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第二部 獣人武闘祭
第364話(実況席)
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「さあ、今日もやってまいりました午後七時! J1グランプリの時間です! 実況はこの私! クラ」
「なあ」
「ちょっ、なんなんです? 今、名乗りを上げる大事なところなんですから、邪魔しないでくださいよ」
「いや、でも、ほら、あれ。誰か呼んどるで」
「あっ、本当ですね。ちょっと行ってきます。とりあえず場を持たせておいてください」
「えぇ~……うち、そんなんできんて。あかん、行ってもうた。……え~っと、どないしよ……うちの趣味の話でもしよか? うち、こう見えてな、料理とかめっちゃ好きやねん。茶碗蒸しとかも作れんねんで。けどなあ、自分一人のために作んのも、張り合いのうてなあ。昔は、よう友達同士で集まって、パーティーみたいなこと、やってんけどなあ。最近は、皆忙しいねん。永遠の友情を誓った女同士もな。他に男ができたら、現金なもんやで。なんぼ誘っても、『また今度ね』って。なんやねんそれ。この前も『また今度ね』言うとったやん。いや、別に、怒っとるわけやないねん。ただ、ちょっとな、うち、寂しいねん。こないだなんか……あっ、くーちゃん、帰って来た。なんの話やったん?」
「ただいま、大変な情報が入ってきました! 先に決勝進出を決めた、ミス・マウンテンゴリラ選手が、右鎖骨骨折、左肋骨2本骨折、左大腿骨骨折で、明後日の決勝戦を棄権することが、所属団体『パワー・オブ・ゴリラ』から発表されました!」
「あぁ~……やっぱり……なんちゅうか、そんな気しとったわ。昨日の終盤、めっちゃくちゃに打たれとったもんなあ」
「それでも、本人は出る気満々だったようですが、所属団体の社長が強引に主催委員会に連絡して、止めたようですね」
「まあ、選手は動ける限りは出たがるもんやからな。せやけど、団体としては、そら止めるやろ。せっかくのドル箱選手や、無理したら選手生命にかかわるからな」
「そうですね。残念ですが、仕方ありません」
「んで、今後の試合はどうなるん? あの猫ちゃんが、繰り上げで復活するん?」
「いえ、J1グランプリは、いかなる理由があろうとも、一度敗北した選手はトーナメントに復活できませんから、予定を急遽詰めて、この試合を決勝戦として扱うそうです」
「まあ、それでええやろな。実際、実力的にもこの二人の戦いが、事実上の頂上決戦やろ」
「シルヴァさんは、どちらが勝つと思います?」
「う~ん……なかなか予想が難しいところやけど、狐仮面……かなぁ……」
「なるほどなるほど。そういえば、狐仮面選手って、まだ一度も戦ってないんですね。ダメージの蓄積もゼロだし、そりゃ有利ですよね」
「ダメージの蓄積がゼロっちゅうなら、あのおちびもそうやろ。一方的に殴る蹴るしただけやもん」
「言われてみればそうでした。さあ、そろそろ両者、リングインです!」
「なあ」
「ちょっ、なんなんです? 今、名乗りを上げる大事なところなんですから、邪魔しないでくださいよ」
「いや、でも、ほら、あれ。誰か呼んどるで」
「あっ、本当ですね。ちょっと行ってきます。とりあえず場を持たせておいてください」
「えぇ~……うち、そんなんできんて。あかん、行ってもうた。……え~っと、どないしよ……うちの趣味の話でもしよか? うち、こう見えてな、料理とかめっちゃ好きやねん。茶碗蒸しとかも作れんねんで。けどなあ、自分一人のために作んのも、張り合いのうてなあ。昔は、よう友達同士で集まって、パーティーみたいなこと、やってんけどなあ。最近は、皆忙しいねん。永遠の友情を誓った女同士もな。他に男ができたら、現金なもんやで。なんぼ誘っても、『また今度ね』って。なんやねんそれ。この前も『また今度ね』言うとったやん。いや、別に、怒っとるわけやないねん。ただ、ちょっとな、うち、寂しいねん。こないだなんか……あっ、くーちゃん、帰って来た。なんの話やったん?」
「ただいま、大変な情報が入ってきました! 先に決勝進出を決めた、ミス・マウンテンゴリラ選手が、右鎖骨骨折、左肋骨2本骨折、左大腿骨骨折で、明後日の決勝戦を棄権することが、所属団体『パワー・オブ・ゴリラ』から発表されました!」
「あぁ~……やっぱり……なんちゅうか、そんな気しとったわ。昨日の終盤、めっちゃくちゃに打たれとったもんなあ」
「それでも、本人は出る気満々だったようですが、所属団体の社長が強引に主催委員会に連絡して、止めたようですね」
「まあ、選手は動ける限りは出たがるもんやからな。せやけど、団体としては、そら止めるやろ。せっかくのドル箱選手や、無理したら選手生命にかかわるからな」
「そうですね。残念ですが、仕方ありません」
「んで、今後の試合はどうなるん? あの猫ちゃんが、繰り上げで復活するん?」
「いえ、J1グランプリは、いかなる理由があろうとも、一度敗北した選手はトーナメントに復活できませんから、予定を急遽詰めて、この試合を決勝戦として扱うそうです」
「まあ、それでええやろな。実際、実力的にもこの二人の戦いが、事実上の頂上決戦やろ」
「シルヴァさんは、どちらが勝つと思います?」
「う~ん……なかなか予想が難しいところやけど、狐仮面……かなぁ……」
「なるほどなるほど。そういえば、狐仮面選手って、まだ一度も戦ってないんですね。ダメージの蓄積もゼロだし、そりゃ有利ですよね」
「ダメージの蓄積がゼロっちゅうなら、あのおちびもそうやろ。一方的に殴る蹴るしただけやもん」
「言われてみればそうでした。さあ、そろそろ両者、リングインです!」
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