［完結］18禁乙女ゲームのモブに転生したら逆ハーのフラグを折ってくれと頼まれた。了解ですが、溺愛は望んでません。

リリーの恋。

「そうそう、リリー、ジェイド総騎士団長令息も連れてきてくれ」

ゼオンの名前にリリーの頬が赤くなる。

あの騒ぎからゼオンはリリーだけに心を許し、いつも側に置いた。
恐怖心は薄れた様だが、不信感は簡単に消えないらしく、騎士団の女性騎士であっても距離を置くのは変わっていない。

そんな2人が恋に落ちるのもあっという間で、平民出のリリーはゼオンを慕っているが、それ以上を望んでいいのか、とも悩んでいた。

それでもリリーはゼオンを思っている。
平民と貴族の恋は障害が多い。
男性側が貴族なら、褒められた手では無いが、愛人として側に置く事も可能だが、ゼオンはそんな不誠実な事を望んではいない。

そして、どれ程困難であろうとも、ゼオンはリリーを妻に、と望んでいる。

「リリーには淑女としての教育が必要になった、て事だね」

そうなると、新年の舞踏会までに彼女を公爵家の一員として、磨き上げなければならない。

「ジルコン公爵様。お屋敷に伺う時、当家の執事も同行させて宜しいでしょうか？」

やるべき事が見えたシルヴィーは有能な人材確保の為、見極める必要がある。