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トマトがもたらした報酬。
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バーニスの方は、アルレスにさっきあったことを報告すると、アルレスが嫌そうに顔を歪めた。
「あの害虫は、そんな馬鹿な事を言ったのか」
「害虫が言ってた事は意味が全く分かりませんが、トーラス侯爵令嬢に危害を加えようとした事は事実です。臣下である我々が王太子妃となられるあの方をお守りするのは当然です」
バーニスの引き締まった顔は、王国に忠誠を誓う者の清々しさに溢れている。
「報告、確かに聞いた。で、そのトマトはどうした?」
脇に置かれているトマトをアルレスが繁々と見れば、バーニスが照れたのか頬を掻きながら温室の話をした。
「生で食べられる、とは画期的だな。数は揃えられるか?」
「30ほどでしたら、すぐに用意が出来ます」
アルレスの言葉が信じられない、と言いたげだが、期待に口元が綻んでいる。
「じゃあ頼もう。明日、王宮の料理長に渡してくれ。料理長の納得したら正式な書類を出そう」
「ありがとうございます」
アルレスの言葉に、バーニスが勢い良く頭を下げる。
願ってもない販売ルート。
王宮で認められれば、男爵家の特産品として大々的に売り出せるのだ。
「トーラス侯爵令嬢をあの害虫から守ったのだから、これくらいの報酬があっても良いと思う」
アルレス本人は若干、火を通しても酸味の強すぎるトマトは苦手だが笑顔で頷いた。
次の日の食卓に上がったトマトは……。
ゼウリスもそうだが王と王妃が絶賛し、今までの、皮が硬く酸味が強いため、煮たりしないと食べ辛かったトマトが苦手だったアルレスが唯一完食出来る物として王家の食卓を彩る物として定着したのは当然の事だろう。
「あの害虫は、そんな馬鹿な事を言ったのか」
「害虫が言ってた事は意味が全く分かりませんが、トーラス侯爵令嬢に危害を加えようとした事は事実です。臣下である我々が王太子妃となられるあの方をお守りするのは当然です」
バーニスの引き締まった顔は、王国に忠誠を誓う者の清々しさに溢れている。
「報告、確かに聞いた。で、そのトマトはどうした?」
脇に置かれているトマトをアルレスが繁々と見れば、バーニスが照れたのか頬を掻きながら温室の話をした。
「生で食べられる、とは画期的だな。数は揃えられるか?」
「30ほどでしたら、すぐに用意が出来ます」
アルレスの言葉が信じられない、と言いたげだが、期待に口元が綻んでいる。
「じゃあ頼もう。明日、王宮の料理長に渡してくれ。料理長の納得したら正式な書類を出そう」
「ありがとうございます」
アルレスの言葉に、バーニスが勢い良く頭を下げる。
願ってもない販売ルート。
王宮で認められれば、男爵家の特産品として大々的に売り出せるのだ。
「トーラス侯爵令嬢をあの害虫から守ったのだから、これくらいの報酬があっても良いと思う」
アルレス本人は若干、火を通しても酸味の強すぎるトマトは苦手だが笑顔で頷いた。
次の日の食卓に上がったトマトは……。
ゼウリスもそうだが王と王妃が絶賛し、今までの、皮が硬く酸味が強いため、煮たりしないと食べ辛かったトマトが苦手だったアルレスが唯一完食出来る物として王家の食卓を彩る物として定着したのは当然の事だろう。
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