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第一章
それは僕の物語
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もしも運命と言われるものが存在するのならば、もしも変えられない未来が存在するのならば、必ず成し遂げたいことを諦めるだろうか。
「あなたは、こんなことをしていていい人間じゃない」
そう言って赤髪の女はこちらを睨む。なぜこんなことになったのか、少し遡ってみよう。
僕は親がいない。現在は一人でアパートに住んでいる。お金はどうしてるか?僕にもわからない。いや、これが本当なんだ。今16歳の僕、那須与一は10歳から13歳の記憶がない。14歳の時、アパートに住んでいたところから記憶は始まる。そしてどこの誰かもわからない人から勝手に家賃を振り込まれている。
僕はこんな変な事情以外はただの高校生であった。いや、ただの高校生ではあるがもう一つ秘密がある。僕は未来を予測することができる。いや、厨二秒ではなく。なぜ予知ではないのかって?
まあ僕がしてるのが未来予知なことに間違いはない。だがその未来を知ってしまった僕はその未来と全く同じ行動はできない。だから未来は変わる。だがそれはその未来を知った僕の行動が変わるだけで世界は変わらない。だからまあほとんど未来予知のようなものだろう。
なぜこんな能力?があるのか。少なくとも10歳以前にこんなことができた記憶はない。その空白の四年間に何かあったのだろうな。
学校についていつも通りの日々を過ごすだけだった。そんな普通が永遠に続くと思っていたんだ。
帰り道に、僕はおそらく誘拐?されたのだろう。僕はその事実に気付くことすらできずに連れ去られた。そして今に至る。
「僕は君のことを知らないが君は僕のことを知っているような口ぶりだな」
僕が少々不機嫌そうにそういうと女はまあね、と答える。
「あなたは私と同じ。世界を救うために生まれてきた存在なの」
誘拐しておいてなんなんだこいつは。とんだ厨二病もいたもんだ。
「あなたも存在しない記憶があるんでしょ?」
その女の発言を聞いて厨二病と考えていた俺はそれを否定せざるを得ないのかもしれない。その事実は俺は誰にも話したことがないし、親もいない。ならばなぜこの女がそれを知っている?
「そしてあなたにも特殊能力がある。」
女はドヤ顔でそういう。そして俺は聞く。
「あなたにも、ということは君にもあるということか?」
女はそうよ、と答える。なるほど、やはり空白の四年間にこの能力の謎があるのに間違いはなさそうだ。
俺は少し待ってて、と言われて椅子に縛られている。少しして女はまた別の、綺麗な青髪の女の子を連れてくる。
「この子の特殊能力はね?記憶に干渉することができるの。だからこの子はその空白の四年間のことを覚えているの。それで私たちのことを教えてくれたの。」
言っている意味は分かった。だが信じるにたる根拠があるわけでもない。
「この子の話だとその四年間、私たちは一つの教室にいた。その教室で授業を受けていた。その生徒は14人。つまり、この世界のどこかに合わせて14人の特殊能力者がいるってわけ。」
女はそう話を続けた。
「あんなとそこの青髪の人の名前は?」
「私は水木、日向。この青髪の子は紀田、玉ちゃん。」
俺は続けて尋ねる。
「特殊能力やらの説明はわかった。だがなぜ僕をさらう必要があった?特殊能力で犯罪グループでも作るのか?」
「違う!この世界には危機が訪れるらしくて私たちはそれに対抗するために生まれた特殊能力を持つ人間なの」
女は続ける。
「元々は記憶が消える予定なんてなかった。だけど当時、能力者の一人がその能力で私たちに能力を与えたその機関を潰そうとした。なんとかそいつを押さえつけた機関はほぼ壊滅状態にあり、能力者たちが束になってその力を世界を救う以外のことに使うのを阻止できないことを理解した。それで全員の記憶を消して能力を忘れさせようとした。だが能力は体に定着していてみんなのことは忘れていても能力のことは思い出した。」
長い。興味もほとんどない。だが、俺がこの能力を持ち、そしてその教室にいたというので、無関係ではない。
「それで世界の敵に立ち向かうためにお前は仲間を集めてるというわけだな。」
女はうなずく。
僕の平穏な日々はこの女、水木日向のせいでなくなるだろう。だが、後に思う。この時に、あの未来が見えていたら。そう、思う。
「あなたは、こんなことをしていていい人間じゃない」
そう言って赤髪の女はこちらを睨む。なぜこんなことになったのか、少し遡ってみよう。
僕は親がいない。現在は一人でアパートに住んでいる。お金はどうしてるか?僕にもわからない。いや、これが本当なんだ。今16歳の僕、那須与一は10歳から13歳の記憶がない。14歳の時、アパートに住んでいたところから記憶は始まる。そしてどこの誰かもわからない人から勝手に家賃を振り込まれている。
僕はこんな変な事情以外はただの高校生であった。いや、ただの高校生ではあるがもう一つ秘密がある。僕は未来を予測することができる。いや、厨二秒ではなく。なぜ予知ではないのかって?
まあ僕がしてるのが未来予知なことに間違いはない。だがその未来を知ってしまった僕はその未来と全く同じ行動はできない。だから未来は変わる。だがそれはその未来を知った僕の行動が変わるだけで世界は変わらない。だからまあほとんど未来予知のようなものだろう。
なぜこんな能力?があるのか。少なくとも10歳以前にこんなことができた記憶はない。その空白の四年間に何かあったのだろうな。
学校についていつも通りの日々を過ごすだけだった。そんな普通が永遠に続くと思っていたんだ。
帰り道に、僕はおそらく誘拐?されたのだろう。僕はその事実に気付くことすらできずに連れ去られた。そして今に至る。
「僕は君のことを知らないが君は僕のことを知っているような口ぶりだな」
僕が少々不機嫌そうにそういうと女はまあね、と答える。
「あなたは私と同じ。世界を救うために生まれてきた存在なの」
誘拐しておいてなんなんだこいつは。とんだ厨二病もいたもんだ。
「あなたも存在しない記憶があるんでしょ?」
その女の発言を聞いて厨二病と考えていた俺はそれを否定せざるを得ないのかもしれない。その事実は俺は誰にも話したことがないし、親もいない。ならばなぜこの女がそれを知っている?
「そしてあなたにも特殊能力がある。」
女はドヤ顔でそういう。そして俺は聞く。
「あなたにも、ということは君にもあるということか?」
女はそうよ、と答える。なるほど、やはり空白の四年間にこの能力の謎があるのに間違いはなさそうだ。
俺は少し待ってて、と言われて椅子に縛られている。少しして女はまた別の、綺麗な青髪の女の子を連れてくる。
「この子の特殊能力はね?記憶に干渉することができるの。だからこの子はその空白の四年間のことを覚えているの。それで私たちのことを教えてくれたの。」
言っている意味は分かった。だが信じるにたる根拠があるわけでもない。
「この子の話だとその四年間、私たちは一つの教室にいた。その教室で授業を受けていた。その生徒は14人。つまり、この世界のどこかに合わせて14人の特殊能力者がいるってわけ。」
女はそう話を続けた。
「あんなとそこの青髪の人の名前は?」
「私は水木、日向。この青髪の子は紀田、玉ちゃん。」
俺は続けて尋ねる。
「特殊能力やらの説明はわかった。だがなぜ僕をさらう必要があった?特殊能力で犯罪グループでも作るのか?」
「違う!この世界には危機が訪れるらしくて私たちはそれに対抗するために生まれた特殊能力を持つ人間なの」
女は続ける。
「元々は記憶が消える予定なんてなかった。だけど当時、能力者の一人がその能力で私たちに能力を与えたその機関を潰そうとした。なんとかそいつを押さえつけた機関はほぼ壊滅状態にあり、能力者たちが束になってその力を世界を救う以外のことに使うのを阻止できないことを理解した。それで全員の記憶を消して能力を忘れさせようとした。だが能力は体に定着していてみんなのことは忘れていても能力のことは思い出した。」
長い。興味もほとんどない。だが、俺がこの能力を持ち、そしてその教室にいたというので、無関係ではない。
「それで世界の敵に立ち向かうためにお前は仲間を集めてるというわけだな。」
女はうなずく。
僕の平穏な日々はこの女、水木日向のせいでなくなるだろう。だが、後に思う。この時に、あの未来が見えていたら。そう、思う。
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