35 / 43
二章
33.種明かし
しおりを挟む
今この演習場はカオスだ
原因は主に第二王子ら攻略対象者にかかっていた魅了魔法を解いたから。
俺が説明したら余計にこの場がややこしくなるのでここはレビアに任せよう
「簡単に説明すればー、そこに居る神子の成瀬君がかけた魅了魔法をリョカ先生が解いてくれたって感じですー。」
レビアがそう言うとザワッとその場がざわついた
「なっ!魅了魔法!?」
レビアの言葉に第二王子含む攻略対象者の面々が顔を真っ青にする
そしてみんなの視線が成瀬に向いた
「ぼ、僕は何もしてない!ただレーリア君やヘラルド君、ジュード君やミール君と仲良くなろうとしただけでっ!」
「まあ、意図的に魅了魔法を使ったわけではないみたいですけどねー」
「ユリアシス先生、それは一体どう言う事ですか?」
「アロール君達と仲良くしたいって想いがそのまま魅了魔法という形で現れ、無意識に魔法を使っていたみたいですねー」
「ユリアシス先生、それでは今までのレーリア殿下達の言動は全て魅了魔法にかかってしまったが故の...と言う事でしょうか?」
「その認識であってますよー、ロゼッタ嬢。いやー、それにしてもリョカ先生がいなければ今頃アロール君達はもっと取り返しのつかないところまでいってしまっていたかもしれませんねー、リョカ先生に感謝する様にー。」
その言葉を聞いた第二王子含む攻略対象者達は俺に向かって頭を下げた
「リョカ先生、貴方がいなければ私はロゼッタ嬢に取り返しのつかない程酷い言動をとっていたかもしれません。初日にとった非礼も含め謝罪致します。」
第二王子がそう言うのにならい、他の3人も謝罪の言葉を述べた
その光景を只々呆然と立ち尽くして見ている成瀬
なんでこんな事に...などとブツブツと呟いていて正直不気味だ。
するとやはり俺の方を向いてキッと睨みつけながらやれモブのくせにとかお前さえいなければとかそもそもゲームでは存在もしてなかったくせにとかまぁ滅茶苦茶な事を俺の胸ぐらを掴んで怒鳴り散らしながら言ってきた
その光景を生徒全員がかなり引いて見ている。
引いていると言うかむしろ怖がっている
成瀬の形相が半端なく怖い事になっているのだ。
第二王子も成瀬の豹変っぷりに驚いたのかさりげなくロゼッタ嬢を庇う様に後ろに隠している
「もう少しで!もう少しでハーレムエンドだったのに!どうして僕の邪魔をするんだよ!僕だって少しは愛されてもいいじゃないか!!だって元の世界では僕は誰からも必要とされず愛されもしなかった!なのにっ、なのに!ずるいずるいずるい!レーリア君も、他のみんなも僕を愛してるって言ってくれたじゃないか!1番だって言ってくれたじゃないか!どうしてっ!」
うわぁ、こいつはヤバいな、気持ち悪い。
レビアも表情が死んでる
「それを俺に言われても困るな、元の世界で君がどんな人生を歩んでいたのかは知らないが魅了魔法で操った人の心を得たところで虚しいだけなのでは?」
「っ!お前に!モブのお前なんかに何が分かるんだ!」
そう言って俺を殴ろうとする成瀬
その拳をパシッと止めたのはレビアだった
「もー、被害妄想も大概にしてよねー、それにリョカ先生に傷でもつけてみなよー、...殺しちゃうから」
最後の言葉は成瀬にしか聞こえない様にボソリと低い声で呟いたみたいだった
軽い殺気に当てられたせいか成瀬は心なしか顔色を悪くさせ、俺の胸ぐらを掴んでいた手を離した。
チッ、軽くしわになってる
生徒達は成瀬の狂気的な感情を目の当たりにしたからか早くこの場から去りたいと言う気持ちがひしひしと伝わってくる
「レビア先生、取り敢えずこのまま授業続行はできないだろう、まずは生徒達を解散させて関係者だけ残しましょう」
「そうだねー、皆んなは今日は解散と言う事でー。因みに今日この場で見て聞いた事は外部に漏らさない様にしてくださーい、処罰の対象にはなりたくないですよねー?」
そう言って笑いながら脅すレビア
生徒達はそんなレビアに息を呑むと慌てて演習場を出て行った
そしてここに残ったのは魂が抜けたかの様に地面に座り込んでブツブツと呪詛みたいな言葉を呟いている成瀬と第二王子とその婚約者のロゼッタ嬢、あとは3人の攻略対象者だ。
