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閉ざされていた記憶
見透かされたくない心の奥
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そして色々とあり噴水広場に行くことに。
何というか自由人が多い職場なことで。頭硬い人よりかは個人的に良いけど。
と言っても今回が職務を放棄したのは初めてだから、マシな方か。
シャノワール小村、か。よくテレビで名前を聞く占い師。何でもずばりと言い当ててしまうそうだ。
テレビだけの話ならヤラセではないかと思ってしまう。でもブログのコメントの数を見ると信憑性が上がった。
サクラという可能性も考えた。でもこのコメントの数の多さ。
流石に私もそこまでひねくれてはいない。
そして何よりも決定的となったのは依頼者の反応だ。
最初は馬鹿にしていたり興味無さげな人も彼女の占いを受けると、あら不思議。
彼女の占いを信じるのだ。
泣いたり動揺する人や感謝を述べる人と様々。
中にはあまりにも言い当てられすぎて、彼女に暴言を吐いたり挙句の果てには手を出そうとまでしていた。
その人はそれっきり表舞台から姿を消した。
誰だって自分の痛い部分を言い当てられると何かしらアクションを起こすものだ。
だからと言って、その人を援護するわけではないが。
「てかさ、シャノワール小村って誰なの」
驚いた。まさか身近にそんな有名人を知らない人がいるとは。
そもそもテレビをあまり見ないと言っていたから仕方のないことかもしれないけど。
とりあえず彼女のブログを見せた。
名前を見た時に怪訝そうな顔をしていた。そう思ってしまうのも仕方が無い。
私も最初見た時にリアクションに困ったのだから。
噴水広場に着くと、沢山の人と様々な屋台があった。去年よりも倍以上に人がいる。これも小村のおかげだろう。有名人が来るということで、色んな所から人が来たのだろう。
炎上とかマイナスな理由でない限り、人が沢山来るのは大歓迎だ。
待っていても仕方ないので、人混みの中に入ることに。こんな沢山な人混みは、初めてだ。
人混みを抜けると、噴水の少し離れたところに簡易的なステージが建てられていた。
多分、今日の為に建てられたものだろう。
そこに黒いベールをかぶった女性が居た。
言わなくても、分かる。あの人がシャノワール小村なのだろう。
歓声が凄い。改めて人気な人物なのだと思った。とりあえず私も便乗して拍手をするとしよう。
あの後、小村が直々に話をした。
その内容は、まずこの場に来てくれてありがとうと感謝の言葉を述べる。
次に抽選で50名、無料で占う。ちなみに抽選に外れた人は、半額で占う、と。
結論から言うと、私たちは見事選抜された。
まさか自分が選ばれるとは思っていなかった。残り5名の段階で私が指名され、一番最後に結ちゃんが指名されていた。
占いなんてあまり興味はなかったけど、今日は気になることがあった。
だからいつも以上に嬉しく感じた。
呼ばれた人たちは前に来て下さい、と言われた。
言われた通りにすると、黒服の体格の良い男性が木の札をくれた。
その札には番号とそれぞれ異なったイラストが描かれていた。私は赤色のリボン、結ちゃんは黒猫だった。
自分の番になるとその番号が放送されるから来てくれと。
そしてとりあえず解散となった。
とりあえず戻ろうとした。
すると先輩と店長達が私の元に来た。
どうしたのだろうと思っていると、すぐに沢山の質問攻めに合った。
まあそう言っても、そこまでってほどのものではなかったが。
適当に聞き流していると、私と結ちゃん二人に同じ質問をして来た人が居た。
「二人とも一体、何を悩んでいるの?」
店長だった。核心をつくような内容。
そんなつもりはないのだろうけど、どう答えていいか分からなかった。
勿論、どういうかは決まっていた。ただどう答えるかだ。
どうやったらみんなの思う、私らしく答えられるか。
少し考えたら、すぐにその答えは出た。
「秘密ですっ」
そう、秘密。教えるわけがない。教えたらみんなの私の思っているイメージが崩れてしまう。
私はいつも明るく元気でマイペース。人間関係で悩んだことなんて、ない。
