[完結]ヤンデレ・メリバは好きですか?

紅月

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彼女達のハッピーエンドは穏やかな時間

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セレナが修道院預かりになってから暫くしてデニスロード達は学園を卒業し、其々の道に進んだ。

カサンドラは学園を卒業後、1年の婚約期間を経てデニスロードと結婚し、すぐに懐妊した為、公務は控えて王太子妃として王宮で穏やかな日々を過ごしている。


リーヴシェランも学園を卒業後、女公爵として臣下になり、シオンナリスと結婚した後国王となるデニスロードを支えるべく内政で頭角を表し、シオンナリスも彼女を補佐した。


ジークハルトはマキリミリアを妻に迎え、フロランス伯爵家をいずれ継ぐ者として、デニスロードの側近の仕事に邁進している。


そして、アリアはと言うと

「旦那様。私もそろそろカサンドラ様の侍女として仕事をしたいのですが」

騎士服に身を包んだレオニアスにお願いをしているが、レオニアスはにっこり笑い

「子供がまだ小さいのです。無理はいけません」

と、やんわりダメ出しをされていた。

デニスロードの護衛騎士として王宮勤めとなったレオニアスの愛妻家ぶりは有名で、誰一人アリアに早く王太子妃の侍女の仕事に付け、とは言わない。



そんなある日の昼下がり、久しぶりにカサンドラのティールームに4人が集まった。

皆、結婚して子供もいるのに集まれば学園の時のような華やかで賑やかなティータイムに笑顔が溢れている。

「お久しぶりです。カーラ様、お加減はいかがですか?」

シェラが声を掛けると、ふっくらしたお腹に触れながら微笑んだ。

「悪阻も落ち着いて、最近はお腹を蹴っているの。こんなに元気だからまた男の子かもって言われているのよ」

赤い瞳には、既に母親としての愛情が溢れている。

「……ロード様の溺愛がすごいとクルト様が仰ってました」
「確かに。懐妊が分かってから、一切公務に出させない様にしていらっしゃいますもの」

シェラとマミの会話にアリーは困った顔でカーラを見た。

「すみません。旦那様が子供がまだ小さいから侍女の仕事に就かないようにと……」
「レニならそう言うと思ってたわ」
「旦那様の愛が深い、と言うことでしょうか?」

アリーが照れたように、カーラに笑いかけながら首を傾げる。

「一歩間違えば、ヤンデレですけどね」

マミの言葉に皆、コロコロと笑う。
愛を伴わない独占欲は恐怖だが、愛する人の独占欲は心地良い。
そんな幸せを感じるティータイムを彼女達は満喫していた。


次で完結します。
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