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ラティナはとんでもない才女
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「この学園では、令息は令嬢の意見を聞かず恫喝し、暴力を振るう事を許しているのですね」
サッとエメリアの前に立ち、冷静な目で周りの生徒達を見るラティナの姿にオロオロしていた他の生徒達がハッとして、首を横に振った。
「コイツは俺の婚約者だ。俺がどう扱おうと勝手だ」
「なるほど。婚約者はモノ扱いにしても良い、と言う事ですか」
高飛車なバーナードの言葉にラティナは更に言葉をぶつける。
本来ならラティナの態度は不敬だと言われるが、此処は学園。身分でとやかく言われる事はほぼない。
ついでに言えば、貴族のルールでは名乗りあって無いので一応、知らない者同士になる。既に知ってるけどね。
「そんな訳ない。弟が失礼をした」
突然声を掛けてきた人物に、ラティナは驚いて目を見開いた。
「学園内では身分を問わない、とありますが、モルディアの若き太陽、ユーシス第二王子殿下に拝謁でき、光栄です」
見事な金髪に蒼い目をした美丈夫のユーシス。
半年程早く生まれたので、バーナードと同じ歳だが、名目上は兄になる。
バーナードよりは厳つい感じだが、誠実さが滲み出る様な態度にラティナはカーテシーではなく、自然と右手を胸に当てる臣下の礼をとった。
「お前……」
自分との態度の違いにバーナードが怒鳴りそうになると、ユーシスがすぐにラティナに声を掛けた。
「堅苦しい挨拶は好きでは無い。頭を上げてくれ。エメリア嬢、彼女は?」
「同じクラスのラティナ・ロレンス男爵令嬢です」
怯えていたエメリアもユーシスに軽く頭を下げてから、ラティナを紹介した。
「ラティナ・ロレンス男爵令嬢!入学試験を満点で合格した、噂の令嬢か。俺はユーシス・モルディアだ」
ユーシスの驚きの声にカフェに居た者達もラティナを凝視した。
今年入学した、一つ年下のとんでもない才女。
来年入学予定の彼女の優秀さを高く評価した学園の幹部達が特例で入学を認めた、と言うか幹部達に何処かに留学する前に入学してくれ、と懇願させた逸材である。
噂は聞いていたが、本人を見たのは皆初めてだった。
「我が家の教師陣のお陰です」
驕り高ぶらないラティナの冷静な対応に、カフェにいた生徒達の好感度が上がる。
ユーシスも頷き、ちらりとバーナードを見てからラティナに声を掛けた。
「で、バーナードの言い分は?」
「婚約者なのだから入学の挨拶に来い、だそうです。入学を祝うなら挨拶に来るのは殿下の方だと思いますが」
偉いんだから俺を敬え、褒め称えろ跪けと言いたげな態度だ。
権力しか取り柄がない人物あるあるだ。
「やれやれ。エメリア嬢、ロレンス男爵令嬢、入学おめでとう。有意義な学生生活を送って欲しい」
呆れた、と言いたげな目でバーナードを見てから、ユーシスはエメリア達に祝いの言葉を送った。
「ありがとうございます。ユーシス殿下、ラティナがお伺いしたい事があるので、お時間を頂戴しても宜しいでしょうか?」
すかさずエメリアがさっきの事を願い出ると、ユーシスも頷き今なら時間がある、と承諾した。
「此処は騒がしいから、俺の使うサロンに移動するか」
其処ならバーナードの入室を許可していないから大丈夫だ、と目が言っている。
「お心遣い感謝します」
ラティナがサッとお礼を言えば、エメリアも嬉しそうに微笑んだ。
サッとエメリアの前に立ち、冷静な目で周りの生徒達を見るラティナの姿にオロオロしていた他の生徒達がハッとして、首を横に振った。
「コイツは俺の婚約者だ。俺がどう扱おうと勝手だ」
「なるほど。婚約者はモノ扱いにしても良い、と言う事ですか」
高飛車なバーナードの言葉にラティナは更に言葉をぶつける。
本来ならラティナの態度は不敬だと言われるが、此処は学園。身分でとやかく言われる事はほぼない。
ついでに言えば、貴族のルールでは名乗りあって無いので一応、知らない者同士になる。既に知ってるけどね。
「そんな訳ない。弟が失礼をした」
突然声を掛けてきた人物に、ラティナは驚いて目を見開いた。
「学園内では身分を問わない、とありますが、モルディアの若き太陽、ユーシス第二王子殿下に拝謁でき、光栄です」
見事な金髪に蒼い目をした美丈夫のユーシス。
半年程早く生まれたので、バーナードと同じ歳だが、名目上は兄になる。
バーナードよりは厳つい感じだが、誠実さが滲み出る様な態度にラティナはカーテシーではなく、自然と右手を胸に当てる臣下の礼をとった。
「お前……」
自分との態度の違いにバーナードが怒鳴りそうになると、ユーシスがすぐにラティナに声を掛けた。
「堅苦しい挨拶は好きでは無い。頭を上げてくれ。エメリア嬢、彼女は?」
「同じクラスのラティナ・ロレンス男爵令嬢です」
怯えていたエメリアもユーシスに軽く頭を下げてから、ラティナを紹介した。
「ラティナ・ロレンス男爵令嬢!入学試験を満点で合格した、噂の令嬢か。俺はユーシス・モルディアだ」
ユーシスの驚きの声にカフェに居た者達もラティナを凝視した。
今年入学した、一つ年下のとんでもない才女。
来年入学予定の彼女の優秀さを高く評価した学園の幹部達が特例で入学を認めた、と言うか幹部達に何処かに留学する前に入学してくれ、と懇願させた逸材である。
噂は聞いていたが、本人を見たのは皆初めてだった。
「我が家の教師陣のお陰です」
驕り高ぶらないラティナの冷静な対応に、カフェにいた生徒達の好感度が上がる。
ユーシスも頷き、ちらりとバーナードを見てからラティナに声を掛けた。
「で、バーナードの言い分は?」
「婚約者なのだから入学の挨拶に来い、だそうです。入学を祝うなら挨拶に来るのは殿下の方だと思いますが」
偉いんだから俺を敬え、褒め称えろ跪けと言いたげな態度だ。
権力しか取り柄がない人物あるあるだ。
「やれやれ。エメリア嬢、ロレンス男爵令嬢、入学おめでとう。有意義な学生生活を送って欲しい」
呆れた、と言いたげな目でバーナードを見てから、ユーシスはエメリア達に祝いの言葉を送った。
「ありがとうございます。ユーシス殿下、ラティナがお伺いしたい事があるので、お時間を頂戴しても宜しいでしょうか?」
すかさずエメリアがさっきの事を願い出ると、ユーシスも頷き今なら時間がある、と承諾した。
「此処は騒がしいから、俺の使うサロンに移動するか」
其処ならバーナードの入室を許可していないから大丈夫だ、と目が言っている。
「お心遣い感謝します」
ラティナがサッとお礼を言えば、エメリアも嬉しそうに微笑んだ。
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