34 / 44
虫だけに無視する?
しおりを挟む
「だが、もう良い。ウィンチェスト公爵、残りのもの達の罪状を読み上げよ」
ドルエステ陛下の目は既にアーロン達から外れ、ウィンチェスト公爵は静かに頷き残りのもの達の罪状を読み上げ始めた。
側妃エローナは、学生の時ドルエステ陛下に擦り寄った元男爵令嬢の方法と、自分の美貌を武器に、ドルエステ陛下を籠絡して贅沢な生活を手に入れようと宰相ダラス・フォス伯爵と手を組み、ドルエステ陛下の周りをたらし込みながらダラス・フォス伯爵の愛人となった。
ダラス・フォス伯爵は、宰相と言う高い地位に就きながら更に強い権力を手に入れる為、王妃ファビアナの食事に避妊薬を混ぜ世継ぎが生まれない様にし、愛人のエローナを側妃に推薦した。
王家の為にドルエステ陛下は仕方なくエローナを側妃にしたが、たった一度の行為でアーロン達を身籠った事に疑問を持ち、極秘に調べ、エローナとダラス・フォス伯爵の不貞を突き止めた。
驚くほど杜撰な2人の奸計を知ったが、ドルエステ陛下は、自分の周りのもの達も含め静観する事を決めた。
万が一、生まれてくる子が王の血を引く子供であるかもと危惧していたからだ。
それと平行して王を欺き、ファビアナ王妃に避妊薬を飲ませていた者を極秘に処分した事で、少し遅れてだがファビアナ王妃も懐妊した。
「血筋の大切さも理解しているが、親の罪を子に負わせるのはおかしいからな」
アーロン達の資質をまず見極めようと、3人が生まれた後も静観していたが、ドルエステ陛下の思いをアーロン達は自ら踏み躙ったのだ。
ドルエステ陛下の告発を聞きながら、アレキサンドラは別の事を考えていた。
現実に比べると、ゲームって薄っぺらいのね。
それなのに、ゲームの中に転生してやれ悪役令嬢だの、断罪エンドなどと大慌てしていた自分の、なんて小さい事。
ゲームでは取り巻きは居たけど、助けてくれる友人が居なかった悪役令嬢は自分のせいで断罪されたけど、現実の私には、頼もしい家族や友人達が居て怖い事なんて無い。
ちょっと……、うんにゃ、かなり火力が強い家族や友達だけどね。
多分、ミアさんもそこに気が付いたから、アドリアーナ様の侍女になる事を決めたんだろう。
ヒロインだから、なんて頭がお花畑で舞い上がって断罪に手を貸していたら間違いなく潰された、と思う。
陛下の告発内容……。
ゲームには出来ないよね。
恋愛を重視する乙女ゲームには重すぎる内容だもん。
本当にぼんやりそんな事を考えていたら、床の方から叫び声が上がった。
「ならば、取り返すチャンスを。アレキサンドラを婚約者として、いえ妻として愛し国の為に働きます」
アーロン殿下、違ったアーロン様の悪足掻きに私は唖然としてしまったけど、アドリアーナ様達は冷ややかに見ている。
ドルエステ陛下が、そんな薄っぺらい言葉で宣言された事を撤回なんてしないのに。
「冬だと言うのに、羽虫がいる様だ」
まっ、ドルエステ陛下はアーロン様自体を完全に無視されたけど。
虫だけに?