皆んなどうしたらいいのか分からないみたいでおろおろとしている。
「リョカー、もう先生ごっこはいいよー、取り敢えず俺この学園にいる第一王子呼んでくるからこの場の監視頼んでもいいー?」
「まかせろ!」
「じゃあお願いねー、いってきまーす」
そういってこの演習場を後にするレビア
「...リョカ先生、私達は貴方のおかげで目を覚ますことができました、心からの謝罪と感謝を」
「ありがとうございます、リョカ先生」
「ありがとうございます、本当に感謝致しますリョカ先生」
宰相の息子のミール・ブランから順に騎士団長の息子のヘラルド・ラシータ、そして魔術師団長の息子のジュード・マジスターが頭を下げてきた。
「あー、まあ、レビア先生にもちゃんと後で謝罪して感謝を述べるように。もう少ししたら戻ってくると思うから。」
「「「はいっ」」」
「リョカー、ただいまー」
「兄上...」
「やあ、レーリア、やっと正気に戻ったと聞いて安心したよ」
成る程、この人が第一王子
「リョカ先生、初めまして。私はコール・アロール、この国の第一王子だ」
原因は主に第二王子ら攻略対象者にかかっていた魅了魔法を解いたから。
俺が説明したら余計にこの場がややこしくなるのでここはレビアに任せよう
「簡単に説明すればー、そこに居る神子の成瀬君がかけた魅了魔法をリョカ先生が解いてくれたって感じですー。」
レビアがそう言うとザワッとその場がざわついた
「なっ!魅了魔法!?」
レビアの言葉に第二王子含む攻略対象者の面々が顔を真っ青にする
そしてみんなの視線が成瀬に向いた
「ぼ、僕は何もしてない!ただレーリア君やヘラルド君、ジュード君やミール君と仲良くなろうとしただけでっ!」
「まあ、意図的に魅了魔法を使ったわけではないみたいですけどねー」
「ユリアシス先生、それは一体どう言う事ですか?」
「アロール君達と仲良くしたいって想いがそのまま魅了魔法という形で現れ、無意識に魔法を使っていたみたいですねー」
「ユリアシス先生、それでは今までのレーリア殿下達の言動は全て魅了魔法にかかってしまったが故の...と言う事でしょうか?」
「その認識であってますよー、ロゼッタ嬢。いやー、それにしてもリョカ先生がいなければ今頃アロール君達はもっと取り返しのつかないところまでいってしまっていたかもしれませんねー、リョカ先生に感謝する様にー。」
その言葉を聞いた第二王子含む攻略対象者達は俺に向かって頭を下げた
「リョカ先生、貴方がいなければ私はロゼッタ嬢に取り返しのつかない程酷い言動をとっていたかもしれません。初日にとった非礼も含め謝罪致します。」
第二王子がそう言うのにならい、他の3人も謝罪の言葉を述べた
その光景を只々呆然と立ち尽くして見ている成瀬
なんでこんな事に...などとブツブツと呟いていて正直不気味だ。
するとやはり俺の方を向いてキッと睨みつけながらやれモブのくせにとかお前さえいなければとかそもそもゲームでは存在もしてなかったくせにとかまぁ滅茶苦茶な事を俺の胸ぐらを掴んで怒鳴り散らしながら言ってきた
その光景を生徒全員がかなり引いて見ている。
引いていると言うかむしろ怖がっている
成瀬の形相が半端なく怖い事になっているのだ。
第二王子も成瀬の豹変っぷりに驚いたのかさりげなくロゼッタ嬢を庇う様に後ろに隠している
「もう少しで!もう少しでハーレムエンドだったのに!どうして僕の邪魔をするんだよ!僕だって少しは愛されてもいいじゃないか!!だって元の世界では僕は誰からも必要とされず愛されもしなかった!なのにっ、なのに!ずるいずるいずるい!レーリア君も、他のみんなも僕を愛してるって言ってくれたじゃないか!1番だって言ってくれたじゃないか!どうしてっ!」
うわぁ、こいつはヤバいな、気持ち悪い。
レビアも表情が死んでる
「それを俺に言われても困るな、元の世界で君がどんな人生を歩んでいたのかは知らないが魅了魔法で操った人の心を得たところで虚しいだけなのでは?」
「っ!お前に!モブのお前なんかに何が分かるんだ!」
そう言って俺を殴ろうとする成瀬
