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最強のアサシンの暗躍 1人目の処分
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ルシルの態度にユリアスが諦めた様なため息を吐いた。
「何処から聞きたいですか?」
「アーネストお祖父様が何をしたかだ」
とうとう今回は王家の影であり最強のアサシンであり、諜報部員でもあるクリスタル子爵本人が暗躍したので、詳細が身内にさえ知らされていない。
ユリアスが詳細を知っているのは、ウィリアム陛下から直接聞いた為だ。
「キュビックとやらは背後でラスティックの謀反人達が後押しをしていた。そちらは既にラスティック王が処分した」
ユリアスはゆっくりとアーネストが暗躍した件を話し始めた。
アレキサンド王国に忠誠を誓うラスティック王に不満を持っていた一部の貴族が、ラスティックに隠れ住んでいたキュビックを唆し、アレキサンド王国を陥れようとしていたが、杜撰な計画はあっという間に潰され、謀反を起こそうとしていた者達は全て排除された。
これが公になると国同士の問題になる為全て極秘で片付けられた。
フローラに渡された違法アイテムは、キュビックの母親がジルコニア家の形見として持っていたもので、母親は使うつもりなど無かった。
精神干渉魔法の件は、魔力の強いマリアーナを下僕にしようと魔力量は少ないがレベルだけは高かったキュビック本人が行ったと言う。
「はっ、あんな小物がマリを下僕に出来ると思ってたのか?」
ラファエルが鼻で笑う。
「思っていたのだろ。理解できないが。それで、キュビックは?」
「何も。一生地下の暗い場所に放置されるだけだ」
「軽いな」
ユリアスの言葉にラファエルが眉を顰めたが、ルシルは冷たい笑みを浮かべる。
「光の無い、音も無い場所でどれだけもつか興味深いな」
よほど強い精神力がなければ、人は光も音も無い世界で正気を保つことは出来ない。恐怖と幻覚に苛まれ、精神を崩壊させるのも時間の問題だろう。
処刑する価値も無い男は、勝手に自滅するよう仕向けたのだ。
「何処から聞きたいですか?」
「アーネストお祖父様が何をしたかだ」
とうとう今回は王家の影であり最強のアサシンであり、諜報部員でもあるクリスタル子爵本人が暗躍したので、詳細が身内にさえ知らされていない。
ユリアスが詳細を知っているのは、ウィリアム陛下から直接聞いた為だ。
「キュビックとやらは背後でラスティックの謀反人達が後押しをしていた。そちらは既にラスティック王が処分した」
ユリアスはゆっくりとアーネストが暗躍した件を話し始めた。
アレキサンド王国に忠誠を誓うラスティック王に不満を持っていた一部の貴族が、ラスティックに隠れ住んでいたキュビックを唆し、アレキサンド王国を陥れようとしていたが、杜撰な計画はあっという間に潰され、謀反を起こそうとしていた者達は全て排除された。
これが公になると国同士の問題になる為全て極秘で片付けられた。
フローラに渡された違法アイテムは、キュビックの母親がジルコニア家の形見として持っていたもので、母親は使うつもりなど無かった。
精神干渉魔法の件は、魔力の強いマリアーナを下僕にしようと魔力量は少ないがレベルだけは高かったキュビック本人が行ったと言う。
「はっ、あんな小物がマリを下僕に出来ると思ってたのか?」
ラファエルが鼻で笑う。
「思っていたのだろ。理解できないが。それで、キュビックは?」
「何も。一生地下の暗い場所に放置されるだけだ」
「軽いな」
ユリアスの言葉にラファエルが眉を顰めたが、ルシルは冷たい笑みを浮かべる。
「光の無い、音も無い場所でどれだけもつか興味深いな」
よほど強い精神力がなければ、人は光も音も無い世界で正気を保つことは出来ない。恐怖と幻覚に苛まれ、精神を崩壊させるのも時間の問題だろう。
処刑する価値も無い男は、勝手に自滅するよう仕向けたのだ。
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