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歓喜の舞でも舞いましょうか?
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「良くあんなに短期間にばらばらだった殿下や公爵の意識を纏められたな」
ラウルがお世辞では無く、本気で感心したと褒めた。
「見るところが違いましたから。エメリア様の幸せを優先していれば、簡単でした」
国の為にバロー公爵家の後ろ盾が欲しかったレナード王太子殿下は、エメリア様を守りたいユーシス殿下の味方となり、あっという間にご自分の足場を固めた。
レナード王太子殿下の動きを見て、王としての可能性をみたバロー公爵はすぐに後ろ盾となったが、レナード王太子を甘く見て、公爵家の力を失いたく無いが、愚か者のバーナードや妾妃を排除したかった陛下と宮廷内の役人達にとってこの騒ぎは晴天の霹靂だろう。
大人達の思惑など気にもしないラティナはエメリアの幸せに比重を置いて物事を見て、行動していた。
この騒ぎのおかげで随分王宮内もスッキリするだろうが、陛下にとってはスッキリどころか無傷では済まない状況だ。
人望を集め、バロー公爵家の後ろ盾が付いたレナード王太子殿下は当然、国を危うくさせた責任を、何もしないでのうのうと玉座に座る陛下に取らせるつもりだろう。
実際、今の段階では国を危うくするのはレナード王太子殿下では無く、国王陛下の方だ。
ラティナは一旦思考を止め、目の前の騒ぎに視線を向けた。
「バーナード。もう一度聞く。お前はバロー公爵令嬢との婚約を破棄する、と言うのだな」
ユーシスがさり気なくエメリアの前に立ち、冷ややかにバーナードを見ている。
「そう言ってます。ですが、アズサに謝罪をするなら許してやるつもりです」
ここまでやっておいて、謝罪するなら許すと言う意味が分からない。
「やってもいない事に謝罪を、ね。バロー公爵令嬢、どうする?」
自分の後ろに立つエメリアへ、穏やかに声を掛けた。
「していない事への謝罪は致しません。ですので、婚約破棄は承ります」
毅然とした声で謝罪を拒否し、ユーシスを見詰めた。
「なんだと。俺がせっかく許してやる、と言ってやったのに。お前はそれでも……」
「分かった。この件は私の権限でバーナード、お前の願いを聞き入れよう。バロー公爵令嬢、バーナードとの婚約は此方の有責で破棄しよう。長い間苦労をかけたね」
壇上のレナード王太子は、公の場では謝罪の言葉を口にできないが、バーナードの言葉を遮り、エメリアに婚約の破棄を告げた。
「レナード王太子殿下。ありがとうございます」
「なっ」
エメリアの承諾の言葉にバーナードは慌てているが、やっとバーナードとの縁が切れてエメリアは内心、歓喜の舞でも舞っているに違いない。
ラウルがお世辞では無く、本気で感心したと褒めた。
「見るところが違いましたから。エメリア様の幸せを優先していれば、簡単でした」
国の為にバロー公爵家の後ろ盾が欲しかったレナード王太子殿下は、エメリア様を守りたいユーシス殿下の味方となり、あっという間にご自分の足場を固めた。
レナード王太子殿下の動きを見て、王としての可能性をみたバロー公爵はすぐに後ろ盾となったが、レナード王太子を甘く見て、公爵家の力を失いたく無いが、愚か者のバーナードや妾妃を排除したかった陛下と宮廷内の役人達にとってこの騒ぎは晴天の霹靂だろう。
大人達の思惑など気にもしないラティナはエメリアの幸せに比重を置いて物事を見て、行動していた。
この騒ぎのおかげで随分王宮内もスッキリするだろうが、陛下にとってはスッキリどころか無傷では済まない状況だ。
人望を集め、バロー公爵家の後ろ盾が付いたレナード王太子殿下は当然、国を危うくさせた責任を、何もしないでのうのうと玉座に座る陛下に取らせるつもりだろう。
実際、今の段階では国を危うくするのはレナード王太子殿下では無く、国王陛下の方だ。
ラティナは一旦思考を止め、目の前の騒ぎに視線を向けた。
「バーナード。もう一度聞く。お前はバロー公爵令嬢との婚約を破棄する、と言うのだな」
ユーシスがさり気なくエメリアの前に立ち、冷ややかにバーナードを見ている。
「そう言ってます。ですが、アズサに謝罪をするなら許してやるつもりです」
ここまでやっておいて、謝罪するなら許すと言う意味が分からない。
「やってもいない事に謝罪を、ね。バロー公爵令嬢、どうする?」
自分の後ろに立つエメリアへ、穏やかに声を掛けた。
「していない事への謝罪は致しません。ですので、婚約破棄は承ります」
毅然とした声で謝罪を拒否し、ユーシスを見詰めた。
「なんだと。俺がせっかく許してやる、と言ってやったのに。お前はそれでも……」
「分かった。この件は私の権限でバーナード、お前の願いを聞き入れよう。バロー公爵令嬢、バーナードとの婚約は此方の有責で破棄しよう。長い間苦労をかけたね」
壇上のレナード王太子は、公の場では謝罪の言葉を口にできないが、バーナードの言葉を遮り、エメリアに婚約の破棄を告げた。
「レナード王太子殿下。ありがとうございます」
「なっ」
エメリアの承諾の言葉にバーナードは慌てているが、やっとバーナードとの縁が切れてエメリアは内心、歓喜の舞でも舞っているに違いない。
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