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EP2 卵に潜む悪意8 青い月を見上げて
不器用な子供
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「何を食べるの?」
街へ出て歩いていると、シイナが不思議そうに声をかけてくる。街の地理はシイナの頭にも入っているだろうが、こうして普通に出かけるのは初めてなのかもしれない。
そもそも生まれてどれくらいなのだろうか?レイはそんな事当然のように知らなかった。
「うーん、お前が何が好きなのかわかんないから色々あるファミレスかなあ。あとお前耳と尻尾隠せる?地球人の中で食べるんだから、隠さないと怪しまれるぜ」
「隠せる」
こくりとシイナは頷き、耳と尻尾を難なく消す。流石にコスプレだなんだと言い張るのは難しいだろうし、これで問題なくなった。
シイナを連れて病院内を歩いていても誰もなんとも言わない。そもそもこの病院の暗部を知っているものがこの中にどれだけいるのだろうか。それすら謎だ。
外に出るとすっかり暗くなっていた。街灯が時折ちかちかと明滅し、空にはエデンと月が浮かんでいるのが見える。
ラテアと勅使河原の事が絡まなければ彼はとても大人しい子供だった。
黒間市の地理はすでにレイの頭の中に入っている。近くにファミレスは一つあるけれど、あえて少し遠い場所を選ぶ。
(当たり前を受け取ることは難しいなあ)
地球には、当たり前の幸せ、日常を謳歌する人々が大半だ。無論、エデンもそうだ。
しかし、レイの生まれた環境はそうではなかった。それだけのこと。
だからだろうか?シイナが虐げられるさまを見てあまり愉快な気分にはなれなかった。だから気が変わってこうしてシイナを連れ出している。
ほんの少しの勅使河原への反抗心も含ませて。
「ほら、空綺麗だぜ」
嘘っぱちだ。こんなビルの隙間から見る狭い空が美しいわけはない。でも、シイナはこれしか見たことがないだろうし、そもそも上を向いて空を眺めるなんて機会があったかどうかもわからない。
こいつは生まれたてだし、親もいない。実験によって生まれた人造の命だ。
「暗いけど、ぴかぴかしてる。ほんのちょっぴり」
のんびりと歩きながら、シイナはそう呟く。
「たまにはこうやって外をのんびり歩きながら夜空を見るのも悪くないんだよ。ほら、なんかぼーっとして嫌なこと考えずに済んだりしない?」
一つ一つ会話を探っていく。怒らせたら面倒なことはラテアを逃がした時の一件で重々承知している。
(こうやって人脈というか、有事の際に味方になりそうなやつを一人でも増やしておくのは有用なことだし。あと今は暇だし)
なんて自分に対して言い訳をする。どの程度の日常知識をこのシイナという子供が持っているのかは謎だったが、適当にシイナの話せそうな話題を振っていく。
例えば病院内の話題とか、奏太のこととか。普通のチョコエッグ食べてみたか?とか。
「奏太。さっさと帰った。なんかとてもカリカリしてる」
「お前もラテアを前にしたら人の事言えないけどな」
レイの言葉にシイナはあからさまにむぅ、という顔をする。
「ラテアは敵。ご主人様がなぜあんなに執着しているのかわからない」
ぐるる、と喉の奥から唸り声が聞こえる。鼻頭にはたっぷりと皺が寄り、牙を剥き出しにしている。
ついわかっている地雷を踏み抜きたくなるのがレイの悪い癖だった。
「実験に必要ってだけだろ?別にあいつの事好きとかそういうのは一切ないと思うぜ」
実際、勅使河原は実験以外のことはどうでもいいんだろうと思う。他がどうなろうと、それこそ自分の身が破滅しようとその生物の多様性、進化を促し見届けられればいい。
人間だれしも保身だとか、そういうものがあると思っていたがあの男はどこまでも破滅的だ。
(兵士だってエデンで失ってるし、そのことが御絡流の会にバレたら一気に攻め込まれる。こいつはもう先は長くない。間違いなく待っているのは破滅だ。妄執と言って差し支えないんだもんなあ)
妄執に囚われ身を滅ぼした人はたくさんいる。レイの知っている限りでも。
「でも、気に入らない」
「ま、そりゃそうだわな」
ラテアの代わりとなるように勝手に生み出され、勝手に失望して。いらないとぞんざいな扱いをされたらたまったもんじゃない。
そんなことを話していると目的地のファミレスへとたどり着いた。どこにでもあるチェーン店の二十四時間営業。
