[完結]ヤンデレ・メリバは好きですか?

紅月

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味方のいないヒロイン

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「廊下は社交場では無いのだから、速やかに教室に戻りなさい」

シオンナリスが手を叩きながら生徒達を解散させ、チラッとセレナを見た。

「勉強をする気があるなら、備品室で買ってきなさい」
「えっ、破ったのはカサンドラ……」
「馬鹿か?落書きだらけのゴミだと思って破ったのは俺だぜ」

まだカサンドラが破った、と言い掛かりを付けようとしたセレナをBクラスの男子生徒が睨み付ける。

「ゴミならばきちっとゴミ箱に捨てなさい。片付けるのが面倒でしょ」

黒髪の女子生徒がうんざりしながら、本当にゴミになったノートをゴミ箱に捨てた。

「授業が始まります。他のクラスのもの達は自分のクラスに戻りなさい」

そう言い残し、シオンナリス先生はBクラスから出て行ってしまった。



「ノートの件はこちらで処理しておく」

デニスロードが数枚の書類をレオニアスから受け取り、軽く頷いた。

いくらいたずら書きばかりでも、個人の物を破損するのは罪になる。
この件に関しては、上手く立ち回ってくれたBクラスの男子生徒が罪に問われない様、デニスロードの方から手を回すつもりだ。

「次はリーヴシェラン殿下が泉のイベントは任せて欲しい、と仰ってました」

執務室だが、仕事がらみの為2人とも砕けた口調では無い。
だが、2人の目は獰猛な色を滲ませており、まともな仕事では無い様だ。

「私が叩き潰したいが、順番とやらが重要なんだろ」

するりと執務室に入ってきた黒髪の女子生徒をデニスロードがチラッと見る。

「はい。アイツにはゲームが順調に進んでいる様に思わせておかないと」

黒髪のかつらを外したマキシミリアが小さく頭を下げる。

「まったく、面倒だな」

デニスロードがため息混じりに今後の予定が書かれている紙を見ながら苦笑する。

「確かに。ですが、屋上イベントは細心の注意をしませんと」

レオニアスが泉のイベント後の所に視線を向けた。
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