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第二部 獣人武闘祭
第316話
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「ネルロさんって、いつも笑ってませんでしたっけ? ほら、ふひひって」
「あれは興奮の吐息であって、笑い声じゃありませんぞ! ネルロは、ちょっと色々あって、ずっと笑顔を失っていたのですぞ! ネルロの微笑みは、それはもう、あれの母親にそっくりで、可憐なのですぞ! ガハハハ!」
「そ、そうなんですか」
・
・
・
というわけで、その日の夜。私とミャオは、親睦パーティーが開かれる、グランディア国際ホテルへとやって来た。中に入る前に、そのあまりの豪華さと大きさに、私たちは圧倒される。
「で、でっけーホテルニャ。小さな山くらいあるニャ」
ミャオは首を大きく反らせてホテルを眺める。
私はその首を後ろから優しく押して元に戻した。
「こらこら、そんなに首を逸らすと痛めちゃうわよ」
「猫耳獣人は身体が柔らかいから平気ニャ」
「それにしても、ミャオが案外乗り気で驚いたわ。てっきり、『自分以外は全員ライバルニャ、これから戦う相手と親睦深めてどうするニャ!』とか言うと思ったのに」
「まあ、昔の僕ならそう言ったかもしれませんニャ。でも、まっちゃんやネルロちゃんと拳で語り合い、僕は大人になったニャ。今なら、戦う前にお話しするのも、思ったより悪いことじゃないって感じるニャ」
「うーん、成長したわねえ。それじゃ、まずは更衣室に行きましょうか。ゴヘイさんが手配してくれた貸衣装屋さんが待ってるはずだわ。二人そろって、着付けしてもらわないとね」
「ニャッ。ドレスなんか着たくないけど、着ないとパーティーに出られないなら、まあ我慢して着ますニャ」
そして私たちはホテルに入った。
ゴージャスなフロントで更衣室の場所を聞き、そこに行くと、ゴヘイに聞かされていた通り、すでに貸衣装屋が待機していた。三人もいる。皆、こちらに向かって丁寧に頭を下げると、着付けを始めてくれた。
ドレスなんて着るの、どれだけぶりだろう。少々派手な白いドレスを着せてもらい、ちょっとだけ照れくさくて、私ははにかんだ。
「まあ、とても良くお似合いですわ。どこかの国のプリンセスのよう」
「そ、そうでしょうか……」
お世辞だと分かっていても、嬉しかった。サービスで髪もまとめてもらい、自分で言うのもなんだが、それなりのパーティースタイルが完成した。
「あれは興奮の吐息であって、笑い声じゃありませんぞ! ネルロは、ちょっと色々あって、ずっと笑顔を失っていたのですぞ! ネルロの微笑みは、それはもう、あれの母親にそっくりで、可憐なのですぞ! ガハハハ!」
「そ、そうなんですか」
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というわけで、その日の夜。私とミャオは、親睦パーティーが開かれる、グランディア国際ホテルへとやって来た。中に入る前に、そのあまりの豪華さと大きさに、私たちは圧倒される。
「で、でっけーホテルニャ。小さな山くらいあるニャ」
ミャオは首を大きく反らせてホテルを眺める。
私はその首を後ろから優しく押して元に戻した。
「こらこら、そんなに首を逸らすと痛めちゃうわよ」
「猫耳獣人は身体が柔らかいから平気ニャ」
「それにしても、ミャオが案外乗り気で驚いたわ。てっきり、『自分以外は全員ライバルニャ、これから戦う相手と親睦深めてどうするニャ!』とか言うと思ったのに」
「まあ、昔の僕ならそう言ったかもしれませんニャ。でも、まっちゃんやネルロちゃんと拳で語り合い、僕は大人になったニャ。今なら、戦う前にお話しするのも、思ったより悪いことじゃないって感じるニャ」
「うーん、成長したわねえ。それじゃ、まずは更衣室に行きましょうか。ゴヘイさんが手配してくれた貸衣装屋さんが待ってるはずだわ。二人そろって、着付けしてもらわないとね」
「ニャッ。ドレスなんか着たくないけど、着ないとパーティーに出られないなら、まあ我慢して着ますニャ」
そして私たちはホテルに入った。
ゴージャスなフロントで更衣室の場所を聞き、そこに行くと、ゴヘイに聞かされていた通り、すでに貸衣装屋が待機していた。三人もいる。皆、こちらに向かって丁寧に頭を下げると、着付けを始めてくれた。
ドレスなんて着るの、どれだけぶりだろう。少々派手な白いドレスを着せてもらい、ちょっとだけ照れくさくて、私ははにかんだ。
「まあ、とても良くお似合いですわ。どこかの国のプリンセスのよう」
「そ、そうでしょうか……」
お世辞だと分かっていても、嬉しかった。サービスで髪もまとめてもらい、自分で言うのもなんだが、それなりのパーティースタイルが完成した。
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