それが私。誰も知らなくていい。結ちゃんにも家族にも教えない。
知られたくない、見透かされたくない、心の奥。
何というか自由人が多い職場なことで。頭硬い人よりかは個人的に良いけど。
と言っても今回が職務を放棄したのは初めてだから、マシな方か。
シャノワール小村、か。よくテレビで名前を聞く占い師。何でもずばりと言い当ててしまうそうだ。
テレビだけの話ならヤラセではないかと思ってしまう。でもブログのコメントの数を見ると信憑性が上がった。
サクラという可能性も考えた。でもこのコメントの数の多さ。
流石に私もそこまでひねくれてはいない。
そして何よりも決定的となったのは依頼者の反応だ。
最初は馬鹿にしていたり興味無さげな人も彼女の占いを受けると、あら不思議。
彼女の占いを信じるのだ。
泣いたり動揺する人や感謝を述べる人と様々。
中にはあまりにも言い当てられすぎて、彼女に暴言を吐いたり挙句の果てには手を出そうとまでしていた。
その人はそれっきり表舞台から姿を消した。
誰だって自分の痛い部分を言い当てられると何かしらアクションを起こすものだ。
だからと言って、その人を援護するわけではないが。
「てかさ、シャノワール小村って誰なの」
驚いた。まさか身近にそんな有名人を知らない人がいるとは。
そもそもテレビをあまり見ないと言っていたから仕方のないことかもしれないけど。
とりあえず彼女のブログを見せた。
名前を見た時に怪訝そうな顔をしていた。そう思ってしまうのも仕方が無い。
私も最初見た時にリアクションに困ったのだから。
噴水広場に着くと、沢山の人と様々な屋台があった。去年よりも倍以上に人がいる。これも小村のおかげだろう。有名人が来るということで、色んな所から人が来たのだろう。
炎上とかマイナスな理由でない限り、人が沢山来るのは大歓迎だ。
待っていても仕方ないので、人混みの中に入ることに。こんな沢山な人混みは、初めてだ。
人混みを抜けると、噴水の少し離れたところに簡易的なステージが建てられていた。
多分、今日の為に建てられたものだろう。
そこに黒いベールをかぶった女性が居た。
言わなくても、分かる。あの人がシャノワール小村なのだろう。
歓声が凄い。改めて人気な人物なのだと思った。とりあえず私も便乗して拍手をするとしよう。
あの後、小村が直々に話をした。
その内容は、まずこの場に来てくれてありがとうと感謝の言葉を述べる。
次に抽選で50名、無料で占う。ちなみに抽選に外れた人は、半額で占う、と。
結論から言うと、私たちは見事選抜された。
まさか自分が選ばれるとは思っていなかった。残り5名の段階で私が指名され、一番最後に結ちゃんが指名されていた。
占いなんてあまり興味はなかったけど、今日は気になることがあった。
だからいつも以上に嬉しく感じた。
呼ばれた人たちは前に来て下さい、と言われた。
言われた通りにすると、黒服の体格の良い男性が木の札をくれた。
その札には番号とそれぞれ異なったイラストが描かれていた。私は赤色のリボン、結ちゃんは黒猫だった。
自分の番になるとその番号が放送されるから来てくれと。
そしてとりあえず解散となった。
とりあえず戻ろうとした。
すると先輩と店長達が私の元に来た。
どうしたのだろうと思っていると、すぐに沢山の質問攻めに合った。
まあそう言っても、そこまでってほどのものではなかったが。
適当に聞き流していると、私と結ちゃん二人に同じ質問をして来た人が居た。
「二人とも一体、何を悩んでいるの?」
店長だった。核心をつくような内容。
そんなつもりはないのだろうけど、どう答えていいか分からなかった。
勿論、どういうかは決まっていた。ただどう答えるかだ。
どうやったらみんなの思う、私らしく答えられるか。
少し考えたら、すぐにその答えは出た。
「秘密ですっ」
そう、秘密。教えるわけがない。教えたらみんなの私の思っているイメージが崩れてしまう。
私はいつも明るく元気でマイペース。人間関係で悩んだことなんて、ない。
それが私。誰も知らなくていい。結ちゃんにも家族にも教えない。
知られたくない、見透かされたくない、心の奥。
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