ドルエステ陛下の目は既にアーロン達から外れ、ウィンチェスト公爵は静かに頷き残りのもの達の罪状を読み上げ始めた。
側妃エローナは、学生の時ドルエステ陛下に擦り寄った元男爵令嬢の方法と、自分の美貌を武器に、ドルエステ陛下を籠絡して贅沢な生活を手に入れようと宰相ダラス・フォス伯爵と手を組み、ドルエステ陛下の周りをたらし込みながらダラス・フォス伯爵の愛人となった。
ダラス・フォス伯爵は、宰相と言う高い地位に就きながら更に強い権力を手に入れる為、王妃ファビアナの食事に避妊薬を混ぜ世継ぎが生まれない様にし、愛人のエローナを側妃に推薦した。
王家の為にドルエステ陛下は仕方なくエローナを側妃にしたが、たった一度の行為でアーロン達を身籠った事に疑問を持ち、極秘に調べ、エローナとダラス・フォス伯爵の不貞を突き止めた。
驚くほど杜撰な2人の奸計を知ったが、ドルエステ陛下は、自分の周りのもの達も含め静観する事を決めた。
万が一、生まれてくる子が王の血を引く子供であるかもと危惧していたからだ。
それと平行して王を欺き、ファビアナ王妃に避妊薬を飲ませていた者を極秘に処分した事で、少し遅れてだがファビアナ王妃も懐妊した。
「血筋の大切さも理解しているが、親の罪を子に負わせるのはおかしいからな」
アーロン達の資質をまず見極めようと、3人が生まれた後も静観していたが、ドルエステ陛下の思いをアーロン達は自ら踏み躙ったのだ。
ドルエステ陛下の告発を聞きながら、アレキサンドラは別の事を考えていた。
現実に比べると、ゲームって薄っぺらいのね。
それなのに、ゲームの中に転生してやれ悪役令嬢だの、断罪エンドなどと大慌てしていた自分の、なんて小さい事。
ゲームでは取り巻きは居たけど、助けてくれる友人が居なかった悪役令嬢は自分のせいで断罪されたけど、現実の私には、頼もしい家族や友人達が居て怖い事なんて無い。
ちょっと……、うんにゃ、かなり火力が強い家族や友達だけどね。
多分、ミアさんもそこに気が付いたから、アドリアーナ様の侍女になる事を決めたんだろう。
ヒロインだから、なんて頭がお花畑で舞い上がって断罪に手を貸していたら間違いなく潰された、と思う。
陛下の告発内容……。
ゲームには出来ないよね。
恋愛を重視する乙女ゲームには重すぎる内容だもん。
本当にぼんやりそんな事を考えていたら、床の方から叫び声が上がった。
「ならば、取り返すチャンスを。アレキサンドラを婚約者として、いえ妻として愛し国の為に働きます」
アーロン殿下、違ったアーロン様の悪足掻きに私は唖然としてしまったけど、アドリアーナ様達は冷ややかに見ている。
ドルエステ陛下が、そんな薄っぺらい言葉で宣言された事を撤回なんてしないのに。
「冬だと言うのに、羽虫がいる様だ」
まっ、ドルエステ陛下はアーロン様自体を完全に無視されたけど。
虫だけに?
158
お気に入りに追加
322
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢は永眠しました
詩海猫
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」
長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。
だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。
ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」
*思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m

婚約者の態度が悪いので婚約破棄を申し出たら、えらいことになりました
神村 月子
恋愛
貴族令嬢アリスの婚約者は、毒舌家のラウル。
彼と会うたびに、冷たい言葉を投げつけられるし、自分よりも妹のソフィといるほうが楽しそうな様子を見て、アリスはとうとう心が折れてしまう。
「それならば、自分と妹が婚約者を変わればいいのよ」と思い付いたところから、えらいことになってしまうお話です。
登場人物たちの不可解な言動の裏に何があるのか、謎解き感覚でお付き合いください。
※当作品は、「小説家になろう」、「カクヨム」にも掲載しています
【完結】恋は、終わったのです
楽歩
恋愛
幼い頃に決められた婚約者、セオドアと共に歩む未来。それは決定事項だった。しかし、いつしか冷たい現実が訪れ、彼の隣には別の令嬢の笑顔が輝くようになる。
今のような関係になったのは、いつからだったのだろう。
『分からないだろうな、お前のようなでかくて、エマのように可愛げのない女には』
身長を追い越してしまった時からだろうか。
それとも、特進クラスに私だけが入った時だろうか。
あるいは――あの子に出会った時からだろうか。
――それでも、リディアは平然を装い続ける。胸に秘めた思いを隠しながら。
婚約破棄をされた悪役令嬢は、すべてを見捨てることにした
アルト
ファンタジー
今から七年前。
婚約者である王太子の都合により、ありもしない罪を着せられ、国外追放に処された一人の令嬢がいた。偽りの悪業の経歴を押し付けられ、人里に彼女の居場所はどこにもなかった。
そして彼女は、『魔の森』と呼ばれる魔窟へと足を踏み入れる。
そして現在。
『魔の森』に住まうとある女性を訪ねてとある集団が彼女の勧誘にと向かっていた。
