[完結]悪役令嬢に転生しました。冤罪からの断罪エンド?喜んで

紅月

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虫だけに無視する?

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「だが、もう良い。ウィンチェスト公爵、残りのもの達の罪状を読み上げよ」

ドルエステ陛下の目は既にアーロン達から外れ、ウィンチェスト公爵は静かに頷き残りのもの達の罪状を読み上げ始めた。

側妃エローナは、学生の時ドルエステ陛下に擦り寄った元男爵令嬢の方法と、自分の美貌を武器に、ドルエステ陛下を籠絡して贅沢な生活を手に入れようと宰相ダラス・フォス伯爵と手を組み、ドルエステ陛下の周りをたらし込みながらダラス・フォス伯爵の愛人となった。

ダラス・フォス伯爵は、宰相と言う高い地位に就きながら更に強い権力を手に入れる為、王妃ファビアナの食事に避妊薬を混ぜ世継ぎが生まれない様にし、愛人のエローナを側妃に推薦した。

王家の為にドルエステ陛下は仕方なくエローナを側妃にしたが、たった一度の行為でアーロン達を身籠った事に疑問を持ち、極秘に調べ、エローナとダラス・フォス伯爵の不貞を突き止めた。

驚くほど杜撰な2人の奸計を知ったが、ドルエステ陛下は、自分の周りのもの達も含め静観する事を決めた。
万が一、生まれてくる子が王の血を引く子供であるかもと危惧していたからだ。

それと平行して王を欺き、ファビアナ王妃に避妊薬を飲ませていた者を極秘に処分した事で、少し遅れてだがファビアナ王妃も懐妊した。

「血筋の大切さも理解しているが、親の罪を子に負わせるのはおかしいからな」

アーロン達の資質をまず見極めようと、3人が生まれた後も静観していたが、ドルエステ陛下の思いをアーロン達は自ら踏み躙ったのだ。

ドルエステ陛下の告発を聞きながら、アレキサンドラは別の事を考えていた。

現実に比べると、ゲームって薄っぺらいのね。
それなのに、ゲームの中に転生してやれ悪役令嬢だの、断罪エンドなどと大慌てしていた自分の、なんて小さい事。

ゲームでは取り巻きは居たけど、助けてくれる友人が居なかった悪役令嬢は自分のせいで断罪されたけど、現実の私には、頼もしい家族や友人達が居て怖い事なんて無い。
ちょっと……、うんにゃ、かなり火力が強い家族や友達だけどね。

多分、ミアさんもそこに気が付いたから、アドリアーナ様の侍女になる事を決めたんだろう。
ヒロインだから、なんて頭がお花畑で舞い上がって断罪に手を貸していたら間違いなく潰された、と思う。

陛下の告発内容……。
ゲームには出来ないよね。
恋愛を重視する乙女ゲームには重すぎる内容だもん。

本当にぼんやりそんな事を考えていたら、床の方から叫び声が上がった。

「ならば、取り返すチャンスを。アレキサンドラを婚約者として、いえ妻として愛し国の為に働きます」

アーロン殿下、違ったアーロン様の悪足掻きに私は唖然としてしまったけど、アドリアーナ様達は冷ややかに見ている。
ドルエステ陛下が、そんな薄っぺらい言葉で宣言された事を撤回なんてしないのに。

「冬だと言うのに、羽虫がいる様だ」

まっ、ドルエステ陛下はアーロン様自体を完全に無視されたけど。
虫だけに?
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