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二章
28.沢山話そう
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「俺が今どうやって金を稼いでいるかと言うと、闇ギルドの掲示板に賞金首の常設依頼があるから闇ギルドには所属せずその賞金首の依頼を受けて金を稼いでいるんだ、あと最近始めたレビアの昼の仕事の助手ね」
「レビアって誰?」
「レビアは闇ギルドのトップ後さっきのギャルとデリーは闇ギルドの幹部」
「そのさっきから言ってる闇ギルドって?」
「んー、ざっくり言えば表に出せない依頼を受ける集団?例えば暗殺とか俺達が日本で所属していた所と似た様なものだな」
「成る程」
「何回か賞金首の暗殺依頼受けたけどまあそんなに難しい暗殺依頼はなかった様な気がする」
ふーん、と言いながらスイはケーキを食べる
「後さ、この世界、ユリアーデって言うんだけどねこの世界なんとBL版恋愛シュミレーションゲームらしい」
「らしい?と言うことは確定ではない?」
「んー、情報源があまり信用ならないと言うか、スイが異世界召喚された所に一緒にいた男子高校生、成瀬心って言うんだけど、そいつがここの表通りで第二王子とイチャついてる時にこのメモを落として行ってな、拾って見て見たら日本語でこんな事が書いてあったんだ」
俺はそのメモ紙をスイに渡す
するとスイは顔を歪めながら一言
「キモ」
お前ならそう言ってくれると信じていたよ
「同感。」
「え、何こいつ、ゲーム感覚でこの世界で暮らして行くつもりなの?」
「だよなー、あとさ、俺今日その神子と第二王子が歩いているのを見て気が付いたんだけど、なんか神子の魔力が第二王子にまとわりついてるんだよなぁ」
「というと?」
「うん、スイの全状態異常耐性を見てある仮説を立てたんだけど、あの神子もしかしたら魅了系の魔法でも無意識に使ってるんじゃないかと。」
するとスイが頭をかしげながら魅了?と聞いてくる
「だって、スイもその異世界召喚に巻き込まれてこの世界に来たのに第二王子は神子しか見てなかったんだろ?出会って間もないのに仮にも一国の王子が一目惚れしたからってもう一人の召喚者を無視するなんてあり得ないぞ。まぁ、ただ単に第二王子が馬鹿なだけだったら救いようもないがな。」
「あぁ、確かにね。あんまり覚えていないけど愛の言葉みたいなのをその神子に囁いていたからな。」
「まぁ、俺達には関係ないしな...って言えたら良いんだけどなー」
そう言って俺は遠い目をする
「え?リョカには関係があるの?」
俺は大きく頷くと
「だってレビアが担当するクラスに問題児の神子が居て俺は目の敵にされているからね」
「は?なんでリョカが?」
「なんか“存在しないはずのモブのくせに”とか言われたからなぁー、俺がこの世界に迷い込んでレビアと知り合って...って言うのがもうそもそもアイツにとってイレギュラーなんじゃないのか?しかもアイツレビア狙いらしいからな」
「て事は、このハーレムエンド?にならないといけないのか」
「そ!そゆこと!ハーレムエンドって言うのはざっくり言うと攻略対象全員を籠絡して周りに侍らせるって言う意味」
「うわぁ、ただのビッチじゃないか」
「そーゆー反応になるよなぁ、やっぱり。」
そして俺はふと気になった事を聞いてみた
「そう言えばスイ、お前王宮の異世界召喚をする場所の怪しい集団、もとい魔術師の皆さんを殺して逃げてきたんだよな?指名手配とかされてんの?」
「んー、どうなんだろう、今の所追っ手はいないけど、そのうち秘密裏に探されそうだなと思ってこの路地裏で身を隠してた所。」
「そしてその食事中に俺が居合わせたと言う事か。」
するとスイがため息をつく
「そー、何であの時反撃しなかったの?危うく殺す所だったよ。」
