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EP2 卵に潜む悪意9 プライドファイト
瑞雪VS朝陽2
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「天族と鳥獣族の猟犬か……。レパートリーが広くて面倒だな!」
舌打ちしつつ、瑞雪はレイス達に向けて弓を構える。
どちらもやはり全身拘束具で拘束されており、洗脳に近い状態であることがわかる。ラテアが間違いなく嫌そうな顔をしているだろうことが目に浮かぶようだ。
レイス達は魔鳥と天使を援護するように、あるいは巻き込んで殺すように呪いを詠唱し始める。狙いはトツカだ。トツカの動きを鈍らせて一気に叩くつもりなのだろう。
「俺は眼中にないってか。後悔させてやるか……」
ならこちらも考えがある。後衛を放置して前衛から叩こうなど愚の骨頂だということを思い知らせてやらなければ。トツカに血を渡し、代わりにマナを流してもらいつつ、建物の影に隠れ詠唱を開始する。
トツカはレイス達の動きを意にも介さず天使と刀で撃ち合い始める。血が渡るとともにトツカの全身の筋肉が膨れ上がる。
天使の剣技は綺麗なものだ。果たしてこれは自我がないからなのか、天族という種族がそういう種族なのか瑞雪にはわかりかねた。
天族はそもそも数の多くない種族であり、猟犬として存在している個体は非常に少ない。魔族に比べ少数精鋭という印象だ。
単純な技量、そして身体能力で言えばトツカのが圧倒的に上だ。見ていればわかる。
「がるるるるぁ!」
しかし、その差を補うように魔鳥が上空からトツカに攻撃を仕掛ける。
刀でかぎづめによる攻撃を受け止めつつ、トツカは魔鳥の腹に蹴りを入れ弾き飛ばす。
魔鳥の処理をしている間に背後から天使が接近。首を狙われるが寸でのところで顔を逸らし避ける。
三メートルはあろうかという巨体は存外に素早く、鋭いかぎづめと嘴による物理的な攻撃と風魔法による波状攻撃は厄介そうだ。
(呪いを止めつつトツカの援護が必要か)
雷のイオと氷のイオを同時展開。瑞雪は相変わらず放置されている。昨日の戦いから朝陽なりにトツカが脅威であると感じ取ったのだろう。
実際、トツカは現状殆ど攻撃を受けていない。多少の擦り傷切り傷打ち身程度だ。それも、血もあまり使っていない。
現状朝陽はゆっくりとこちらに巨人に乗って進軍してきているのみ。つまり、こいつらですら先兵なのだろう。
トツカを援護する氷の茨と、レイス達を叩くための雷の槍を並列詠唱する。
(多少の無茶ならこいつならこたえられるだろう)
さっきも啖呵を切ったのだから。
「縫い留めて 離すな 氷の茨(シエニ ベンド グラキエラ)」
高層ビルの壁を這うように大規模な氷の茨を展開。天使も魔鳥も空を飛ぶ。面倒なことこの上ない。
とはいえ普段なら一般人の被害を考えなければならないが、今回に限ってはそれがない。
「ぐぎゃ!ぎゃぎゃぎゃる!」
氷の茨はいくら建物を這い、茨を伸ばしても空を飛ぶ猟犬達には届かない。素早くビルとビルの合間を縫いながら、トツカへと迫る。
しかし、瑞雪の狙いはそこではない。
みしみしと音が四方八方からし、攻撃をさばいていたトツカが軽く眉をあげる。そして即座に打ち合うのをやめて全力疾走を始める。
ただ走るだけではない。刀で近場のビルに一太刀浴びせつつだ。
氷の茨で脆くしたところにトツカの一撃。ビルはガラガラと大きな音と地響きと共に倒壊し、魔鳥と天使もろとも飲み込んでいく。続けざまに瑞雪はレイスの群れへと矢を番え、放つ。イオを纏った矢は瞬く間に巨大な雷の槍へと変化する。
「貫け 破壊せよ 神の雷(ピアスド デスティ トニータルデイ)」
溜めに溜めた渾身の一撃。雷鳴が轟き、バチバチと青白い強烈な雷が周辺一帯に迸る。
それはレイスの群れをぶち抜き巨人に届く程の威力のものだ。
