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二章

32.闇魔法で出来ること

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神子の暗殺依頼か...

「あの成瀬って言うガキ相当恨まれてそうだもんなー」

「そんなに酷いの?リョカ」

「ああ、今の状況は分からないけど、俺が最初会った時は敵意と嫉妬むき出しにしてた。レビアと親しげに話をしてるのが気に食わなかったんだろ、レビアには媚びた感じだったし。な、レビア」

「うんー、そうだねぇ、なんかもう第一印象が気持ち悪いだったよー」

「ふぅーん、厄介なのに好かれたんだな、レビアは」

そう言ってニヤニヤと笑うスイ

そんなスイを見てレビアは顔をしかめる。

「代わってくれてもいいよー?」

「いやいや、遠慮しておくよ、そんな大切な役割俺には荷が重いからな」

またレビアとスイがバチバチと火花を散らしている

「それより、さっきレビア闇属性の俺なら魅了系の魔法を解けるかもって言ってたじゃん?そんな事が闇属性で出来るのか?」

「そうだよー、解呪の魔法を使えばねー」

「なんかそう言うのって光属性の分野っぽいけど闇属性でも本当に出来るの?」

「リョカが闇属性で回復魔法を使ったでしょー?あれの上位の魔法だからできるよー。まぁ、普通の人は出来ないけどねー」

「え?俺しか闇属性での回復魔法は使えないの?」

「そーだよー、そもそも闇属性の魔法はいまだに解明できてない事が多いからねー」

ああ、確かにアロール王国図書館でも闇魔法についてはそんなに本がなくて、全部抽象的なやつばかりだったからなぁ。

「もし、その解呪の魔法を使うってなったらいつがいいと思う?レビア」

「んー、まぁ、俺の授業中だったら体に触れても怪しまれないから使うならその時かにゃー」

そう言い終わるとレビアがケーキが食べたいと言い出したので取り敢えず3人分のケーキをインベントリから取り出してお茶する事にした

「今日はザッハトルテだ!さぁ食え!」

「リョカのザッハトルテ久しぶりだなぁ、ありがとうリョカ」

「わーい、リョカのザッハトルテー!」

二人とも美味しそうに食べてくれるので作り甲斐がある

「レビア」

「んー?なぁにリョカー」

「次レビアが学園で授業する時また俺を助手として連れて行ってくれないか?」

「んー、そのつもりー、ちょっともう神子に教えたりするのは面倒臭いからねぇー」

「あれから上達したのか?」

「すると思うー?」

「いや、思わないかも」

「でしょー?無理無理ー、早速明日の授業来るー?」

「そうだね、行こうかな」

「面白そうだから俺も行きたいなぁ」

「スイはダメ!神子に顔バレしてるんだから!」

「あー、やっぱりー?」

「当たり前だろ!」

「じゃあ明日の朝俺がまたリョカを迎えに来るねー」

「ああ、レビアいつもありがとな!」

「いえいえー、じゃあ今日はもう帰るねー」

「うん、また明日!」

「バイバーイ」

そう言って扉から出ていくレビアをスイと一緒に見送った。













「またあんたなの?僕はレビア先生に」

「私語は慎むように、それとレビア先生の事はユリアシス先生と呼ぶ様に言われたはず。」

「あんたはレビア先生の事名前で呼んでるじゃん、モブのくせに」

「...モブが何かは知らないがこれ以上は減点対象になります」

すると第二王子や取り巻きの攻略対象者、騎士団長や魔術師団長、宰相の息子が成瀬をかばう。

だが、前回俺がレビアの助手として出た時の授業でコテンパンにした第二王子だけは俺に対してやや逃げ腰だ

そして成瀬から伸びている魔力は攻略対象者全員に絡みついていてちょっと気持ち悪い

この魅了魔法を解いたらみんなどんな顔をするのだろうか

取り敢えずやってみるか

まずは第二王子から

「レーリア・アロール、剣の持ち方があまい。もっとそう、その調子で」

そう言って手元を触る

そして無詠唱で解呪の魔法を使う

よし、絡みついていた魔力が取れた!

「あ...れ?俺...今まで何をっ」

そう言って顔を青ざめる第二王子

呆然と立ち尽くす姿を見て成瀬が第二王子に近づき心配そうに声をかける

よし、その間に他の攻略対象者を一気に解呪の魔法で目を覚まさせますか!

他の3人の背中を順番に触っていき解呪していく

すると第二王子同様絡みついていた魔力がなくなり、呆然としていた。

「レーリア君?どうしたの??」

そう言って腕を絡めようとする成瀬

パシッ!

「私に気安く触るな」

「は?...え?」

「私は、私はなんて事を...ロゼッタ!ロゼッタ嬢!」

そう言って取り乱しながらロゼッタ嬢を探す第二王子

すると第二王子の婚約者である公爵令嬢のロゼッタ嬢が第二王子の方へと歩いてきた

「レーリア殿下...?」

「ああっ!ロゼッタ嬢!私は貴方になんて酷い事をっ、謝って済む問題ではないが謝らせてくれないか、今まで君を蔑ろにして申し訳なかった!」

「レーリア殿下...ようやく、今までの殿下に戻ってくださったのですね、わたくし、ずっと不安で...」

そう言って泣き出すロゼッタ嬢

そしてそのロゼッタ嬢をギュッと抱きしめる第二王子

「ああ、泣かないでくれ、ロゼッタ嬢!」

成瀬は今目の前で起こっている出来事が信じられないと言う感じで目を見開いている

「リョカ先生ー、上手くいったみたいで良かったねぇー」

「ええ、本当に」

その言葉を聞いた成瀬が俺をキッと睨みつけ声を荒げる

「アンタが何かしたの!?」

おー、怖い怖い

「ユリアシス先生、リョカ先生、これは一体どう言う事ですか?」

ロゼッタ嬢を抱きしめながら俺とレビアに問いかけてくる第二王子

さて、種明かしの時間だ






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