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3度も続けば裏がある

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「三度目ともなると、裏があるとしか思えないね」

我が家のサロンにいつものメンバーが手紙が届くと呼んでもいないのに揃った。
ルシルがマリアーナの元に届いた手紙に目を向けながら髪をかき上げた。

「今度はニクラスさんですか」

やはり私に謝罪ついでに呼び出しの手紙を送るのが流行っているようです。

「話は変わるが、外交ルートで確かめたところ、ラスティックに厄介な生き残りが居るそうだ」

何故外交ルート?と思いましたが、あのアイテムの出処を探していたのですか。
すっかり忘れてました。

ミカリスお兄様が書類の束をルシルお兄様に渡していますが、私も見たいです。

「ラスティック?彼方はアレキサンド王国に忠誠を誓う国の筈ですが」
「阿呆は何処にでもいる」

ミカリスお兄様、それでは説明になってません。

「ジルコニアか。厄介この上ない奴だ」

ユリアス様が苦い顔で報告書を読んでますが、貴方のおかげで点の様に散らばっていた事案が形になって来ました。

「確認したい事がありますので、一度学園に行ってきます」

学園はまだ休みでしょうから、急ぎの理由が無くても入れる筈です。

「アイテム探しか?」
「アイテムはもう回収されてしまったと思います。ですが……」

どうしても気になる場所がある。

「学園には話を入れておこう」

ユリアス様が頷いた。



次の日、確かめる為に学園に向かうと青褪めた顔の学園長が正門で待っていた。

「お待ちしておりました」
「ご配慮、感謝します」

ユリアス様が丁寧に学園長に挨拶をし、門をくぐった。

ユリアス様。宰相の名前で圧力掛けましたね。学園長の冷や汗が滝のようです。

「場所は、あのガゼボだな」
「はい」

今回もユリアス様の同行を断れませんでしたが、2人で行動する事も慣れて来ました。


閑散としたガゼボの真ん中にあるテーブル。掠れた彫刻は指でなぞると微かに分かる。

「やはり、此処が出発点です」
「テーブルに仕掛けがあるのか?」

ゆっくりと学生の頃を思い出して仮説を話し始めた。

学生の頃、此処はサロンを使えない下位貴族達が時折使う場所だった。
デブリ男爵令嬢や攻略対象の彼らも人目を避けて此処で過ごす事が多かった。

「よく此処で、フローラさん達は5人で話をしていました」
「5人?」
「はい。フローラさんと令息達3人。そしてあの伯爵令嬢で5人です」

あの伯爵令嬢、と言うユリアス様が思い出そうと眉を顰める。

「何処の伯爵家だ?」
「卒業式の後、こちらに来た後謝罪に来たあの方です」
「あれか」

縦ロールが印象的な方でしたね。

「ルシルが調べたところ、あれの精神状態が普通じゃない、と言っていたが今までのと関係あるのか?」

ユリアス様、ナイス情報です。

「おそらくあると思います。フローラさんも放置していたら更に精神が崩壊し、暴れていたでしょう」

奇妙な連動性に、やっと法則が分かった気がします。

「魔法陣の基本である五芒星は一筆書きですから」
「その説明で理解しろって言うなよ」

既に理解している方が、何を言っているんですか。
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