5 / 114
ガラスペンの効果。
しおりを挟む
その日の夜はウィリアム殿下の依頼を確実のものにする為、色々書き物をしていたが、すぐにペン先が潰れるあまりにも使えない羽ペンに腹を立てていた。
切実にボールペンが欲しい。
「本当、見た目は良いけど使えない」
ポイっと羽ペンを投げ捨てると水の入ったコップを手に取り、クイっと飲み干し空になったコップを手のひらに乗せ前世で見たことがあるガラスペンを思い出した。
「錬成」
前世でも使った事がある、綺麗で繊細だけど実用的だったガラスペンを頭の中で思い描いた。
この世界では無いものだけど、ガラスがあるのだから、と安易に考えていたが、シルヴィーの手のひらのコップが光の粒となり、前世で見たことがあるガラスペンが出来上がった。
「出来た」
驚くより使えるものかを確かめないと、と慌ててガラスペンをインク壺に差し込むと綺麗な螺旋状の溝にインクが吸われ、文字も滑らかに書ける。
書けるならついでにこれからの為にも魅了魔法と服従魔法の解除魔法陣を試しに描いてみた。
幾つもの魔法陣を重ね書きしているせいか、かなり複雑なものになったが、どうにかなると思う。
「試しだからまずは効果を見るのも良いかな?」
我が家には数ヶ月前から長いことシングルファーザーであったお父様が迎えた、根性悪の義母と義姉にそいつらの腰巾着の執事がいる。
そして、気味が悪い程お父様は、あいつらが私に何をしても全く反対しない。
この状況が魅了魔法や服従魔法の所為ならば少しはマシな状況になるかも、とシルヴィーは深く考えずに描きあげた魔法陣を発動させてみた。
パァーッと水色の光が四方に拡がったが特に何も起こらなかった。
「失敗かぁ」
本業ではないものが描いた魔法陣はやはりたいして役に立たない様だ、と諦めたがまぁ、あいつらが魔法を使ってなかっただけなのだろう、と言う気持ちにもなった。
「お嬢様、夕食の準備が整いました」
メイド長のサラが呼びに来てくれたので部屋を出て食堂に向かうとありえない光景が目の前にある。
お父様が主人席に着いているのはいいが……。
「遅くなりましたか?」
「いや、時間通りだ」
「では何故、用意が2人分なのでしょうか?」
「今のロードライト伯爵家は私達、2人だけだからだよ」
確かに5歳年上の兄のハロルドは魔術学園の寮に居るから間違いでは無い。
だけど、一応、この家には義母と義姉も居るはずだが。
シルヴィーが困惑した顔で父親のレイモンド・ロードライト伯爵を見ると、自分と同じガーネットの様な赤紫の瞳を和ませ、柔かな笑みで
「私に愚かにも魅了魔法と服従魔法を掛けていた痴れ者を追い出したからな」
と、怖いことを言う。
ダブルで掛けていたとは思いませんでした。
「お二人はどうなさいました?」
「腰巾着の執事と喚いていたが、もうこの家には居ない」
父親の言葉にシルヴィーは思わず眉間に手を当てた。
「執事は魅了魔法とかに掛けられていた被害者ではないのですか?」
「どうだか。魔法が解除されてもあいつらに寄り添ってたから同罪だ」
もともとうちに居た執事は魅了魔法の所為であの女達に媚びていたわけでは無い様だ。
「執事が居なくなっては家の仕事に支障が出ませんか?」
「侍従長が替わりに立ってくれているが、いい人材がいれば雇うとしよう」
当主であるレイモンドの言葉に食堂に集まっているメイドや侍従達が無言で頷いている。
どうやら魅了魔法や服従魔法に掛けられていたお父様に意見が言えなくて困っていたようだ。
「お父様、少し確認したいことがあります。あの人たちが持っていたものでピンクや黒の宝石は有りましたか?」
スチルで見た魅了魔法のアイテムはピンクの宝石。服従魔法のアイテムは黒かった記憶がある。
「食事の後、侍従長に持ってこさせよう」
レイモンドの一言で食事がゆったりとした雰囲気で始まった。
あの人たちが来てからの数ヶ月は食事もまともに食べていなかったから久々にお腹いっぱいになったよ。
食事の後に侍従長が元義母達が持っていた宝飾品を持ってきてくれた。
「数ヶ月でこれ、とは」
膨大な数の豪華な宝飾品にシルヴィーは深く溜息を吐いたが一つ一つ確認をして行くと割れたピンクの宝石と砕けた黒い石を見つけた。
ピンクの宝石を手に乗せ、解析、と呟くと宝石からさまざまな情報が読み取れる。