その拳をパシッと止めたのはレビアだった
「もー、被害妄想も大概にしてよねー、それにリョカ先生に傷でもつけてみなよー、...殺しちゃうから」
最後の言葉は成瀬にしか聞こえない様にボソリと低い声で呟いたみたいだった
軽い殺気に当てられたせいか成瀬は心なしか顔色を悪くさせ、俺の胸ぐらを掴んでいた手を離した。
チッ、軽くしわになってる
生徒達は成瀬の狂気的な感情を目の当たりにしたからか早くこの場から去りたいと言う気持ちがひしひしと伝わってくる
「レビア先生、取り敢えずこのまま授業続行はできないだろう、まずは生徒達を解散させて関係者だけ残しましょう」
「そうだねー、皆んなは今日は解散と言う事でー。因みに今日この場で見て聞いた事は外部に漏らさない様にしてくださーい、処罰の対象にはなりたくないですよねー?」
そう言って笑いながら脅すレビア
生徒達はそんなレビアに息を呑むと慌てて演習場を出て行った
そしてここに残ったのは魂が抜けたかの様に地面に座り込んでブツブツと呪詛みたいな言葉を呟いている成瀬と第二王子とその婚約者のロゼッタ嬢、あとは3人の攻略対象者だ。
皆んなどうしたらいいのか分からないみたいでおろおろとしている。
「リョカー、もう先生ごっこはいいよー、取り敢えず俺この学園にいる第一王子呼んでくるからこの場の監視頼んでもいいー?」
「まかせろ!」
「じゃあお願いねー、いってきまーす」
そういってこの演習場を後にするレビア
「...リョカ先生、私達は貴方のおかげで目を覚ますことができました、心からの謝罪と感謝を」
「ありがとうございます、リョカ先生」
「ありがとうございます、本当に感謝致しますリョカ先生」
宰相の息子のミール・ブランから順に騎士団長の息子のヘラルド・ラシータ、そして魔術師団長の息子のジュード・マジスターが頭を下げてきた。
「あー、まあ、レビア先生にもちゃんと後で謝罪して感謝を述べるように。もう少ししたら戻ってくると思うから。」
「「「はいっ」」」
「リョカー、ただいまー」
「兄上...」
「やあ、レーリア、やっと正気に戻ったと聞いて安心したよ」
成る程、この人が第一王子
「リョカ先生、初めまして。私はコール・アロール、この国の第一王子だ」
331
お気に入りに追加
774
あなたにおすすめの小説
迷子の僕の異世界生活
クローナ
BL
高校を卒業と同時に長年暮らした養護施設を出て働き始めて半年。18歳の桜木冬夜は休日に買い物に出たはずなのに突然異世界へ迷い込んでしまった。
通りかかった子供に助けられついていった先は人手不足の宿屋で、衣食住を求め臨時で働く事になった。
その宿屋で出逢ったのは冒険者のクラウス。
冒険者を辞めて騎士に復帰すると言うクラウスに誘われ仕事を求め一緒に王都へ向かい今度は馴染み深い孤児院で働く事に。
神様からの啓示もなく、なぜ自分が迷い込んだのか理由もわからないまま周りの人に助けられながら異世界で幸せになるお話です。
2022,04,02 第二部を始めることに加え読みやすくなればと第一部に章を追加しました。
ヤンデレ化していた幼稚園ぶりの友人に食べられました
ミルク珈琲
BL
幼稚園の頃ずっと後ろを着いてきて、泣き虫だった男の子がいた。
「優ちゃんは絶対に僕のものにする♡」
ストーリーを分かりやすくするために少しだけ変更させて頂きましたm(_ _)m
・洸sideも投稿させて頂く予定です
天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します
バナナ男さん
BL
享年59歳、ハッピーエンドで人生の幕を閉じた大樹は、生前の善行から神様の幹部候補に選ばれたがそれを断りあの世に行く事を望んだ。
しかし自分の人生を変えてくれた「アルバード英雄記」がこれから起こる未来を綴った予言書であった事を知り、その本の主人公である呪われた英雄<レオンハルト>を助けたいと望むも、運命を変えることはできないときっぱり告げられてしまう。
しかしそれでも自分なりのハッピーエンドを目指すと誓い転生───しかし平凡の代名詞である大樹が転生したのは平凡な平民ではなく……?
