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属性判定の儀式
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学園では入学式の後、新入生達の属性を調べる儀式が行われた。
これによって、属性別の指導が決まるため、新入生達は必ず参加しなければならない。
上級生達も自分達の後輩が誰になるか、興味がある為参加する者も多い。
儀式が行われる講堂にはかなりの生徒達が集まり、ざわざわしている。
「テーミス様は王族に多い、光属性かしら?」
「王族に多い火属性かも知れませんね」
ミルフィリアが楽しそうに新入生達の列に並ぶテーミスを見ながらユーリアと話していると、ピンクの髪をした新入生がミルフィリアを睨み付けているのが見えた。
「あの女が、エリス・ガストンですわ」
ユーリアは爵位を付けて呼ぶ事もしない程、エリスを敵視している。
「そうね。あの方が言った、アクヤク令嬢って何かしら?サラに聞いても知らない、と言われて」
ミルフィリアは、困った顔で首を傾げる姿さえ美しく、列に並ぶ新入生達は頬を赤くしていた。
「きっと美しく、魔力の強い令嬢という意味でしょう。ミルフィリア様は王族特有の光属性だけで無く、水や風の属性もお持ちですから」
ユーリアのドヤ顔に、周りがうんうんと頷く。
魔力の属性は、火、水、風、緑、土の他に光や闇、そして聖の属性もある。
ミルフィリアは元々水と風の属性を持っていたが、ユーリア達と鍛錬を重ねた結果、光属性も開花させた。
「それでしたら、ユーリア様もアクヤク令嬢ですね。聖女アリアンナ様に匹敵する強い聖属性をお持ちだし、土属性も開花させてますもの」
強い魔力の血筋でなければ、複数の属性を持つことは並大抵の鍛錬では叶わないことで、だいたいは自分が持つ1つの属性を極める事が普通だ。
「ミルフィリア様と鍛錬するのが楽しくて、気が付いたら開花していたのです」
「まぁ、私もよ」
ミルフィリアが花が咲いたような笑顔をユーリアに向けると
「テーミス・オリンシア王女殿下。属性は光と火になります」
教師の声に新入生達がわぁ、と声を上げた。
光も火もどちらも強い魔力の属性。
流石、王族と誰もが誉めている。
「流石ですね。でも、あの女、すごい顔」
ユーリアがテーミスに感心してから、チラッとエリスの方を見た。
エリスは、テーミスを馬鹿にしたような顔をしているのだ。
「光属性の魔力以上の魔力なんて無いのに、何を考えているのかしら?」
「知らないのかもしれませんね。光属性は希少魔力で、王族や高位の貴族ですら滅多に持ってないから」
ユーリアに笑顔を向けながら、ほんわかとミルフィリアが言えば、そばに居た他の令嬢や令息達も頷いた。
これによって、属性別の指導が決まるため、新入生達は必ず参加しなければならない。
上級生達も自分達の後輩が誰になるか、興味がある為参加する者も多い。
儀式が行われる講堂にはかなりの生徒達が集まり、ざわざわしている。
「テーミス様は王族に多い、光属性かしら?」
「王族に多い火属性かも知れませんね」
ミルフィリアが楽しそうに新入生達の列に並ぶテーミスを見ながらユーリアと話していると、ピンクの髪をした新入生がミルフィリアを睨み付けているのが見えた。
「あの女が、エリス・ガストンですわ」
ユーリアは爵位を付けて呼ぶ事もしない程、エリスを敵視している。
「そうね。あの方が言った、アクヤク令嬢って何かしら?サラに聞いても知らない、と言われて」
ミルフィリアは、困った顔で首を傾げる姿さえ美しく、列に並ぶ新入生達は頬を赤くしていた。
「きっと美しく、魔力の強い令嬢という意味でしょう。ミルフィリア様は王族特有の光属性だけで無く、水や風の属性もお持ちですから」
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「ミルフィリア様と鍛錬するのが楽しくて、気が付いたら開花していたのです」
「まぁ、私もよ」
ミルフィリアが花が咲いたような笑顔をユーリアに向けると
「テーミス・オリンシア王女殿下。属性は光と火になります」
教師の声に新入生達がわぁ、と声を上げた。
光も火もどちらも強い魔力の属性。
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ユーリアがテーミスに感心してから、チラッとエリスの方を見た。
エリスは、テーミスを馬鹿にしたような顔をしているのだ。
「光属性の魔力以上の魔力なんて無いのに、何を考えているのかしら?」
「知らないのかもしれませんね。光属性は希少魔力で、王族や高位の貴族ですら滅多に持ってないから」
ユーリアに笑顔を向けながら、ほんわかとミルフィリアが言えば、そばに居た他の令嬢や令息達も頷いた。
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★おかげさまで完結致しました!そしてたくさんいただいた感想にやっとお返事が出来ました!本当に本当にありがとうございます、元気で最後まで書けたのは皆さまのお陰です!嬉し~~~~~!
これからも恋愛ジャンルもポチポチと書いて行きたいと思います。また趣味趣向に合うものがありましたら、お読みいただけるととっても嬉しいです!わーいわーい!
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