「あー、ここ最近ずっとホームシックだったんだよ」
「ん?リョカがそんなに繊細だったとは知らなかったよ」
「違うし、日本にいて外国に行ってもホームシックにはならない。だってちゃんと日本に帰ってこられるし。」
「確かに。」
「でも二度と日本に戻れないとか向こうに残してきた仲間やスイの事考えてたら猛烈に寂しくなってな。ああ、もう会えないんだ...とか、ね。」
「じゃあ俺が異世界召喚されたのは良かったな」
「まぁ、スイには悪いが俺はそう思う」
「いや、悪く思うことはないよ、俺もリョカがいない世界なんて用はないし生きてる意味を見出せないからね」
いや、それは大袈裟過ぎ。
まあ、スイも元の世界に未練がない様で何よりだ。
「それはそうと、レビア達に呼び出されるのは確実。恐らくだけどスイの容姿と王宮で何やらかしたかくらいは把握してるはずだ」
「へぇ、情報伝わるのが意外と早いんだね」
「まぁ、アイツらの情報網はちょっと凄いよなぁって俺も思ってた。だって王宮の内部の機密情報も知ってるんだからな」
「そうだな」
「どうしようか...俺さ、あまりレビア達に異世界出身とか言いたくないんだよなぁ」
「そうなの?」
「だってあの神子と一緒の世界出身とか露見させたくなくないか?」
「あー、確かに。じゃあリョカはどうするの?」
「んー、やっぱり正直に言うしかないのかも」
「結局言うんだ」
「嘘もあまりつきたくないし」
「矛盾だね」
「そう、矛盾してるの!あ、そう言えば黒髪黒目ってこの世界には存在しない色らしくてさ、珍しいから俺このフード付きマントをいつも被ってるんだ」
「そうなんだ?なんか日本は黒髪黒目が当たり前だから不思議な感じだね」
「そーだな、話は戻るけど、近々レビア達が俺を訪ねてくると思うからその時に俺とスイの事を話す感じで良いかな?」
「俺は特に問題ないよ。リョカが良ければそれで良い」
「ありがとう、じゃあ寝ようか!ベッド広いから並んで寝れるぞ」
「ああ、寝ようか」
そう言ってスイが笑う
その笑顔を見てホッとする
俺は随分とホームシックに襲われて精神的にやられていたらしい。こんなんじゃダメだな、気合い入れよう。
「レビアって誰?」
「レビアは闇ギルドのトップ後さっきのギャルとデリーは闇ギルドの幹部」
「そのさっきから言ってる闇ギルドって?」
「んー、ざっくり言えば表に出せない依頼を受ける集団?例えば暗殺とか俺達が日本で所属していた所と似た様なものだな」
「成る程」
「何回か賞金首の暗殺依頼受けたけどまあそんなに難しい暗殺依頼はなかった様な気がする」
ふーん、と言いながらスイはケーキを食べる
「後さ、この世界、ユリアーデって言うんだけどねこの世界なんとBL版恋愛シュミレーションゲームらしい」
「らしい?と言うことは確定ではない?」
「んー、情報源があまり信用ならないと言うか、スイが異世界召喚された所に一緒にいた男子高校生、成瀬心って言うんだけど、そいつがここの表通りで第二王子とイチャついてる時にこのメモを落として行ってな、拾って見て見たら日本語でこんな事が書いてあったんだ」
俺はそのメモ紙をスイに渡す
するとスイは顔を歪めながら一言
「キモ」
お前ならそう言ってくれると信じていたよ
「同感。」
「え、何こいつ、ゲーム感覚でこの世界で暮らして行くつもりなの?」
「だよなー、あとさ、俺今日その神子と第二王子が歩いているのを見て気が付いたんだけど、なんか神子の魔力が第二王子にまとわりついてるんだよなぁ」
「というと?」
「うん、スイの全状態異常耐性を見てある仮説を立てたんだけど、あの神子もしかしたら魅了系の魔法でも無意識に使ってるんじゃないかと。」
するとスイが頭をかしげながら魅了?と聞いてくる
「だって、スイもその異世界召喚に巻き込まれてこの世界に来たのに第二王子は神子しか見てなかったんだろ?出会って間もないのに仮にも一国の王子が一目惚れしたからってもう一人の召喚者を無視するなんてあり得ないぞ。まぁ、ただ単に第二王子が馬鹿なだけだったら救いようもないがな。」