少年マンガとBLの半々の作品が読みたくてコツコツ書いていたら物凄い量になってしまったため投稿してみることにしました。
(後に)美形の英雄 ✕ (中身おじいちゃん)平凡、攻ヤンデレ注意です。
文章を書くことに関して素人ですので、変な言い回しや文章はソッと目を滑らして頂けると幸いです。
また歴史的な知識や出てくる施設などの設定も作者の無知ゆえの全てファンタジーのものだと思って下さい。
美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました
SEKISUI
BL
ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた
見た目は勝ち組
中身は社畜
斜めな思考の持ち主
なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う
そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される
転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!
めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。
ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。
兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。
義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!?
このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。
※タイトル変更(2024/11/27)
言い逃げしたら5年後捕まった件について。
なるせ
BL
「ずっと、好きだよ。」
…長年ずっと一緒にいた幼馴染に告白をした。
もちろん、アイツがオレをそういう目で見てないのは百も承知だし、返事なんて求めてない。
ただ、これからはもう一緒にいないから…想いを伝えるぐらい、許してくれ。
そう思って告白したのが高校三年生の最後の登校日。……あれから5年経ったんだけど…
なんでアイツに馬乗りにされてるわけ!?
ーーーーー
美形×平凡っていいですよね、、、、
完結·助けた犬は騎士団長でした
禅
BL
母を亡くしたクレムは王都を見下ろす丘の森に一人で暮らしていた。
ある日、森の中で傷を負った犬を見つけて介抱する。犬との生活は穏やかで温かく、クレムの孤独を癒していった。
しかし、犬は突然いなくなり、ふたたび孤独な日々に寂しさを覚えていると、城から迎えが現れた。
強引に連れて行かれた王城でクレムの出生の秘密が明かされ……
※完結まで毎日投稿します
真面目系委員長の同室は王道転校生⁉~王道受けの横で適度に巻き込まれて行きます~
シキ
BL
全寮制学園モノBL。
倉科誠は真面目で平凡な目立たない学級委員長だった。そう、だった。季節外れの王道転入生が来るまでは……。
倉科の通う私立藤咲学園は山奥に位置する全寮制男子高校だ。外界と隔絶されたそこでは美形生徒が信奉され、親衛隊が作られ、生徒会には俺様会長やクール系副会長が在籍する王道学園と呼ぶに相応しいであろう場所。そんな学園に一人の転入生がやってくる。破天荒な美少年の彼を中心に巻き起こる騒動に同室・同クラスな委員長も巻き込まれていき……?
真面目で平凡()な学級委員長が王道転入生くんに巻き込まれ何だかんだ総受けする青春系ラブストーリー。
一部固定CP(副会長×王道転入生)もいつつ、基本は主人公総受けです。
こちらは個人サイトで数年前に連載していて、途中だったお話です。
今度こそ完走させてあげたいと思いたってこちらで加筆修正して再連載させていただいています。
当時の企画で書いた番外編なども掲載させていただきますが、生暖かく見守ってください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる