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入学式から半年が経ち、似非ヒロイン達が流しラティナが潰した噂が2ダースをこえた。
何度撃退されてもこりない似非ヒロイン・アズサが懸命に、ゲーム通りにエメリアが嫌がらせをしている、と言う嘘の噂を流そうとしていたり、攻略対象の令息達が自分達の婚約者や恋人を怒鳴ったり脅していたりしていた。
だが、ゲーム内容など知らないラティナが表に出ず悉く先手を打ち噂の芽を潰している為、全くゲーム通りにならない事にアズサが苛立っているのを横目に、ラティナは密かにターニャ・ロイド伯爵令嬢、ダナエ・メルシアン公爵令嬢、そして図書館の司書のアンナ・カドニスと会い、現状報告を受けていた。
ラティナがお膳立てした事は攻略対象の彼らに知られず、概ね順調に進んでおり、ホッと胸を撫で下ろしていると3人から笑顔でお礼を言われていた。
「私は何も。全てレナード王太子殿下のご差配です」
計画はレナード王太子が指示しているが裏で動いているのは誰なのか、当然彼女達は知っている。
「それでも貴女にはお礼を言いたいの」
ダナエがうっすら涙を浮かべる目でラティナを見詰める。
美しい銀髪に見事なスターサファイアの髪飾りが煌めいて、幸せそうに微笑んでいる。
「私は……夢を諦めなくて良かったと。ロレンス男爵令嬢に最大の感謝を」
ターニャが騎士のような礼をして、太陽のような笑顔を見せた。
「ありがとうございます。ロレンス男爵令嬢に背中を押してもらったから、やっと一歩踏み出せました」
アンナが右手を差し出す。
「アンナさん。これからもロレンス商会をご贔屓に」
差し出された手を握ると、ぎゅっと力がこもった。
「勿論よ。うんと頼るつもりよ」
「ですが本番はこれからです。後は皆様の行動が正否を決めます」
ラティナの言葉に3人は頷き、それぞれの方向に足を向けた。
バーナード達が卒業するまであと3ヶ月を切った。
学園内でもバーナード達の醜聞が密かに囁かれていた噂が本当の事となり、気が付けば彼らの周りにはほとんど人が居なくなっていた。
ゲームでは、ヒロインに多くの協力者や友人が集まりエメリアが孤立している、と聞いていたが現実は真逆の状態である。
「さて、そろそろ始めますか」
ラティナの悪役っぽい笑みをエメリアが不思議そうに見たが、エメリアには、にっこりと笑った。
何度撃退されてもこりない似非ヒロイン・アズサが懸命に、ゲーム通りにエメリアが嫌がらせをしている、と言う嘘の噂を流そうとしていたり、攻略対象の令息達が自分達の婚約者や恋人を怒鳴ったり脅していたりしていた。
だが、ゲーム内容など知らないラティナが表に出ず悉く先手を打ち噂の芽を潰している為、全くゲーム通りにならない事にアズサが苛立っているのを横目に、ラティナは密かにターニャ・ロイド伯爵令嬢、ダナエ・メルシアン公爵令嬢、そして図書館の司書のアンナ・カドニスと会い、現状報告を受けていた。
ラティナがお膳立てした事は攻略対象の彼らに知られず、概ね順調に進んでおり、ホッと胸を撫で下ろしていると3人から笑顔でお礼を言われていた。
「私は何も。全てレナード王太子殿下のご差配です」
計画はレナード王太子が指示しているが裏で動いているのは誰なのか、当然彼女達は知っている。
「それでも貴女にはお礼を言いたいの」
ダナエがうっすら涙を浮かべる目でラティナを見詰める。
美しい銀髪に見事なスターサファイアの髪飾りが煌めいて、幸せそうに微笑んでいる。
「私は……夢を諦めなくて良かったと。ロレンス男爵令嬢に最大の感謝を」
ターニャが騎士のような礼をして、太陽のような笑顔を見せた。
「ありがとうございます。ロレンス男爵令嬢に背中を押してもらったから、やっと一歩踏み出せました」
アンナが右手を差し出す。
「アンナさん。これからもロレンス商会をご贔屓に」
差し出された手を握ると、ぎゅっと力がこもった。
「勿論よ。うんと頼るつもりよ」
「ですが本番はこれからです。後は皆様の行動が正否を決めます」
ラティナの言葉に3人は頷き、それぞれの方向に足を向けた。
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ゲームでは、ヒロインに多くの協力者や友人が集まりエメリアが孤立している、と聞いていたが現実は真逆の状態である。
「さて、そろそろ始めますか」
ラティナの悪役っぽい笑みをエメリアが不思議そうに見たが、エメリアには、にっこりと笑った。
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