朝陽が軽く目を見開き、ぴょんと巨人の肩から降りる。刹那、巨人の上半身が青白い雷鳴と共にレイス達ごと吹き飛んだ。赤黒い断面から血と臓物が飛び散り朝陽の軍服を濡らす。
朝陽は青筋を立てているだろうと思いきや、笑っている。嫌な予感にトツカを呼び戻そうとする。が。
「っぐ、ぅ!?」
突如瑞雪の足元からぬぅ、と泥で出来た腕が現れ足を掴まれる。地面から半身を出して瑞雪を掴んだのは泥で出来た木偶人形だった。
コンクリートは波打ちまるで沼のようにどろどろの液体となっている。弓を地面に突き立てなんとか引きずりこまれないようにと抗おうとする。
泥に飲まれて窒息死なんて最悪すぎる。しかしそんな瑞雪の抵抗はあまりにも儚いもの。身体能力はただの一般人に過ぎないのだから。
「っくそ、が……!」
朝陽の猟犬のラインナップなど知る由もない。泥の腕は触手のように枝分かれし、足首から太ももの方へと這い上ってくる。同時に凄まじい力で地中に向かって引っ張られる。
足首からみしみしと嫌な音がする。
「この、馬鹿力め……!」
激痛に呻きつつも悪態をつき、魔法を詠唱しようとする。しかし、相性が悪い。雷では泥に大したダメージを与えられない。それならばと氷魔法を詠唱しようとする。
「んぐ……!?」
しかし、あっという間に触手は伸びていき服の中を通り瑞雪の口元まで達していた。
詠唱しようとする口を塞がれる。全身の筋肉と骨が軋み、そのままゆっくり、ゆっくり波打つコンクリートの中へと引きずり込まれていく。
冷や汗が止まらない。このままではまずい。魔法を詠唱できない瑞雪はあまりにも無力だった。
「瑞雪っ!」
意識が朦朧としてきたところでトツカが怒号と共に突っ込んでくる。彼の足が沼にはまることはない。足元に土の橋を作りながら走っているからだ。
そして瑞雪の首根っこを掴み触手を刀で払いつつ引き上げようとする。が。
途端、ピtピッピッという規則正しい電子音。聞き覚えがある。
「っ、爆発するぞ!」
瑞雪が叫ぶ。しかし密着されており、逃れることはできない。氷の盾を展開しようにも痛みで一瞬反応が遅れてしまった。
「大丈夫だ」
トツカの反応は落ち着いたもので、触手を斬りはらい瑞雪を抱き込みイオを練り上げる。刹那、二人を囲うように金属の箱が錬成される。
ドンっという強い衝撃と共に箱が転げ強かに全身を打ち付ける。鉄の箱ごしに外から凄まじい轟音が聞こえてくる。爆発を直接受けることはなくそこそこの打ち身程度で済んだ。
「っげほ、もう問題ないか」
そう判断したトツカが魔法を解除。周囲は最早廃墟と呼んで然るべき惨状だった。ビルは倒壊し、道路は瓦礫だらけだ。
それでも何とか生きている。
トツカの土魔法は派手さこそないものの堅実で防御に優れた魔法だ。土だけでなく鉱物、鋼なども錬成することが可能なのである。
「助かった、離してくれ。自分で歩ける」
「いや」
何度か盛大に咽つつも息を整えた瑞雪はトツカにホールドを解くようにと命じる。自力で解こうと力を込めてみたが、そもそもの筋肉量が違いすぎてびくともしない。
しかし、瑞雪の言葉にトツカは首を横に振る。それどころか瑞雪を軽々と小脇に抱えた。
「このままここにいても敵の増援が来てじり貧になると判断した。朝陽のところまで運ぶぞ」
口にするのとほぼ同時にトツカが走り始める。トツカの言っていることは概ね正しい。ペットのように抱えられている情けなさに目を瞑れば、だが。
「それとももっと別の運び方がよかっただろうか?前にドラマでやっていた……」
「このままでいい、早く走れ!」
スマホの画面をちらと見れば第二陣の反応がある。このままちんたらしてはいられないし、瑞雪の足で走るよりトツカに抱えてもらったほうが遥かに速い。
弓だけは意地でも手放していなかったためそのまま握りしめている。なのでこのままでも魔法を撃つことは可能だった。
「わかった」
