私、物語りを改竄します。だって、女神様が全否定するんだもん

紅月

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大した話題にもならないだろう

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「はい?ニール殿下が毒を盛られた?」

Sクラスで驚くアデル姿のアデリーンにケヴィンは残念そうに頷く。

「残念ながら毒は少量でしたので命には問題無いそうです」

そう言えば学院内が少し騒がしいな、と皆思っていた。
だが自国の王子が毒を盛られたとなれば大々的な捜査が行われる筈なのにその兆候は全く無い。

「残念って言葉の使い方が少し危ないぞ」

そう言うルーファスも残念そうな顔をしている。

「犯人は捕まったのか?」
「いえ調査中だそうですが、殿下はアデル様に疑いの目を向けている様です」

ケヴィンからの意外な言葉にアデリーンらしい表情で更にキョトンとする。

「私に?私がニール殿下に毒を盛って得することなどないが?」

学院内では甘い汁を吸おうと集る取り巻きは居るが従者や護衛官が居ないニールとは関わらない様配慮しているが、何故自分の名前が出るのかは余り気にならなかった。
だが、見過ごす訳にはいかない事案だ。

「ケヴィン。どういうルートでニール殿下がどの毒を口にしたか調べてくれ。菓子に混ぜたか、茶に入れたかでも本気度が分かるし、毒の種類も判別できるだろう」
「かしこまりました」

アデルらしく甘さや穏やかさのない口調にケヴィンは満足げに頷き、ルーファスとダグラスはため息を吐いた。

「ニールの頭が良いとは思っていなかったが、ここまで自惚れた阿保とは思っていなかったよ」
「えっ?」

ダグラスがキョトンとするアデルを見てまたため息を吐いた。

「犯人の意図を調べます」

何かに気が付いたのか、ケヴィンがこめかみに青筋をたてながらキビキビと部屋から出ていった。
だが、数日後ケヴィンは満足げな顔で

「ニール殿下の件は旦那様が直接調べるそうです」

と言えばルーファスが呆れた様に肩をすくめた。

「ニール殿下、終わったな」
「事が早く進みそうだと兄上達に伝えておくか」

ダグラスもこめかみに指を当てながらため息を吐いたがアデリーンだけはキョトンとしていた。
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