握られていた。
....え?
あの細腕であんな大剣持つの?
するとその大剣を片手で振り回し出した
「フフフッ、久々の強敵!ああ!血がたぎりますねぇ!!」
...キャラ変わってないか?
「魔法が効かないんですよね!?物理攻撃は効くけど回復力が尋常じゃないと!ではこの攻撃はいかがですか!?」
そう叫んで一人ブラックホーンに突っ込んで行った魔術師団長。
大剣を振りかぶった瞬間、ブラックホーンの右前脚が吹っ飛んだ。
...え?
「なんだ、身体強化なんてしなくても全然切れちゃうじゃないですか!フハハハハッ!楽しいですねぇ、ブラックホーン!!」
なんかもう魔術師団長だけで倒せるんじゃないかこれ?
まぁ身体強化を使えば俺もあのくらいはできるかもしれないけど...
騎士団長が物理も強いと言っていたけど成程、確かにこれは凄い。
「いいですか、殿下!こういった体が硬い魔物は武器の扱いに注意さえしていれば体力が続く限り何時間だって戦えることができます!リョカ先生やユリアシス先生、そしてナダルの様にね!」
「分かった!タジェがいつも魔術の授業の前に走り込みをさせていたのはこう言った時のためだったのか!」
いや、絶対に違うと思う。
「ああ、殿下がどんどんタジェの様な脳筋魔術師に染まっていっている、なんと嘆かわしい」
...大変そうだな、騎士団長。
「殿下、関節などの柔らかいところを切りつけていって下さい!リョカ先生がどうして攻撃の手を止めるなと言っているのかは分かりますか?」
そう言ってまるで授業かの様に殿下に話しかける魔術師団長。
「おそらく魔物の体力や再生を少しでも遅らせるため!あと出血死を狙っている!合っているか!?」
そう言いながらも第一王子は攻撃の手をやめない
「正解です!殿下!」
「衝撃波が来ます!」
息も絶え絶えなブラックホーンが最後の力を振り絞って衝撃波を放つ
...魔術師団長の方に。
一応声かけとこうか
「魔術師団長!大丈夫ですか!?」
「フハッ、のぞむところですよ!」
そう言って大剣を構えると魔術師団長に向かって衝撃波が襲う。
ズバッ!!
衝撃波を大剣の風圧で斬った。
...うん、分かってた。こんなふうになるかなーって。
「さぁ!死に損ないのクソ野郎!大人しく眠りにつきなさい!!」
ズガンッ!!!
ズンっ!
ブラックホーンの首が胴体とサヨナラした。
え、もうこの人騎士団にでも入った方が良いんじゃない?
これで身体強化も補助魔法も使ってないのが凄い。
素の身体能力でこれか。
「魔術師団長!お怪我はありませんか?」
一応聞いておこう
「大丈夫ですよ、リョカ先生。ありがとうございます」
にこりと笑う姿は先程の戦闘狂みたいな姿とはかけ離れている。
かけ離れているが、何はともあれブラックホーン討伐完了。
「ブラックホーン!?流石レベルB区域...ですね、それに何やら厄介な能力もあるようで。ナダル!私は殿下の所にいます!後ろは気にせず存分に暴れて下さい!」
「分かった!殿下を頼むぞタジェ!」
「攻撃が来ます!」
そう俺が叫んだ瞬間、ブラックホーンが衝撃波を放ってきた。
騎士団の何人かかがその衝撃波で吹っ飛んだみたいだ
チラリと後ろを見ると息はあるが全身骨折や骨にヒビが入ったりしていそうな酷い怪我だ。
魔術師団長が回復魔法を使っているのでまぁ問題ないだろう
そう考え事をしているとブラックホーンが俺の方へと突進してきた。
俺はタンッとその場を軽く飛んで宙返りをすると同時に愛用のナイフを2本交差させてブラックホーンの喉元をざっくりと切り裂いた。
ドバッとその場にブラックホーンの血が流れたがすぐに回復をした。
チッ、傷が浅かったか。
それならばとブラックホーンの背中に着地すると首を切り落とす勢いで更に攻撃を加える。
すると先程よりダメージが入ったようで血を流しながらも回復するスピードは段違いにおちている。
するとブラックホーンの体が急激に熱くなり、エネルギーを貯めているのがわかる。
バッとブラックホーンの背中を離れてレビアのところに戻ると俺は皆んなに指示を出す
「また先程の衝撃波が来ます!」
「ブオォォォォォ!!!」
カッ!とブラックホーンの体が光ると次の瞬間には衝撃波が放たれ木々を薙ぎ倒した。
「今のうちに攻撃を!暫くは衝撃波を放てません!とにかく出血させ続けて下さい!」
「お前達!リョカ先生にばかりいいところ持って行かれているぞ!それでも騎士団か!」
騎士団長の言葉に先程まで固まっていた騎士団員たちがハッと我に帰り、顔を引き締め攻撃に転じる。
うおぉぉぉっ!という騎士団長の叫びに釣られて騎士団員達も後に続いて攻撃を続ける。
「さて、レビア、俺たちも行こう」
「うんー、りょーかーいっ」
俺とレビアは顔を見合わせて頷くとブラックホーンの攻撃に加わった
騎士団長達は体を中心に、俺とレビアが首あたりを中心に攻撃をする。
しかしこのブラックホーン...硬い!