「あぁ、確かにね。あんまり覚えていないけど愛の言葉みたいなのをその神子に囁いていたからな。」
「まぁ、俺達には関係ないしな...って言えたら良いんだけどなー」
そう言って俺は遠い目をする
「え?リョカには関係があるの?」
俺は大きく頷くと
「だってレビアが担当するクラスに問題児の神子が居て俺は目の敵にされているからね」
「は?なんでリョカが?」
「なんか“存在しないはずのモブのくせに”とか言われたからなぁー、俺がこの世界に迷い込んでレビアと知り合って...って言うのがもうそもそもアイツにとってイレギュラーなんじゃないのか?しかもアイツレビア狙いらしいからな」
「て事は、このハーレムエンド?にならないといけないのか」
「そ!そゆこと!ハーレムエンドって言うのはざっくり言うと攻略対象全員を籠絡して周りに侍らせるって言う意味」
「うわぁ、ただのビッチじゃないか」
「そーゆー反応になるよなぁ、やっぱり。」
そして俺はふと気になった事を聞いてみた
「そう言えばスイ、お前王宮の異世界召喚をする場所の怪しい集団、もとい魔術師の皆さんを殺して逃げてきたんだよな?指名手配とかされてんの?」
「んー、どうなんだろう、今の所追っ手はいないけど、そのうち秘密裏に探されそうだなと思ってこの路地裏で身を隠してた所。」
「そしてその食事中に俺が居合わせたと言う事か。」
するとスイがため息をつく
「そー、何であの時反撃しなかったの?危うく殺す所だったよ。」
「あー、ここ最近ずっとホームシックだったんだよ」
「ん?リョカがそんなに繊細だったとは知らなかったよ」
「違うし、日本にいて外国に行ってもホームシックにはならない。だってちゃんと日本に帰ってこられるし。」
「確かに。」
「でも二度と日本に戻れないとか向こうに残してきた仲間やスイの事考えてたら猛烈に寂しくなってな。ああ、もう会えないんだ...とか、ね。」
「じゃあ俺が異世界召喚されたのは良かったな」
「まぁ、スイには悪いが俺はそう思う」
「いや、悪く思うことはないよ、俺もリョカがいない世界なんて用はないし生きてる意味を見出せないからね」
いや、それは大袈裟過ぎ。
まあ、スイも元の世界に未練がない様で何よりだ。
「それはそうと、レビア達に呼び出されるのは確実。恐らくだけどスイの容姿と王宮で何やらかしたかくらいは把握してるはずだ」
「へぇ、情報伝わるのが意外と早いんだね」
「まぁ、アイツらの情報網はちょっと凄いよなぁって俺も思ってた。だって王宮の内部の機密情報も知ってるんだからな」
「そうだな」
「どうしようか...俺さ、あまりレビア達に異世界出身とか言いたくないんだよなぁ」
「そうなの?」
「だってあの神子と一緒の世界出身とか露見させたくなくないか?」
「あー、確かに。じゃあリョカはどうするの?」
「んー、やっぱり正直に言うしかないのかも」
「結局言うんだ」
「嘘もあまりつきたくないし」
「矛盾だね」
「そう、矛盾してるの!あ、そう言えば黒髪黒目ってこの世界には存在しない色らしくてさ、珍しいから俺このフード付きマントをいつも被ってるんだ」
「そうなんだ?なんか日本は黒髪黒目が当たり前だから不思議な感じだね」
「そーだな、話は戻るけど、近々レビア達が俺を訪ねてくると思うからその時に俺とスイの事を話す感じで良いかな?」
「俺は特に問題ないよ。リョカが良ければそれで良い」
「ありがとう、じゃあ寝ようか!ベッド広いから並んで寝れるぞ」
「ああ、寝ようか」
そう言ってスイが笑う
その笑顔を見てホッとする
俺は随分とホームシックに襲われて精神的にやられていたらしい。こんなんじゃダメだな、気合い入れよう。
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