使われていた素材や術の強さ。
「此方が服従魔法のアイテムだとは思わなかったです」
「アイテムの情報を読み取れるのか」
「はい。かなり高価な素材が使われているので、強力な物ですね」
レイモンドが驚いた顔でシルヴィーを見ていたが、気が付いていないシルヴィーはサラが持ってきてくれたガラスペンでスラスラと読み取ったアイテムのレシピを書き出していく。
「これだけ高価な素材を使っているのに私が描いたちゃちな魔法陣で解除されるとなると、発動者の力も効果に影響するのかもしれません」
アイテムは素材が高価であればあるほど誰が使っても強い力を出す物だ、と思っていたがどうやら違う様だ。
正確なレシピが読み取れたのだからウィリアム殿下に頼んでいた人物なら此方の希望の品を作る事も可能だ。
ならば明後日のウィリアム殿下との面会の事もレイモンドに話しておいた方が良い、と判断したシルヴィーは情報を書き終えると顔を上げた。
「お父様、荒唐無稽な話だと思われると思いますが、今日お会いしたウィリアム殿下と私は共通の予知夢を見ました」
そう切り出されシルヴィーが語った予知夢にレイモンドは一瞬戸惑いの色を見せたが、シルヴィーの強く膨大な魔力は言葉に信憑性を与える。
「確かにシルヴィー、君以外が語ったら馬鹿げた話だ、と言われるだろうが今の君なら多くの者が信じるだろう」
何故今の自分なら、と言われるのかは分からないが一定の理解を得てシルヴィーはホッとした。
兎に角、明日は頼み事をする身なのだから正確な情報やレシピを用意しようと思うので我が家の書斎に籠るつもりだ。
「では、お父様。明日は書斎を使っても宜しいでしょうか?」
「魔術書は図書室の方が良いだろう」
流石、有能な人は違う。
シルヴィーははい、と微笑みながら頷いた。
「それよりシルヴィー。そのガラスのペンのような物はどうした?」
レイモンドが繁々とシルヴィーの持っているガラスペンを見ている。
「作りました。羽ペンは使いにくいので」
「作った?」
「はい。コップがあれば直ぐにでも作れますし、現物があればガラス職人なら同じ物を作れる筈です」
かなり腕が良い職人でないと難しいとは思いますが、と一応付け加えておいた。
「私にも一つ作ってくれるか?」
「喜んで」
シルヴィーは笑顔で頷くと手近にあったグラスを手に乗せ。魔力を込めた。
縁に金細工があったグラスは金が綺麗な螺旋を描くガラスペンへと替わり、シルヴィーは出来の良さに頷いてからレイモンドに渡した。
「これは素晴らしい」
書き心地の良さにレイモンドは唸っていたが、シルヴィーは何故そこまで唸るのかまでは理解していなかった。
だけど、軍事顧問のお父様も使えない羽ペンに嫌気がさしていたのかもしれない。
切実にボールペンが欲しい。
「本当、見た目は良いけど使えない」
ポイっと羽ペンを投げ捨てると水の入ったコップを手に取り、クイっと飲み干し空になったコップを手のひらに乗せ前世で見たことがあるガラスペンを思い出した。
「錬成」
前世でも使った事がある、綺麗で繊細だけど実用的だったガラスペンを頭の中で思い描いた。
この世界では無いものだけど、ガラスがあるのだから、と安易に考えていたが、シルヴィーの手のひらのコップが光の粒となり、前世で見たことがあるガラスペンが出来上がった。
「出来た」
驚くより使えるものかを確かめないと、と慌ててガラスペンをインク壺に差し込むと綺麗な螺旋状の溝にインクが吸われ、文字も滑らかに書ける。
書けるならついでにこれからの為にも魅了魔法と服従魔法の解除魔法陣を試しに描いてみた。
幾つもの魔法陣を重ね書きしているせいか、かなり複雑なものになったが、どうにかなると思う。
「試しだからまずは効果を見るのも良いかな?」
我が家には数ヶ月前から長いことシングルファーザーであったお父様が迎えた、根性悪の義母と義姉にそいつらの腰巾着の執事がいる。
そして、気味が悪い程お父様は、あいつらが私に何をしても全く反対しない。
この状況が魅了魔法や服従魔法の所為ならば少しはマシな状況になるかも、とシルヴィーは深く考えずに描きあげた魔法陣を発動させてみた。
パァーッと水色の光が四方に拡がったが特に何も起こらなかった。
「失敗かぁ」
本業ではないものが描いた魔法陣はやはりたいして役に立たない様だ、と諦めたがまぁ、あいつらが魔法を使ってなかっただけなのだろう、と言う気持ちにもなった。
「お嬢様、夕食の準備が整いました」
メイド長のサラが呼びに来てくれたので部屋を出て食堂に向かうとありえない光景が目の前にある。
お父様が主人席に着いているのはいいが……。
「遅くなりましたか?」
「いや、時間通りだ」
「では何故、用意が2人分なのでしょうか?」
「今のロードライト伯爵家は私達、2人だけだからだよ」
確かに5歳年上の兄のハロルドは魔術学園の寮に居るから間違いでは無い。
だけど、一応、この家には義母と義姉も居るはずだが。
シルヴィーが困惑した顔で父親のレイモンド・ロードライト伯爵を見ると、自分と同じガーネットの様な赤紫の瞳を和ませ、柔かな笑みで
「私に愚かにも魅了魔法と服従魔法を掛けていた痴れ者を追い出したからな」
と、怖いことを言う。
ダブルで掛けていたとは思いませんでした。
「お二人はどうなさいました?」
「腰巾着の執事と喚いていたが、もうこの家には居ない」
父親の言葉にシルヴィーは思わず眉間に手を当てた。
「執事は魅了魔法とかに掛けられていた被害者ではないのですか?」
「どうだか。魔法が解除されてもあいつらに寄り添ってたから同罪だ」
もともとうちに居た執事は魅了魔法の所為であの女達に媚びていたわけでは無い様だ。
「執事が居なくなっては家の仕事に支障が出ませんか?」
「侍従長が替わりに立ってくれているが、いい人材がいれば雇うとしよう」
当主であるレイモンドの言葉に食堂に集まっているメイドや侍従達が無言で頷いている。
どうやら魅了魔法や服従魔法に掛けられていたお父様に意見が言えなくて困っていたようだ。
「お父様、少し確認したいことがあります。あの人たちが持っていたものでピンクや黒の宝石は有りましたか?」
スチルで見た魅了魔法のアイテムはピンクの宝石。服従魔法のアイテムは黒かった記憶がある。
「食事の後、侍従長に持ってこさせよう」
レイモンドの一言で食事がゆったりとした雰囲気で始まった。
あの人たちが来てからの数ヶ月は食事もまともに食べていなかったから久々にお腹いっぱいになったよ。
食事の後に侍従長が元義母達が持っていた宝飾品を持ってきてくれた。
「数ヶ月でこれ、とは」
膨大な数の豪華な宝飾品にシルヴィーは深く溜息を吐いたが一つ一つ確認をして行くと割れたピンクの宝石と砕けた黒い石を見つけた。
ピンクの宝石を手に乗せ、解析、と呟くと宝石からさまざまな情報が読み取れる。
使われていた素材や術の強さ。
「此方が服従魔法のアイテムだとは思わなかったです」
「アイテムの情報を読み取れるのか」
「はい。かなり高価な素材が使われているので、強力な物ですね」
レイモンドが驚いた顔でシルヴィーを見ていたが、気が付いていないシルヴィーはサラが持ってきてくれたガラスペンでスラスラと読み取ったアイテムのレシピを書き出していく。
「これだけ高価な素材を使っているのに私が描いたちゃちな魔法陣で解除されるとなると、発動者の力も効果に影響するのかもしれません」
アイテムは素材が高価であればあるほど誰が使っても強い力を出す物だ、と思っていたがどうやら違う様だ。
正確なレシピが読み取れたのだからウィリアム殿下に頼んでいた人物なら此方の希望の品を作る事も可能だ。
ならば明後日のウィリアム殿下との面会の事もレイモンドに話しておいた方が良い、と判断したシルヴィーは情報を書き終えると顔を上げた。
「お父様、荒唐無稽な話だと思われると思いますが、今日お会いしたウィリアム殿下と私は共通の予知夢を見ました」
そう切り出されシルヴィーが語った予知夢にレイモンドは一瞬戸惑いの色を見せたが、シルヴィーの強く膨大な魔力は言葉に信憑性を与える。
「確かにシルヴィー、君以外が語ったら馬鹿げた話だ、と言われるだろうが今の君なら多くの者が信じるだろう」
何故今の自分なら、と言われるのかは分からないが一定の理解を得てシルヴィーはホッとした。
兎に角、明日は頼み事をする身なのだから正確な情報やレシピを用意しようと思うので我が家の書斎に籠るつもりだ。
「では、お父様。明日は書斎を使っても宜しいでしょうか?」
「魔術書は図書室の方が良いだろう」
流石、有能な人は違う。
シルヴィーははい、と微笑みながら頷いた。
「それよりシルヴィー。そのガラスのペンのような物はどうした?」
レイモンドが繁々とシルヴィーの持っているガラスペンを見ている。
「作りました。羽ペンは使いにくいので」
「作った?」
「はい。コップがあれば直ぐにでも作れますし、現物があればガラス職人なら同じ物を作れる筈です」
かなり腕が良い職人でないと難しいとは思いますが、と一応付け加えておいた。
「私にも一つ作ってくれるか?」
「喜んで」
シルヴィーは笑顔で頷くと手近にあったグラスを手に乗せ。魔力を込めた。
縁に金細工があったグラスは金が綺麗な螺旋を描くガラスペンへと替わり、シルヴィーは出来の良さに頷いてからレイモンドに渡した。
「これは素晴らしい」
書き心地の良さにレイモンドは唸っていたが、シルヴィーは何故そこまで唸るのかまでは理解していなかった。
だけど、軍事顧問のお父様も使えない羽ペンに嫌気がさしていたのかもしれない。
74
お気に入りに追加
363
あなたにおすすめの小説
乙女ゲームの世界だと、いつから思い込んでいた?
シナココ
ファンタジー
母親違いの妹をいじめたというふわふわした冤罪で婚約破棄された上に、最北の辺境地に流された公爵令嬢ハイデマリー。勝ち誇る妹・ゲルダは転生者。この世界のヒロインだと豪語し、王太子妃に成り上がる。乙女ゲームのハッピーエンドの確定だ。
……乙女ゲームが終わったら、戦争ストラテジーゲームが始まるのだ。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
悪役令嬢はモブ化した
F.conoe
ファンタジー
乙女ゲーム? なにそれ食べ物? な悪役令嬢、普通にシナリオ負けして退場しました。
しかし貴族令嬢としてダメの烙印をおされた卒業パーティーで、彼女は本当の自分を取り戻す!
領地改革にいそしむ充実した日々のその裏で、乙女ゲームは着々と進行していくのである。
「……なんなのこれは。意味がわからないわ」
乙女ゲームのシナリオはこわい。
*注*誰にも前世の記憶はありません。
ざまぁが地味だと思っていましたが、オーバーキルだという意見もあるので、優しい結末を期待してる人は読まない方が良さげ。
性格悪いけど自覚がなくて自分を優しいと思っている乙女ゲームヒロインの心理描写と因果応報がメインテーマ(番外編で登場)なので、叩かれようがざまぁ改変して救う気はない。
作者の趣味100%でダンジョンが出ました。

異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜
青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ
孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。
そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。
これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。
小説家になろう様からの転載です!
婚約破棄からの断罪カウンター
F.conoe
ファンタジー
冤罪押しつけられたから、それなら、と実現してあげた悪役令嬢。
理論ではなく力押しのカウンター攻撃
効果は抜群か…?
(すでに違う婚約破棄ものも投稿していますが、はじめてなんとか書き上げた婚約破棄ものです)
悪役令嬢ですが、ヒロインの恋を応援していたら婚約者に執着されています
窓辺ミナミ
ファンタジー
悪役令嬢の リディア・メイトランド に転生した私。
シナリオ通りなら、死ぬ運命。
だけど、ヒロインと騎士のストーリーが神エピソード! そのスチルを生で見たい!
騎士エンドを見学するべく、ヒロインの恋を応援します!
というわけで、私、悪役やりません!
来たるその日の為に、シナリオを改変し努力を重ねる日々。
あれれ、婚約者が何故か甘く見つめてきます……!
気付けば婚約者の王太子から溺愛されて……。
悪役令嬢だったはずのリディアと、彼女を愛してやまない執着系王子クリストファーの甘い恋物語。はじまりはじまり!
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる