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19.国王陛下と公爵様
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「ヴィンセントじゃないか。久しぶりだな」
護衛騎士を両隣にたずさえ会場内へとやってきた国王陛下は、真っ先にヴィンセント様に声をかけた。
公爵様の弟でもある国王陛下は、その容姿も公爵様によく似ている。そしてヴィンセント様にも。
そのおかげもあってか、初めて拝見した国王陛下の姿に少しだけ親近感を覚えた。
ヴィンセント様は私の体からそっと手を離すと、国王陛下の元へと進み丁寧に頭を下げた。
「国王陛下。大変ご無沙汰しておりました。本日は父が病床に伏せており、ご挨拶に伺えず申し訳ありません」
「そうか。残念だが、それなら仕方あるまい」
そう言うと、国王陛下は伏せ目がちに目を背け、口元に手をあてて意味深に呟いた。
「……果たして、それが真実なのかは本人しか分からないが」
「……?」
真実……? 一体どういう意味だろう。
気になるけれど、国王陛下はその事に触れる事無く、再びヴィンセント様に話かけた。
「ヴィンセント。しばらく見ないうちに立派に成長したな。最近、お前に関して妙な噂を耳にしていたのだが……こうして見る限りだと何も心配いらないようだ。次期公爵として、今後の活躍を期待しておるぞ」
「はい。有難きお言葉、感謝致します」
「うむ。それはそうと、私に言わなければいけない事があるのではないか?」
「はい。少々お待ちください」
そう言うと、ヴィンセント様はくるりとこちらへ体を向け、私に手を差し出し柔らかい笑みを浮かべた。
「レイナ、おいで」
私の大好きなイケボイスで優しく呼ばれて、思わず胸が高鳴った。
「あ……はい」
ふわふわと浮かび上がりそうな感覚に包まれながら、ヴィンセント様の元へ引き寄せられる様に足を運ぶ。
差し出された手の平に自分の手を重ねると、その体の近くへと引き寄せられた。
「ご紹介申し上げます。私の婚約者、レイナです」
「あ……お初にお目にかかります! 私は北の辺境伯の娘でレイナと申します!」
予想外の事態の連続で、事前に練習していた国王陛下への挨拶の言葉など全て吹き飛んだ。
とにかく、必死に頭を下げて敬意を示すしかないと考えていると、頭上から軽快な笑い声が聞こえてきた。
「はっはっは! そう緊張する事はない。そなたの話は兄からよく聞いておった。健気にも毎年、感謝を綴った手紙を送ってくる可愛らしい令嬢がいると。手紙の返事を送ろうにも、『返事はいりません』と三回も書かれているから送る事も出来ないと嘆いておったぞ」
「え……?」
公爵様がそんな事を……?
「いつか息子と婚約させたいなどと目論んでおったが……まさか本当に実現させてしまうとは……。兄は昔から頭がよくキレる人物だったからな。……一時を除いてだが」
「……」
意味深に呟いたその言葉に、ヴィンセント様はグッと口を噤んだ。
「……ヴィンセント。お前は父親によく似ている。お前の父親が国王の座に就かなかったのは、決して無能だったからではない。優しすぎたからだ」
……国王陛下は気付いているんだ。
公爵様が、弟に国王の座を譲る為にわざと無能なふりをしていた事を――。
これもヴィンセント様の心の声を聞いていて、偶然知った真実だった。
公爵様はかつて、無駄な争いを避ける為に王位継承権を自ら手放した。自分が弟よりも劣る存在であることを周囲に知らしめ、誰もが納得する形で弟に王位継承権が渡るようにと根回しをしていたのだ。自分が無能だと皆から蔑まれることは容易に想像出来たはずなのに。
公爵様とヴィンセント様は似ている。
二人とも、誰かを守る為には自らが犠牲になる事もいとわない……とても優しい私の大好きな人達だ。
そんな優しい人に、国王陛下は言葉を続けた。
「だが、時には無情になる事も必要だ。本当に守るべき者を間違えるのではないぞ。……まあ、今のお前ならその事はよく理解しているようだがな」
「はい。重々承知しております」
真っすぐ言葉を返すヴィンセント様に、国王陛下は満足気に目を細める。
その姿は親戚のおじさんが成長した甥を見て感心する姿そのもの。……まあ、実際そうなのだけど。
だけど次の瞬間、親戚のおじさん……こと、国王陛下の瞳が鋭く尖る。その口からは一層低い声が出た。
「さて……どうやら今日、このめでたい場に相応しくない騒ぎを起こした者がいるようだな」
ぎくり……。
それって……扉を壊した件でしょうか……。
どうしよう。今から土下座したら許してくれるだろうか。
「そうです! 父上! 扉を壊したのはどうやらヴィンセントの婚約者で――ひぃっ!!?」
私を指さし声を上げた王太子殿下が突然悲鳴を漏らして顔を青ざめる。
こちらを見ているようだけど……いや、ヴィンセント様を見ているのかしら?
……ああ。分かった。ヴィンセント様が物凄い形相で王太子殿下を睨み付けているわ。
「私が言いたいのは扉の件ではない。あれは老朽化が進んでいたから、近いうちに新しい物と取り換えようと思っていたところだ。今更壊れたところで何の問題もない」
国王陛下……あなた、神ですか……?
思わず小さく拝んでしまう。
「問題があるのはお前の方だ。カロル」
「……はい?」
その言葉に、王太子殿下は気が抜けた返事をすると、パチパチと瞬きを繰り返す。
国王陛下は憎悪にも似た冷たい眼差しを王太子殿下へ向け、口を開いた。
「お前はさっき、この場でエミリア嬢に婚約破棄を申し立てたそうではないか」
「は……はい! そうです! 父上にもご報告しなければと思っていたのですが……。実は、エミリアは学園内で気に入らない女子生徒に悪事を働くような卑劣な女だったのです! そんな女性が王妃になるなど有り得ない事です! ですから彼女とは別れて、この心優しいクリスティーヌを新しい王妃にと――」
王太子殿下の言葉を最後まで聞く事もなく、国王陛下は唸る程大きく深い溜息を吐いた。
「お前は本当に何も分かっていないな……。エミリア嬢が何故お前の婚約者に選ばれたのか……」
「え……?」
「彼女を婚約者に選んだのは私だ。無駄な継承権争いを避ける為にも、長男であるという理由だけでお前に王位継承権を与えたが……とてもお前にこの国の王が務まるとは思わなかった。そこでアーデル侯爵家のエミリア嬢に王妃としてお前の足らない部分を補ってもらおうと思ったのだ。彼女はお前と違って有能で人望もあったからな。最初は首を縦に振ってはくれなかったが、なんとか頼み込んで承諾してもらった。それなのにも関わらず……何の相談も無しに婚約破棄を一方的に突きつけるとは……お前の無能さには呆れて言葉もでんわ」
「え……父上……そんな風に私の事を思っていたのですか……?」
「私だけでない。多くの者達が同じ様な事を思っているだろう」
「な……!?」
王太子殿下はバッと周りを見渡すが、誰もが視線を合わせようとしない。
どうやら、心の中で考えていた事は皆同じなようだ。
気の毒だけれど、私も国王陛下の言う通りだと思っているし。
「でも父上! 私はついに真実の愛を見つけたのです! 真実の愛さえあれば、きっと何もかもうまくいきます! この国もきっと愛の力で――」
「ほう。真実の愛とは、実に素晴らしいではないか。……聞いた話によると、その愛さえあれば、他に何もいらないと……?」
「は……はい! そうです! 彼女さえいてくれるのなら僕は――」
「ではカロル第一王子。今この場をもって、お前の王位継承権を剥奪する」
「……はい?」
「どうした? 真実の愛さえあれば、こんなもの不要なのだろう?」
「そ……それは……! でも……!」
「お前の様に後先考えずに婚約破棄する男にこの国を任せるつもりはない。幸いな事に息子はお前一人ではないからな。何の問題もない。それよりも、我が国がアーデル侯爵家によりどれだけ支えられているか知りもせずに勝手な事を……はあ。どう詫びれば良いのやら……いっその事カロルを国外追放するか……?」
「……父上?……今、なんと?」
国王陛下がボソリと呟いた冷たい一言に王太子殿下……いや、カロル王子はサーっと顔を青く染めた。
「とりあえず頭が痛いから私はもう帰る。とても祝えるような心境じゃないからな」
「そんな……父上……! お待ちください! 父上ぇぇ!!」
ガックリと肩を落として会場内から去って行く国王陛下を、カロル王子が必死に追いかけていく。
抜け殻の様になってしまっているクリスティーヌをこの場に残して。ねえ、この子あとでちゃんと回収してあげてよ……?
「レイナ、俺達も帰ろう。だが、その前にその手の傷をなんとかしないとな。どこか部屋を貸してもらおう」
「あ……はい」
ヴィンセント様に手を取られ、私達もすっかり騒がしくなった会場を後にした。
護衛騎士を両隣にたずさえ会場内へとやってきた国王陛下は、真っ先にヴィンセント様に声をかけた。
公爵様の弟でもある国王陛下は、その容姿も公爵様によく似ている。そしてヴィンセント様にも。
そのおかげもあってか、初めて拝見した国王陛下の姿に少しだけ親近感を覚えた。
ヴィンセント様は私の体からそっと手を離すと、国王陛下の元へと進み丁寧に頭を下げた。
「国王陛下。大変ご無沙汰しておりました。本日は父が病床に伏せており、ご挨拶に伺えず申し訳ありません」
「そうか。残念だが、それなら仕方あるまい」
そう言うと、国王陛下は伏せ目がちに目を背け、口元に手をあてて意味深に呟いた。
「……果たして、それが真実なのかは本人しか分からないが」
「……?」
真実……? 一体どういう意味だろう。
気になるけれど、国王陛下はその事に触れる事無く、再びヴィンセント様に話かけた。
「ヴィンセント。しばらく見ないうちに立派に成長したな。最近、お前に関して妙な噂を耳にしていたのだが……こうして見る限りだと何も心配いらないようだ。次期公爵として、今後の活躍を期待しておるぞ」
「はい。有難きお言葉、感謝致します」
「うむ。それはそうと、私に言わなければいけない事があるのではないか?」
「はい。少々お待ちください」
そう言うと、ヴィンセント様はくるりとこちらへ体を向け、私に手を差し出し柔らかい笑みを浮かべた。
「レイナ、おいで」
私の大好きなイケボイスで優しく呼ばれて、思わず胸が高鳴った。
「あ……はい」
ふわふわと浮かび上がりそうな感覚に包まれながら、ヴィンセント様の元へ引き寄せられる様に足を運ぶ。
差し出された手の平に自分の手を重ねると、その体の近くへと引き寄せられた。
「ご紹介申し上げます。私の婚約者、レイナです」
「あ……お初にお目にかかります! 私は北の辺境伯の娘でレイナと申します!」
予想外の事態の連続で、事前に練習していた国王陛下への挨拶の言葉など全て吹き飛んだ。
とにかく、必死に頭を下げて敬意を示すしかないと考えていると、頭上から軽快な笑い声が聞こえてきた。
「はっはっは! そう緊張する事はない。そなたの話は兄からよく聞いておった。健気にも毎年、感謝を綴った手紙を送ってくる可愛らしい令嬢がいると。手紙の返事を送ろうにも、『返事はいりません』と三回も書かれているから送る事も出来ないと嘆いておったぞ」
「え……?」
公爵様がそんな事を……?
「いつか息子と婚約させたいなどと目論んでおったが……まさか本当に実現させてしまうとは……。兄は昔から頭がよくキレる人物だったからな。……一時を除いてだが」
「……」
意味深に呟いたその言葉に、ヴィンセント様はグッと口を噤んだ。
「……ヴィンセント。お前は父親によく似ている。お前の父親が国王の座に就かなかったのは、決して無能だったからではない。優しすぎたからだ」
……国王陛下は気付いているんだ。
公爵様が、弟に国王の座を譲る為にわざと無能なふりをしていた事を――。
これもヴィンセント様の心の声を聞いていて、偶然知った真実だった。
公爵様はかつて、無駄な争いを避ける為に王位継承権を自ら手放した。自分が弟よりも劣る存在であることを周囲に知らしめ、誰もが納得する形で弟に王位継承権が渡るようにと根回しをしていたのだ。自分が無能だと皆から蔑まれることは容易に想像出来たはずなのに。
公爵様とヴィンセント様は似ている。
二人とも、誰かを守る為には自らが犠牲になる事もいとわない……とても優しい私の大好きな人達だ。
そんな優しい人に、国王陛下は言葉を続けた。
「だが、時には無情になる事も必要だ。本当に守るべき者を間違えるのではないぞ。……まあ、今のお前ならその事はよく理解しているようだがな」
「はい。重々承知しております」
真っすぐ言葉を返すヴィンセント様に、国王陛下は満足気に目を細める。
その姿は親戚のおじさんが成長した甥を見て感心する姿そのもの。……まあ、実際そうなのだけど。
だけど次の瞬間、親戚のおじさん……こと、国王陛下の瞳が鋭く尖る。その口からは一層低い声が出た。
「さて……どうやら今日、このめでたい場に相応しくない騒ぎを起こした者がいるようだな」
ぎくり……。
それって……扉を壊した件でしょうか……。
どうしよう。今から土下座したら許してくれるだろうか。
「そうです! 父上! 扉を壊したのはどうやらヴィンセントの婚約者で――ひぃっ!!?」
私を指さし声を上げた王太子殿下が突然悲鳴を漏らして顔を青ざめる。
こちらを見ているようだけど……いや、ヴィンセント様を見ているのかしら?
……ああ。分かった。ヴィンセント様が物凄い形相で王太子殿下を睨み付けているわ。
「私が言いたいのは扉の件ではない。あれは老朽化が進んでいたから、近いうちに新しい物と取り換えようと思っていたところだ。今更壊れたところで何の問題もない」
国王陛下……あなた、神ですか……?
思わず小さく拝んでしまう。
「問題があるのはお前の方だ。カロル」
「……はい?」
その言葉に、王太子殿下は気が抜けた返事をすると、パチパチと瞬きを繰り返す。
国王陛下は憎悪にも似た冷たい眼差しを王太子殿下へ向け、口を開いた。
「お前はさっき、この場でエミリア嬢に婚約破棄を申し立てたそうではないか」
「は……はい! そうです! 父上にもご報告しなければと思っていたのですが……。実は、エミリアは学園内で気に入らない女子生徒に悪事を働くような卑劣な女だったのです! そんな女性が王妃になるなど有り得ない事です! ですから彼女とは別れて、この心優しいクリスティーヌを新しい王妃にと――」
王太子殿下の言葉を最後まで聞く事もなく、国王陛下は唸る程大きく深い溜息を吐いた。
「お前は本当に何も分かっていないな……。エミリア嬢が何故お前の婚約者に選ばれたのか……」
「え……?」
「彼女を婚約者に選んだのは私だ。無駄な継承権争いを避ける為にも、長男であるという理由だけでお前に王位継承権を与えたが……とてもお前にこの国の王が務まるとは思わなかった。そこでアーデル侯爵家のエミリア嬢に王妃としてお前の足らない部分を補ってもらおうと思ったのだ。彼女はお前と違って有能で人望もあったからな。最初は首を縦に振ってはくれなかったが、なんとか頼み込んで承諾してもらった。それなのにも関わらず……何の相談も無しに婚約破棄を一方的に突きつけるとは……お前の無能さには呆れて言葉もでんわ」
「え……父上……そんな風に私の事を思っていたのですか……?」
「私だけでない。多くの者達が同じ様な事を思っているだろう」
「な……!?」
王太子殿下はバッと周りを見渡すが、誰もが視線を合わせようとしない。
どうやら、心の中で考えていた事は皆同じなようだ。
気の毒だけれど、私も国王陛下の言う通りだと思っているし。
「でも父上! 私はついに真実の愛を見つけたのです! 真実の愛さえあれば、きっと何もかもうまくいきます! この国もきっと愛の力で――」
「ほう。真実の愛とは、実に素晴らしいではないか。……聞いた話によると、その愛さえあれば、他に何もいらないと……?」
「は……はい! そうです! 彼女さえいてくれるのなら僕は――」
「ではカロル第一王子。今この場をもって、お前の王位継承権を剥奪する」
「……はい?」
「どうした? 真実の愛さえあれば、こんなもの不要なのだろう?」
「そ……それは……! でも……!」
「お前の様に後先考えずに婚約破棄する男にこの国を任せるつもりはない。幸いな事に息子はお前一人ではないからな。何の問題もない。それよりも、我が国がアーデル侯爵家によりどれだけ支えられているか知りもせずに勝手な事を……はあ。どう詫びれば良いのやら……いっその事カロルを国外追放するか……?」
「……父上?……今、なんと?」
国王陛下がボソリと呟いた冷たい一言に王太子殿下……いや、カロル王子はサーっと顔を青く染めた。
「とりあえず頭が痛いから私はもう帰る。とても祝えるような心境じゃないからな」
「そんな……父上……! お待ちください! 父上ぇぇ!!」
ガックリと肩を落として会場内から去って行く国王陛下を、カロル王子が必死に追いかけていく。
抜け殻の様になってしまっているクリスティーヌをこの場に残して。ねえ、この子あとでちゃんと回収してあげてよ……?
「レイナ、俺達も帰ろう。だが、その前にその手の傷をなんとかしないとな。どこか部屋を貸してもらおう」
「あ……はい」
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