刃こぼれはしてないから良いけど、このままだと騎士団の武器はそろそろ...
バキンッ!
「クッ!武器が!!」
「武器がダメになったやつは今すぐ後方に下がれ!」
「すみません!団長!」
...やっぱりか、こんな硬い魔物相手だと武器の使い方が重要になってくる
武器が駄目になるのは目に見えてた。
そうやって時間が経つにつれてどんどん武器が駄目になっていく人が続出してついに俺とレビアと騎士団長だけが残った。
あ、あと魔術師団長とコール殿下も残ってる
「タジェ!来い!お前も参加しろ!」
「はいはい、では殿下も参加しましょう。大丈夫そうですか?」
「ああ、私も守られるばかりは性に合わないからな。」
ほぅ、第一王子も戦うのか。
まあ危なくなったら守れば良い、何も問題はない
「衝撃波がくるタイミングは私が伝えます!それまではとにかく攻撃する手をやめないで下さい!」
そう言いながら俺はザシュッとブラックホーンに斬撃を放つ。
「それでは私から先に攻撃させていただきます!」
すると今まで使っていた剣が消え、その手には大剣が握られていた。
....え?
あの細腕であんな大剣持つの?
するとその大剣を片手で振り回し出した
「フフフッ、久々の強敵!ああ!血がたぎりますねぇ!!」
...キャラ変わってないか?
「魔法が効かないんですよね!?物理攻撃は効くけど回復力が尋常じゃないと!ではこの攻撃はいかがですか!?」
そう叫んで一人ブラックホーンに突っ込んで行った魔術師団長。
大剣を振りかぶった瞬間、ブラックホーンの右前脚が吹っ飛んだ。
...え?
「なんだ、身体強化なんてしなくても全然切れちゃうじゃないですか!フハハハハッ!楽しいですねぇ、ブラックホーン!!」
なんかもう魔術師団長だけで倒せるんじゃないかこれ?
まぁ身体強化を使えば俺もあのくらいはできるかもしれないけど...
騎士団長が物理も強いと言っていたけど成程、確かにこれは凄い。
「いいですか、殿下!こういった体が硬い魔物は武器の扱いに注意さえしていれば体力が続く限り何時間だって戦えることができます!リョカ先生やユリアシス先生、そしてナダルの様にね!」
「分かった!タジェがいつも魔術の授業の前に走り込みをさせていたのはこう言った時のためだったのか!」
いや、絶対に違うと思う。
「ああ、殿下がどんどんタジェの様な脳筋魔術師に染まっていっている、なんと嘆かわしい」
...大変そうだな、騎士団長。
「殿下、関節などの柔らかいところを切りつけていって下さい!リョカ先生がどうして攻撃の手を止めるなと言っているのかは分かりますか?」
そう言ってまるで授業かの様に殿下に話しかける魔術師団長。
「おそらく魔物の体力や再生を少しでも遅らせるため!あと出血死を狙っている!合っているか!?」
そう言いながらも第一王子は攻撃の手をやめない
「正解です!殿下!」
「衝撃波が来ます!」
息も絶え絶えなブラックホーンが最後の力を振り絞って衝撃波を放つ
...魔術師団長の方に。
一応声かけとこうか
「魔術師団長!大丈夫ですか!?」
「フハッ、のぞむところですよ!」
そう言って大剣を構えると魔術師団長に向かって衝撃波が襲う。
ズバッ!!
衝撃波を大剣の風圧で斬った。
...うん、分かってた。こんなふうになるかなーって。
「さぁ!死に損ないのクソ野郎!大人しく眠りにつきなさい!!」
ズガンッ!!!
ズンっ!
ブラックホーンの首が胴体とサヨナラした。
え、もうこの人騎士団にでも入った方が良いんじゃない?
これで身体強化も補助魔法も使ってないのが凄い。
素の身体能力でこれか。
「魔術師団長!お怪我はありませんか?」
一応聞いておこう
「大丈夫ですよ、リョカ先生。ありがとうございます」
にこりと笑う姿は先程の戦闘狂みたいな姿とはかけ離れている。
かけ離れているが、何はともあれブラックホーン討伐完了。
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