瑞雪の命令にトツカは一つ頷きさらに速度を上げる。第二陣のマナ反応は存在する。しかし目視することは出来ない。
何故なら前方には恐ろしいほど濃密で一歩先も見えないような闇が横たわっていたからだ。
舌打ちしつつ、瑞雪はレイス達に向けて弓を構える。
どちらもやはり全身拘束具で拘束されており、洗脳に近い状態であることがわかる。ラテアが間違いなく嫌そうな顔をしているだろうことが目に浮かぶようだ。
レイス達は魔鳥と天使を援護するように、あるいは巻き込んで殺すように呪いを詠唱し始める。狙いはトツカだ。トツカの動きを鈍らせて一気に叩くつもりなのだろう。
「俺は眼中にないってか。後悔させてやるか……」
ならこちらも考えがある。後衛を放置して前衛から叩こうなど愚の骨頂だということを思い知らせてやらなければ。トツカに血を渡し、代わりにマナを流してもらいつつ、建物の影に隠れ詠唱を開始する。
トツカはレイス達の動きを意にも介さず天使と刀で撃ち合い始める。血が渡るとともにトツカの全身の筋肉が膨れ上がる。
天使の剣技は綺麗なものだ。果たしてこれは自我がないからなのか、天族という種族がそういう種族なのか瑞雪にはわかりかねた。
天族はそもそも数の多くない種族であり、猟犬として存在している個体は非常に少ない。魔族に比べ少数精鋭という印象だ。
単純な技量、そして身体能力で言えばトツカのが圧倒的に上だ。見ていればわかる。
「がるるるるぁ!」
しかし、その差を補うように魔鳥が上空からトツカに攻撃を仕掛ける。
刀でかぎづめによる攻撃を受け止めつつ、トツカは魔鳥の腹に蹴りを入れ弾き飛ばす。
魔鳥の処理をしている間に背後から天使が接近。首を狙われるが寸でのところで顔を逸らし避ける。
三メートルはあろうかという巨体は存外に素早く、鋭いかぎづめと嘴による物理的な攻撃と風魔法による波状攻撃は厄介そうだ。
(呪いを止めつつトツカの援護が必要か)
雷のイオと氷のイオを同時展開。瑞雪は相変わらず放置されている。昨日の戦いから朝陽なりにトツカが脅威であると感じ取ったのだろう。
実際、トツカは現状殆ど攻撃を受けていない。多少の擦り傷切り傷打ち身程度だ。それも、血もあまり使っていない。
現状朝陽はゆっくりとこちらに巨人に乗って進軍してきているのみ。つまり、こいつらですら先兵なのだろう。
トツカを援護する氷の茨と、レイス達を叩くための雷の槍を並列詠唱する。
(多少の無茶ならこいつならこたえられるだろう)
さっきも啖呵を切ったのだから。
「縫い留めて 離すな 氷の茨(シエニ ベンド グラキエラ)」
高層ビルの壁を這うように大規模な氷の茨を展開。天使も魔鳥も空を飛ぶ。面倒なことこの上ない。
とはいえ普段なら一般人の被害を考えなければならないが、今回に限ってはそれがない。
「ぐぎゃ!ぎゃぎゃぎゃる!」
氷の茨はいくら建物を這い、茨を伸ばしても空を飛ぶ猟犬達には届かない。素早くビルとビルの合間を縫いながら、トツカへと迫る。
しかし、瑞雪の狙いはそこではない。
みしみしと音が四方八方からし、攻撃をさばいていたトツカが軽く眉をあげる。そして即座に打ち合うのをやめて全力疾走を始める。
ただ走るだけではない。刀で近場のビルに一太刀浴びせつつだ。
氷の茨で脆くしたところにトツカの一撃。ビルはガラガラと大きな音と地響きと共に倒壊し、魔鳥と天使もろとも飲み込んでいく。続けざまに瑞雪はレイスの群れへと矢を番え、放つ。イオを纏った矢は瞬く間に巨大な雷の槍へと変化する。
「貫け 破壊せよ 神の雷(ピアスド デスティ トニータルデイ)」
溜めに溜めた渾身の一撃。雷鳴が轟き、バチバチと青白い強烈な雷が周辺一帯に迸る。
それはレイスの群れをぶち抜き巨人に届く程の威力のものだ。
朝陽が軽く目を見開き、ぴょんと巨人の肩から降りる。刹那、巨人の上半身が青白い雷鳴と共にレイス達ごと吹き飛んだ。赤黒い断面から血と臓物が飛び散り朝陽の軍服を濡らす。
朝陽は青筋を立てているだろうと思いきや、笑っている。嫌な予感にトツカを呼び戻そうとする。が。
「っぐ、ぅ!?」
突如瑞雪の足元からぬぅ、と泥で出来た腕が現れ足を掴まれる。地面から半身を出して瑞雪を掴んだのは泥で出来た木偶人形だった。
コンクリートは波打ちまるで沼のようにどろどろの液体となっている。弓を地面に突き立てなんとか引きずりこまれないようにと抗おうとする。
泥に飲まれて窒息死なんて最悪すぎる。しかしそんな瑞雪の抵抗はあまりにも儚いもの。身体能力はただの一般人に過ぎないのだから。
「っくそ、が……!」
朝陽の猟犬のラインナップなど知る由もない。泥の腕は触手のように枝分かれし、足首から太ももの方へと這い上ってくる。同時に凄まじい力で地中に向かって引っ張られる。
足首からみしみしと嫌な音がする。
「この、馬鹿力め……!」
激痛に呻きつつも悪態をつき、魔法を詠唱しようとする。しかし、相性が悪い。雷では泥に大したダメージを与えられない。それならばと氷魔法を詠唱しようとする。
「んぐ……!?」
しかし、あっという間に触手は伸びていき服の中を通り瑞雪の口元まで達していた。
詠唱しようとする口を塞がれる。全身の筋肉と骨が軋み、そのままゆっくり、ゆっくり波打つコンクリートの中へと引きずり込まれていく。
冷や汗が止まらない。このままではまずい。魔法を詠唱できない瑞雪はあまりにも無力だった。
「瑞雪っ!」
意識が朦朧としてきたところでトツカが怒号と共に突っ込んでくる。彼の足が沼にはまることはない。足元に土の橋を作りながら走っているからだ。
そして瑞雪の首根っこを掴み触手を刀で払いつつ引き上げようとする。が。
途端、ピtピッピッという規則正しい電子音。聞き覚えがある。
「っ、爆発するぞ!」
瑞雪が叫ぶ。しかし密着されており、逃れることはできない。氷の盾を展開しようにも痛みで一瞬反応が遅れてしまった。
「大丈夫だ」
トツカの反応は落ち着いたもので、触手を斬りはらい瑞雪を抱き込みイオを練り上げる。刹那、二人を囲うように金属の箱が錬成される。
ドンっという強い衝撃と共に箱が転げ強かに全身を打ち付ける。鉄の箱ごしに外から凄まじい轟音が聞こえてくる。爆発を直接受けることはなくそこそこの打ち身程度で済んだ。
「っげほ、もう問題ないか」
そう判断したトツカが魔法を解除。周囲は最早廃墟と呼んで然るべき惨状だった。ビルは倒壊し、道路は瓦礫だらけだ。
それでも何とか生きている。
トツカの土魔法は派手さこそないものの堅実で防御に優れた魔法だ。土だけでなく鉱物、鋼なども錬成することが可能なのである。
「助かった、離してくれ。自分で歩ける」
「いや」
何度か盛大に咽つつも息を整えた瑞雪はトツカにホールドを解くようにと命じる。自力で解こうと力を込めてみたが、そもそもの筋肉量が違いすぎてびくともしない。
しかし、瑞雪の言葉にトツカは首を横に振る。それどころか瑞雪を軽々と小脇に抱えた。
「このままここにいても敵の増援が来てじり貧になると判断した。朝陽のところまで運ぶぞ」
口にするのとほぼ同時にトツカが走り始める。トツカの言っていることは概ね正しい。ペットのように抱えられている情けなさに目を瞑れば、だが。
「それとももっと別の運び方がよかっただろうか?前にドラマでやっていた……」
「このままでいい、早く走れ!」
スマホの画面をちらと見れば第二陣の反応がある。このままちんたらしてはいられないし、瑞雪の足で走るよりトツカに抱えてもらったほうが遥かに速い。
弓だけは意地でも手放していなかったためそのまま握りしめている。なのでこのままでも魔法を撃つことは可能だった。
「わかった」
瑞雪の命令にトツカは一つ頷きさらに速度を上げる。第二陣のマナ反応は存在する。しかし目視することは出来ない。
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