シイナはしきりに慣れていないのか警戒するようにきょろきょろとしていた。
「お前、こういうとこ初めてなの?」
入る前に振り返って聞くと、シイナはこくりと頷いた。
「そっか。んじゃ入ろうぜ」
入ると店員がにこやかに出迎える。深夜も近いため、客はまばらだ。そのためだろうか?四人用の席に通される。
席につき、レイはシイナにメニューを渡す。
「何食べたい?」
それに対し、シイナはやや困った顔をした。
「わからない」
勅使河原のところでしかあったことがないから、シイナの普段の生活については謎だ。
「わからないって……普段何食ってんのさ」
自分用のメニューをぱらぱらとめくる。肉がいいか、魚がいいか。この世界の料理は総じて味が濃い。
別に嫌いではないが、最初食べたときは驚いた。
地球はエデンに比べて文明が発達している。科学という概念は少なくともエデンには存在しない。地球に本来魔法という概念が存在しないのと同じように。
「ん……。栄養ペーストっていうもの」
「うへえ!俺だったら絶対食いたくないやつ」
本当に実験動物か何かと同じ扱いだ。いや、間違いなく実験動物ではあるのだが。
「っていうか、生まれてどれくらいなんだ?」
「んと……二週間?くらい」
レイが問うと、シイナは暫く考え込んだ後答える。
(ガキどころか赤ん坊じゃんか……)
シイナはレイの事をじいっと見つめている。本当に何も知らないのだろう。日常生活をまともに送ることが出来る知識があるかすらも怪しくなってきた。
(栄養ペーストだとどういうのが好きかもわからないな。まあ子供が好きそうなもん頼んでおけばいいのか?)
シイナにメニューを選ばせることは困難だと悟り、レイは適当に子供が好きそうなものをいくつか注文する。まあ、食べきれるだろう。食べきれなければ持って帰って明日でも食べればいいだけだ。
決行は日曜日。明日は一日何事もなければフリーのはずだった。
注文して暫くするとホカホカと温かな料理が運ばれてくる。ハンバーグ、オムライス、カレー。カレーは一応甘口だ。お子様用である。
注文するときにウェイターに訝し気な視線を向けられたが無視する。別にお子様ランチが好きな大人がいてもいいだろう。多分。
それにレイもシイナもよくて高校生くらいにしか見えないだろう。追い出されないのは間違いなくバイトの怠慢だ。
「……!」
並べられた料理を前に、シイナはきらきらと目を輝かせていた。ぐぅ、と盛大に腹の虫が鳴き、ひくひくと形のいい鼻が動く。
「フォークとスプーンくらいは使えるか?こうやって持ってだな」
何となく失礼かもしれないが犬食いをしそうだったため、一旦ストップをかけ使い方を教える。もともと器用なのか、教えればすぐに覚えた。教えがいのあるやつだった。
「んじゃ食べていいよ。好きなだけ」
どうせ金をためる意味もあまりない。目的が済めばさっさと地球からは引き上げるつもりなのだから。
しかし、シイナにとっては嬉しい言葉であったようだ。
「ん」
シイナは目を細め、フォークを器用に使って食べ始める。それを確認してからレイも適当に箸で食事をつつき始めた。
子供らしく頬を緩め、顔をほころばせ次々に口の中へと料理を運んでは噛み砕き飲み込んでいく。美味しそうに次々と平らげていくそのさまは見ていて痛快だった。
「ペーストなんかじゃ栄養は足りても腹は膨れないだろうよ。そういや寝るときとかどうしてんだ?」
レイに兄弟はいないが、もしも弟が居たらこんな感じだったのかもしれない。
久しぶりに感じる平和なひと時に目を細める。そして何となく気になったことを口にした。
「んむ、んぐ……適当に床で寝てる」
「……仮眠室とか使っても別に怒られないんじゃないか?」
疎まれているわけではなく、興味を持たれていないのだから。直接勅使河原を害するような行為をしない限り、何をしても放置だし咎められることはないだろう。
……そこまで言えるわけもないけれど。
「ベッドの上で寝たほうがふかふかだしよく眠れるぜ?そっちの方が体を痛めないし、元気になる。もっと戦えるようになるぞ」
口元に食べかすをつけながら、シイナは悩んでいるようだった。
何を悩んでいるのかレイには理解できなかった。子供なんてそんなものなのかもしれない。
「でも……」
もし今も耳と尾っぽが出ていたなら、きっと垂れ下がっていただろう。
「何をそんな悩んでるんだよ」
「いいものかと……俺、いつも怒られてる」
自己肯定感がこんな環境で育つわけもなく。
「ふぅん……あの人に褒められたいの?」
街へ出て歩いていると、シイナが不思議そうに声をかけてくる。街の地理はシイナの頭にも入っているだろうが、こうして普通に出かけるのは初めてなのかもしれない。
そもそも生まれてどれくらいなのだろうか?レイはそんな事当然のように知らなかった。
「うーん、お前が何が好きなのかわかんないから色々あるファミレスかなあ。あとお前耳と尻尾隠せる?地球人の中で食べるんだから、隠さないと怪しまれるぜ」
「隠せる」
こくりとシイナは頷き、耳と尻尾を難なく消す。流石にコスプレだなんだと言い張るのは難しいだろうし、これで問題なくなった。
シイナを連れて病院内を歩いていても誰もなんとも言わない。そもそもこの病院の暗部を知っているものがこの中にどれだけいるのだろうか。それすら謎だ。
外に出るとすっかり暗くなっていた。街灯が時折ちかちかと明滅し、空にはエデンと月が浮かんでいるのが見える。
ラテアと勅使河原の事が絡まなければ彼はとても大人しい子供だった。
黒間市の地理はすでにレイの頭の中に入っている。近くにファミレスは一つあるけれど、あえて少し遠い場所を選ぶ。
(当たり前を受け取ることは難しいなあ)
地球には、当たり前の幸せ、日常を謳歌する人々が大半だ。無論、エデンもそうだ。
しかし、レイの生まれた環境はそうではなかった。それだけのこと。
だからだろうか?シイナが虐げられるさまを見てあまり愉快な気分にはなれなかった。だから気が変わってこうしてシイナを連れ出している。
ほんの少しの勅使河原への反抗心も含ませて。
「ほら、空綺麗だぜ」
嘘っぱちだ。こんなビルの隙間から見る狭い空が美しいわけはない。でも、シイナはこれしか見たことがないだろうし、そもそも上を向いて空を眺めるなんて機会があったかどうかもわからない。
こいつは生まれたてだし、親もいない。実験によって生まれた人造の命だ。
「暗いけど、ぴかぴかしてる。ほんのちょっぴり」
のんびりと歩きながら、シイナはそう呟く。
「たまにはこうやって外をのんびり歩きながら夜空を見るのも悪くないんだよ。ほら、なんかぼーっとして嫌なこと考えずに済んだりしない?」
一つ一つ会話を探っていく。怒らせたら面倒なことはラテアを逃がした時の一件で重々承知している。
(こうやって人脈というか、有事の際に味方になりそうなやつを一人でも増やしておくのは有用なことだし。あと今は暇だし)
なんて自分に対して言い訳をする。どの程度の日常知識をこのシイナという子供が持っているのかは謎だったが、適当にシイナの話せそうな話題を振っていく。
例えば病院内の話題とか、奏太のこととか。普通のチョコエッグ食べてみたか?とか。
「奏太。さっさと帰った。なんかとてもカリカリしてる」
「お前もラテアを前にしたら人の事言えないけどな」
レイの言葉にシイナはあからさまにむぅ、という顔をする。
「ラテアは敵。ご主人様がなぜあんなに執着しているのかわからない」
ぐるる、と喉の奥から唸り声が聞こえる。鼻頭にはたっぷりと皺が寄り、牙を剥き出しにしている。
ついわかっている地雷を踏み抜きたくなるのがレイの悪い癖だった。
「実験に必要ってだけだろ?別にあいつの事好きとかそういうのは一切ないと思うぜ」
実際、勅使河原は実験以外のことはどうでもいいんだろうと思う。他がどうなろうと、それこそ自分の身が破滅しようとその生物の多様性、進化を促し見届けられればいい。
人間だれしも保身だとか、そういうものがあると思っていたがあの男はどこまでも破滅的だ。
(兵士だってエデンで失ってるし、そのことが御絡流の会にバレたら一気に攻め込まれる。こいつはもう先は長くない。間違いなく待っているのは破滅だ。妄執と言って差し支えないんだもんなあ)
妄執に囚われ身を滅ぼした人はたくさんいる。レイの知っている限りでも。
「でも、気に入らない」
「ま、そりゃそうだわな」
ラテアの代わりとなるように勝手に生み出され、勝手に失望して。いらないとぞんざいな扱いをされたらたまったもんじゃない。
そんなことを話していると目的地のファミレスへとたどり着いた。どこにでもあるチェーン店の二十四時間営業。
シイナはしきりに慣れていないのか警戒するようにきょろきょろとしていた。
「お前、こういうとこ初めてなの?」
入る前に振り返って聞くと、シイナはこくりと頷いた。
「そっか。んじゃ入ろうぜ」
入ると店員がにこやかに出迎える。深夜も近いため、客はまばらだ。そのためだろうか?四人用の席に通される。
席につき、レイはシイナにメニューを渡す。
「何食べたい?」
それに対し、シイナはやや困った顔をした。
「わからない」
勅使河原のところでしかあったことがないから、シイナの普段の生活については謎だ。
「わからないって……普段何食ってんのさ」
自分用のメニューをぱらぱらとめくる。肉がいいか、魚がいいか。この世界の料理は総じて味が濃い。
別に嫌いではないが、最初食べたときは驚いた。
地球はエデンに比べて文明が発達している。科学という概念は少なくともエデンには存在しない。地球に本来魔法という概念が存在しないのと同じように。
「ん……。栄養ペーストっていうもの」
「うへえ!俺だったら絶対食いたくないやつ」
本当に実験動物か何かと同じ扱いだ。いや、間違いなく実験動物ではあるのだが。
「っていうか、生まれてどれくらいなんだ?」
「んと……二週間?くらい」
レイが問うと、シイナは暫く考え込んだ後答える。
(ガキどころか赤ん坊じゃんか……)
シイナはレイの事をじいっと見つめている。本当に何も知らないのだろう。日常生活をまともに送ることが出来る知識があるかすらも怪しくなってきた。
(栄養ペーストだとどういうのが好きかもわからないな。まあ子供が好きそうなもん頼んでおけばいいのか?)
シイナにメニューを選ばせることは困難だと悟り、レイは適当に子供が好きそうなものをいくつか注文する。まあ、食べきれるだろう。食べきれなければ持って帰って明日でも食べればいいだけだ。
決行は日曜日。明日は一日何事もなければフリーのはずだった。
注文して暫くするとホカホカと温かな料理が運ばれてくる。ハンバーグ、オムライス、カレー。カレーは一応甘口だ。お子様用である。
注文するときにウェイターに訝し気な視線を向けられたが無視する。別にお子様ランチが好きな大人がいてもいいだろう。多分。
それにレイもシイナもよくて高校生くらいにしか見えないだろう。追い出されないのは間違いなくバイトの怠慢だ。
「……!」
並べられた料理を前に、シイナはきらきらと目を輝かせていた。ぐぅ、と盛大に腹の虫が鳴き、ひくひくと形のいい鼻が動く。
「フォークとスプーンくらいは使えるか?こうやって持ってだな」
何となく失礼かもしれないが犬食いをしそうだったため、一旦ストップをかけ使い方を教える。もともと器用なのか、教えればすぐに覚えた。教えがいのあるやつだった。
「んじゃ食べていいよ。好きなだけ」
どうせ金をためる意味もあまりない。目的が済めばさっさと地球からは引き上げるつもりなのだから。
しかし、シイナにとっては嬉しい言葉であったようだ。
「ん」
シイナは目を細め、フォークを器用に使って食べ始める。それを確認してからレイも適当に箸で食事をつつき始めた。
子供らしく頬を緩め、顔をほころばせ次々に口の中へと料理を運んでは噛み砕き飲み込んでいく。美味しそうに次々と平らげていくそのさまは見ていて痛快だった。
「ペーストなんかじゃ栄養は足りても腹は膨れないだろうよ。そういや寝るときとかどうしてんだ?」
レイに兄弟はいないが、もしも弟が居たらこんな感じだったのかもしれない。
久しぶりに感じる平和なひと時に目を細める。そして何となく気になったことを口にした。
「んむ、んぐ……適当に床で寝てる」
「……仮眠室とか使っても別に怒られないんじゃないか?」
疎まれているわけではなく、興味を持たれていないのだから。直接勅使河原を害するような行為をしない限り、何をしても放置だし咎められることはないだろう。
……そこまで言えるわけもないけれど。
「ベッドの上で寝たほうがふかふかだしよく眠れるぜ?そっちの方が体を痛めないし、元気になる。もっと戦えるようになるぞ」
口元に食べかすをつけながら、シイナは悩んでいるようだった。
何を悩んでいるのかレイには理解できなかった。子供なんてそんなものなのかもしれない。
「でも……」
もし今も耳と尾っぽが出ていたなら、きっと垂れ下がっていただろう。
「何をそんな悩んでるんだよ」
「いいものかと……俺、いつも怒られてる」
自己肯定感がこんな環境で育つわけもなく。
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