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強い意志の力と弱い魅了魔法
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「魔法を打ち消されても、使った事は事実。制約を破った事として呪いは掛けられます」
アリーやマミは、なんとなくナリスから目を逸らした。
「フラグとやらをアイツに立てさせるか」
ロードの目が嗜虐的な光を滲ませている。
恋愛ゲームのフラグなんて、接触と会話がメイン。
物語の後半になってから障害となる悪役令嬢のいじめや妨害イベントがあるが、前半部分はこれがヤンデレゲームなのか、と気が抜けるほど平坦なものばかりだ。
すぐにロード達は無難な、出会いと会話のフラグを見繕いセレナ・コールに接触する事を決めた。
「マミ、この会話でデニー様がアイツに関心を持つか疑問なんですが」
カーラがマミのメモ帳を見ながら首を傾げる。
ちなみに、逆ハーフラグのデニスロードとの会話は、花壇の花が満開です、だった。
「私にも分かりません」
マミも疑問符だらけの頭を振り、チラッとナリス先生を見る。
アリーは既に理解する事を放棄しているかのように魔術大全集を読んでいる。
因みに、魔術大全集は魔法大辞典と同じ位、分厚い本だ。
ナリスは少々アリーの読書量に呆れながら、マミ達の質問に応えた。
「目を合わせることが重要なんです。魅了魔法の媒体は目ですから」
でも厄介な物では?と2人が思っていた。
数日後、カーラ達がソワソワしながら待っていると執務室の扉が開き、ロードとクルトが入ってきた。
「ナリス先生、思っていたとおりでした。あの女の力は弱い。薄い紙みたいな物でした」
ロードの言葉にカーラ達はホッとしたが、ナリス先生は首を振る。
「では、両手を使えなくされ、濡れた紙を何枚も被せられたらどうなりますか?」
ナリス先生の言葉にカーラ達は首を傾げたが、アリーとロード達は嫌そうに眉を顰める。
「息が詰まり、死にますね」
クルトの目が嫌悪感で鈍く光った。
「そうです。その人が持つ本来の意志や行動価値観が死に、相手の都合の良い人格を植え付けられます。それが魅了魔法です」
所謂、傀儡になるのだ。
「だから性格も好みも違うキャラが……。そんなの恋でもなんでもないじゃないですか」
マミが泣きそうになりながらクルトを見た。
「だから、そのゲームとやらに出ていない私が殿下の側にいる」
クルトの強い意志を感じ、カーラは頷いた。
アリーやマミは、なんとなくナリスから目を逸らした。
「フラグとやらをアイツに立てさせるか」
ロードの目が嗜虐的な光を滲ませている。
恋愛ゲームのフラグなんて、接触と会話がメイン。
物語の後半になってから障害となる悪役令嬢のいじめや妨害イベントがあるが、前半部分はこれがヤンデレゲームなのか、と気が抜けるほど平坦なものばかりだ。
すぐにロード達は無難な、出会いと会話のフラグを見繕いセレナ・コールに接触する事を決めた。
「マミ、この会話でデニー様がアイツに関心を持つか疑問なんですが」
カーラがマミのメモ帳を見ながら首を傾げる。
ちなみに、逆ハーフラグのデニスロードとの会話は、花壇の花が満開です、だった。
「私にも分かりません」
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因みに、魔術大全集は魔法大辞典と同じ位、分厚い本だ。
ナリスは少々アリーの読書量に呆れながら、マミ達の質問に応えた。
「目を合わせることが重要なんです。魅了魔法の媒体は目ですから」
でも厄介な物では?と2人が思っていた。
数日後、カーラ達がソワソワしながら待っていると執務室の扉が開き、ロードとクルトが入ってきた。
「ナリス先生、思っていたとおりでした。あの女の力は弱い。薄い紙みたいな物でした」
ロードの言葉にカーラ達はホッとしたが、ナリス先生は首を振る。
「では、両手を使えなくされ、濡れた紙を何枚も被せられたらどうなりますか?」
ナリス先生の言葉にカーラ達は首を傾げたが、アリーとロード達は嫌そうに眉を顰める。
「息が詰まり、死にますね」
クルトの目が嫌悪感で鈍く光った。
「そうです。その人が持つ本来の意志や行動価値観が死に、相手の都合の良い人格を植え付けられます。それが魅了魔法です」
所謂、傀儡になるのだ。
「だから性格も好みも違うキャラが……。そんなの恋でもなんでもないじゃないですか」
マミが泣きそうになりながらクルトを見た。
「だから、そのゲームとやらに出ていない私が殿下の側にいる」
クルトの強い意志を感じ、カーラは頷いた。
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