彼らの正体は女神からの神託を受け、結成された魔王討伐パーティー。神託により指名された最後の一人の勧誘にと足を運んでいたのだが——。

「平民との恋愛を選んだ王子、後悔するが遅すぎる」
ゆる
恋愛
平民との恋愛を選んだ王子、後悔するが遅すぎる
婚約者を平民との恋のために捨てた王子が見た、輝く未来。
それは、自分を裏切ったはずの侯爵令嬢の背中だった――。
グランシェル侯爵令嬢マイラは、次期国王の弟であるラウル王子の婚約者。
将来を約束された華やかな日々が待っている――はずだった。
しかしある日、ラウルは「愛する平民の女性」と結婚するため、婚約破棄を一方的に宣言する。
婚約破棄の衝撃、社交界での嘲笑、周囲からの冷たい視線……。
一時は心が折れそうになったマイラだが、父である侯爵や信頼できる仲間たちとともに、自らの人生を切り拓いていく決意をする。
一方、ラウルは平民女性リリアとの恋を選ぶものの、周囲からの反発や王家からの追放に直面。
「息苦しい」と捨てた婚約者が、王都で輝かしい成功を収めていく様子を知り、彼が抱えるのは後悔と挫折だった。
どうも、死んだはずの悪役令嬢です。
西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。
皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。
アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。
「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」
こっそり呟いた瞬間、
《願いを聞き届けてあげるよ!》
何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。
「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」
義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。
今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで…
ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。
はたしてアシュレイは元に戻れるのか?
剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。
ざまあが書きたかった。それだけです。
公爵家の家族ができました。〜記憶を失くした少女は新たな場所で幸せに過ごす〜
月
ファンタジー
記憶を失くしたフィーは、怪我をして国境沿いの森で倒れていたところをウィスタリア公爵に助けてもらい保護される。
けれど、公爵家の次女フィーリアの大切なワンピースを意図せず着てしまい、双子のアルヴァートとリティシアを傷付けてしまう。
ウィスタリア公爵夫妻には五人の子どもがいたが、次女のフィーリアは病気で亡くなってしまっていたのだ。
大切なワンピースを着てしまったこと、フィーリアの愛称フィーと公爵夫妻から呼ばれたことなどから双子との確執ができてしまった。
子どもたちに受け入れられないまま王都にある本邸へと戻ることになってしまったフィーに、そのこじれた関係のせいでとある出来事が起きてしまう。
素性もわからないフィーに優しくしてくれるウィスタリア公爵夫妻と、心を開き始めた子どもたちにどこか後ろめたい気持ちを抱いてしまう。
それは夢の中で見た、フィーと同じ輝くような金色の髪をした男の子のことが気になっていたからだった。
夢の中で見た、金色の花びらが舞う花畑。
ペンダントの金に彫刻された花と水色の魔石。
自分のことをフィーと呼んだ、夢の中の男の子。
フィーにとって、それらは記憶を取り戻す唯一の手がかりだった。
夢で会った、金色の髪をした男の子との関係。
新たに出会う、友人たち。
再会した、大切な人。
そして成長するにつれ周りで起き始めた不可解なこと。
フィーはどのように公爵家で過ごしていくのか。
★記憶を失くした代わりに前世を思い出した、ちょっとだけ感情豊かな少女が新たな家族の優しさに触れ、信頼できる友人に出会い、助け合い、そして忘れていた大切なものを取り戻そうとするお話です。
※前世の記憶がありますが、転生のお話ではありません。
※一話あたり二千文字前後となります。

【完結】転生地味悪役令嬢は婚約者と男好きヒロイン諸共無視しまくる。
なーさ
恋愛
アイドルオタクの地味女子 水上羽月はある日推しが轢かれそうになるのを助けて死んでしまう。そのことを不憫に思った女神が「あなた、可哀想だから転生!」「え?」なんの因果か異世界に転生してしまう!転生したのは地味な公爵令嬢レフカ・エミリーだった。目が覚めると私の周りを大人が囲っていた。婚約者の第一王子も男好きヒロインも無視します!今世はうーん小説にでも生きようかな〜と思ったらあれ?あの人は前世の推しでは!?地味令嬢のエミリーが知らず知らずのうちに戦ったり溺愛されたりするお話。
本当に駄文です。そんなものでも読んでお気に入り登録していただけたら嬉しいです!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる